10年物国債金利0%誘導を続ける日銀
以前のブログで2016年7月の日本銀行の金融政策決定会合以来、国債価格が不安定になっていることについて書いたことがあります。
どうもその時に飛び出した、これまでの金融政策を検証するという日銀総裁の言葉に多くの投資家が憶測して、金融緩和の修正を行うのではないかとの観測に、値上がりした国債の利益確定売りが出て、金利上昇そして国債価格下落が生じたようです。
さて2016年9月に日本銀行の金融政策決定会合が行われました。
今回は何が決まるかのだろうかと、これまでにない注目を集めた会合でしたが、結果は
- 10年物金利を0%に誘導するということ
- 2%の物価上昇目標達成まで金融緩和は継続する
というものでした。
国債買い入れ増額、そして行われるのではないかと考えがえられていたマイナス金利の深堀は見送られました。
先回の金融政策決定会合の決定については不評な意見が多かったように思いますが、今回は「え、日銀はこれからどうするの?」といった戸惑ったような感じで、決定会合後の国債価格は急落したかと思えば、引け際に上昇するという不安定な動きを見せました。
多くの投資家にとって予想外の決定だったようです。
しかし時間の経過とともに、今回の決定が妥当だったという意見も多くなってきました。(新聞記事などを見てみるとですが)
私のようにアパートローンを現時点でも億近く借りている者にとっては金利の動向にはおおいに関心がありますが、今後どうなっていくのでしょうか。
まず10年物金利0%誘導についてですが、当初は長期金利の若干の上昇をもたらすの意見が聞かれましたが、国債価格は決定会合以降、やや上向いている(金利は下落傾向)ように思われます。
どうも10年物のマイナス金利の国債の運用難を懸念して国債を売っていた機関投資家が、0%ならば運用できると判断して国債を買い戻す動きがではじめ、国債価格が若干上昇しているようです。
また2%の物価上昇までは金融緩和継続を断言したことは、当分は金融緩和政策継続が続くという、ある種の安心感のようなものを与え、債券買いを促進し、金利を下げる効果があるのかもしれません。
10月中旬には、2017年1月から6月の変動金利が決定されます。
注目は10月11日頃に短期プライムレート、そして長期プライムレートに変更が生じるかどうかです。
長期プライムレートは変わらずか上昇するかもしれませんが、短期プライムレートは下がる可能性があります。
11月には明らかになりますが、もしも短期プライムレートが下がれば変動金利も下がります。