小規模マンションオーナーの日記


10月 25, 2016

アパート空室率上昇 家賃も下落


賃貸住宅画像

空室率の上昇は家賃の下落ももたらす。

先回のブログでは、アパート急増に伴う空室率上昇について、特に首都圏で空室率の悪化がみられることについて書きました。

とにかく首都圏における2016年8月の着工数において賃貸住宅は17.6%増と異常に増加しているのです。

これでは人口密集地帯の首都圏といえども空室が目立つようになるのも仕方がないように思われます。

そしてこのアパートの急増の要因はなんといっても相続税対策と空き家特措法といった法律の施行があり、それに乗じた建設会社の営業活動がかなり功を奏したようです。

それを裏付けるかのように賃貸住宅大手メーカーは大東建託をはじめとして2016年は過去最高益の業績を更新しています。

ところで大家にとって空室率上昇によるデメリットは空室による収入減だけではありません。

不動産調査会社タスの主任研究員の藤井和之さんによると

特に単身者向け物件は供給過剰で、郊外の家賃相場は年率1%下落している。

 

引用:にわか大家さん投資の大誤算 賃貸アパート空室率上昇、「バブルの火種」懸念

とのことです。

どうしても収益率が良い単身者向けアパートマンションに大家はしたがるものですが、もはや供給過剰で、逆に空室による収入減を招いている現状が示されています。

そういえば私の物件があるエリアも最近は積水ハウス施行のアパートが単身者向けといよりも、やや広めのカップル向きか、ファミリータイプのものが新しく建ったり、建設計画がなされています。

積水ハウスも単身者向けはもはや供給過剰と見ているのでしょうか。

花画像

家賃は年間1%ずつ下落していく場合がある。

ところで空室による収入減に加えて郊外の家賃相場が年率1%下落しているというのも衝撃的な事実です。

1%ということは、例えば今年は70000円の募集家賃だったものが10年後には63000円の募集家賃になるということです。

もちろんこれは、いずれも新築時を想定したものですが、アパートマンションは経年劣化による家賃の下落も計算に入れなければなりません。

では新築時は家賃70000円であっても家賃相場は年率1%下落し、さらに経年劣化による家賃の下落も加算されるならば、5年後、10年後、20年後その物件の家賃はどこまで下がってしまうのでしょうか。

考えただけでも、恐ろしい事柄です。

こうしたリスクが現れている今、日本総合研究所は

一連のリスクが意識されれば、着工戸数は早晩頭打ちになるだろう 

 

引用:にわか大家さん投資の大誤算 賃貸アパート空室率上昇、「バブルの火種」懸念

との指摘もありますが、その通りになるのでしょうか。

大家の立場からすれば、そうなってほしいものです。

 

 

追記:そもそもアパートが急増した要因については以下の記事をご覧ください。

 

そもそもアパート建設過熱の引き金になったのは2015年以降施行された相続税増税です。

これまでは相続税の対象にならなかった人たちが2015年以降には対象になり、相続税対策が迫られるようになったこと。

そこに目をつけたのがサブリース建設業者で、相続税対策としてアパート経営を積極的にもちかけてきたのです。

さらに地元や国内では融資の拡大があまり望めない銀行が不動産投資に目をつけて有望な市場として、積極的にアパート経営を後押ししてきたことも影響しています。

しかし問題はアパート経営や不動産についての知識や経験のない地主さんにアパート経営を持ちかけるというてんです。

地主さんにとっては相続税がかかるとなると、子供たちには迷惑をかけたくないという気持ちからサブリース建設業者から営業を受けると応じやすくなってしまうようです。

もちろん良心的な業者は、契約する前にきちんとアパート経営のリスクを説明しますが、しかし高齢の地主には説明を聞いても、どれぐらいそのリスクを本当に認識できているのでしょうか。

賃貸住宅画像

アパート過剰建設はオーナーの経営を苦しめることになる。

さらに消費者であるならば、消費者を保護する法律によって守られている部分もあります。

ですから認識不足から、何かを購入したり契約したりしても一定期間内でしたらキャンセル等を行うことができます。

しかしアパート経営を始めることには、消費者のように保護するような法律が、今のところないのです。

つまりは事業者としての扱いになるわけですが、アパート経営や不動産について、ほとんど何も知らないのに事業者になることにリスクがあるのです。

おそらくは相続税対策についてはうまくゆくことでしょう。

また高齢の地主さんが生きている間は、アパート経営もそこそこの入居率を維持してゆけるかもしれません。

しかし子供への相続が完了した後、つまりは子供がアパート経営者になった時代に、経年劣化による家賃の減少、修繕費用等の増加などの問題が生じはじめ、アパート経営そのものが子供にとって大きな負担になる可能性があるのです。

ということはアパートバブルのつけを支払うのは、結局は相続税の支払いこそ免れた次世代の大家になるということになるのではないでしょうか。

 

追記:賃料相場について国土交通省のウェブサイトには

各間取りとも家賃相場は、東京都が最も高く、次いで首都圏3県、近畿圏(大阪府、京都府、兵庫県)、愛 知県、福岡県などが高い

地方部(秋田県、石川県、福井県、岐阜県、三重県、和歌山県、鳥取県、島根県、山口県、四国地域、佐賀県、熊本県、大分県、宮崎 県)では「2LDK/3K/3DK」の間取りでも6万円を下回っており、東京都の同規模の家賃相場に対して半額以下

賃料相場②~都道府県別、間取り別家賃相場~

引用:https://www.mlit.go.jp/common/001011169.pdf(アクセス日2020/4/10)

と書かれていて、入居者需要の大きい主要都市エリアの家賃相場は、持ちこたえているものの、入居者需要の乏しい地方で家賃相場の差が大きく開いていることが示されています。

20/9/20

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA