建設工事が遅延すれば遅延損害金を請求できるが条件も
建設工事の請負契約では、その履行が中断などで遅れれば、契約に従って発注者は受注者に遅延損害金を請求できることになっています。
このてんについて日経クロステック2015/5/13の「工期が遅れた場合、どのような損害賠償を請求できますか?」という記事には
「民間連合約款」においては、その30条1項において「受注者の責めに帰すべき事由により、契約期間内に契約の目的物を引き渡すことができないときは、契約書に別段の定めのない限り、発注者は、受注者に対し、遅滞日数に応じて、請負代金に対し年10%の割合で計算した違約金を請求することが出来る」と定める。これに基づけば、工期遅延に対して、工事代金×遅延日数/365日×10%という方法により計算されることになる。
引用:https://xtech.nikkei.com/dm/article/FEATURE/20150507/417061/(アクセス日2020/4/25)
と書かれています。
つまりは遅延損害金として
工事代金×遅延日数/365日×10%
を請求することができるのです。
例えば工事代金が1億円
遅延日数が30日の場合は
遅延損害金は約900万円ほどになります。
こんなにもするのかと思われるかもしれませんが、計算上はこうなるのです。
実際に発注者や賃貸住宅のオーナーに建設工事の工期が遅れた場合、こんなにも実害が生じるかどうかというと、正確なことはわかりません。
しかし法的にはこれぐらい請求できるというのです。
ところで、この建設工事における遅延損害金を請求できる条件としては
受注者の責めに帰すべき事由により、契約期間内に契約の目的物を引き渡すことができないときは
と書かれています。
つまりは受注者の責めに帰すべき事由がなければ遅延損害金を請求できないということです。
なので天災などによる工事中断は、受注者の責めに帰することができない事由と判断されてしまう場合が少なくないということになります。
ところで新型肺炎コロナウイルス蔓延による建設現場の休所のために建設工事の遅延の場合はどうなるのでしょうか。
おそらくは天災の場合と同じようにみなされる可能性が高いと思われます。
そして大手の建設会社やゼネコンは原則、今回の新型コロナウイルス蔓延のために現場を休所にする方針です。
もし発注者や賃貸住宅のオーナーがこの事態に直面すればどうすれば良いのでしょうか。
実際に、工事の遅延でどれくらいの実害が生じるのかを考えてみることができます。
そして建設会社と、こんてんをよく協議することができるでしょう。
現場を休止にするのが原則ですが、実害があまりにも生じるならば、工事の継続もありえることになっています。
遅延によって全体的にあまり実害が生じないようならば、快く休止要請に応じることによって新型肺炎コロナウイルス蔓延防止に協力することができるでしょう。
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