業績好調の大東建託にも陰りが・・
大東建託の2016年4月から12月期連結経常利益が公表されました。
連結経常利益は1000億超で、前年同期比2割増しの好調な数字が示されました。
しかも同期間では8期連続で最高益となっています。
好調の要因は、よく知られていることですが低金利融資を受けて、投資や相続税対策の需要を取り込むことができたことにあります。
さらに日経新聞2017年1月25日の記事によると
2015年春に受注価格を5%程度引き上げた。
と書かれています。
私も最近、建設費を値上げしたということは聞いていましたが、具体的に2015年春に5%程度ということは、この日経新聞の記事で知りました。
そいて建設費の値上げの理由は資材や人件費が高騰したことにあります。
しかし資材や人件費の高騰も落ち着き完成工事利益率が改善されたことも、業績を押し上げたようです。
さらに100万戸前後の管理業務も好調で、空室率も3%前後で管理手数料も順調に入ってくるようです。
一括借り上げを得意とする大東建託は、一括借り上げの管理物件の場合の管理手数料は家賃の10%前後です。
一括借り上げでない場合は5~10%なので、より多くの管理手数料を稼ぐことができます。
もちろん家賃保証なので空室でも賃料を大家に支払うというリスクはありますが、驚異的な入居率によって安定した管理手数料を稼ぐことができているようです。
このように建設受注高と管理手数料によって2016年4月から12月は業績が好調でしたが、しかし2017年も安泰というわけではないようです。
というのも2016年10月~12月は建設受注高が前年比マイナスとなり、不動産投資もいよいよ陰りが生じてきているのです。
受注高は先行指標といわれ、2017年中に業績の数字にその影響があらわれる可能性があります。
では今後はどうなっていくのでしょうか。
9年連続最高益を達成するのは無理なのでしょうか。
それはわかりませんが、現状のままでは厳しいものと思われます。
しかし時代の流れには逆らえないので、あえて厳しい状況を受け入れるしかないのかもしれません。
そして賃貸住宅の建設受注以外に収益の柱となるような事柄を開拓するしかないのかもしれません。