賃貸住宅のニーズ 鍵は防犯と防音
超低金利と相続税対策のために不動産投資ブームが続いています。
結果として多くの賃貸アパートが乱立するようになるなか、ほぼ満室状態を維持した安定経営を続けるためには、入居者ニーズに合致した魅力ある物件であることが求められるようになってきています。
ハウスメーカーも入居者の心をつかめるような賃貸住宅提供のために創意工夫を凝らし、他メーカー物件との差別化を図ろうとしているといわれています。
2016年9月28日の産経新聞によると、大和ハウス工業の取り組みとして
破るのに5分はかかる強化ガラスを使った窓の設置
について書かれていました。
セキュリティ賃貸を売りにしている大和ハウスならではの取り組みです。
他にも
室内用の物干しざお、デザイン性を重視した壁紙
といった工夫も凝らし、ターゲットはファミリー向け賃貸において、比較的屋内で過ごすことの多い主婦の心をつかむことを考えているとのこと。
記事によると大和ハウス工業の業績は
平成28年3月期の賃貸住宅の売上高は、前期比13.9%増の8801億円で過去最高。31年3月期には1兆円越えを目指す。今年9月からは、全国500カ所で富裕層向けに2.3階建てアパートを中心とした見学会を開催するなどして賃貸住宅市場に当面、注力する
と好調で、将来に向けても強気姿勢です。
もちろん他のハウスメーカーも入居者ニーズをつかんだ賃貸住宅開発を行っており積水ハウスは防音を強化した賃貸住宅モデルの売り込みを行っていますし、パナホームは都市部の狭い土地を有効活用できるような多層階アパートの販売を行っています。
賃貸住宅の量については過剰気味な昨今、今後は質を強化して常に満室状態を維持できるアパートマンションを目指しているようです。
昔ながらの大家さんにとっては、面白くない時代の流れかもしれませんが、昔ながらの商店街が、寂れていき、人が新しいショッピングモールなどに流れていくように、賃貸住宅も昔からの物件に空室が目立つようになる一方、入居者ニーズに合致したアパートに流れていく傾向は当分続きそうです。
今のニーズのキーワードは防犯と防音だそうで、防犯と防音を追及したアパートがこれからも増えていきそうです。
追記:最近ですが、パナホームつまりはパナソニックホームの賃貸住宅も見かけるようになりました。
パナソニックホームですが、名前のとおりパナソニックグループの住宅会社です。
この特徴についてはウィキペディアによると
超高層ビルで用いられる、建物のゆがみを抑える「座屈拘束技術(ざくつこうそくぎじゅつ)」を住宅用にダウンサイジングし、業界で唯一、採用することで地震時の建物のゆがみが少ない。日本で最も加振能力の高い、実験施設の限界である東日本大震災の1.8倍、阪神・淡路大震災の4.3倍のエネルギーでの実験にも、ゆがみによる建物の損傷が少ないことを実証している。
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/パナソニック_ホームズ(アクセス日2019/12/14)
と書かれていて、耐震性に優れた住宅を供給しているようです。
他にも間取りの変更ができるとか、室内で健康的な生活を送れるように工夫されているなどの特徴があるようです。
ただ遮音性や防犯機能についてはよくわかりません。
ただ賃貸住宅や戸建て住宅におけるシェアは高くはないものの、今後も家電で培った技術をいかした住宅を供給していくのではないかと思います。