大東建託の住み心地の良さランキングから見えてくること
毎年のことですが、住みたい街のランキングなどが公表され話題になることがあります。
ところでこのランキングは住みたい街ということで、あくまでも願望的なものです。
それに対して賃貸住宅最大手の行っている大東建託のランキングは住みたいではなくて、現に住んでみて住み心地が良いかどうかのランキングです。
そのてんで大東建託の調査は他社の調査にはない特色があり注目されています。
ところで賃貸住宅経営において、入居者としてターゲットにすべきなのは、婚期がやや過ぎた中年女性をターゲットにせよという意見があります。
そしてこの意見には私も、ほぼ正しいと考えています。
というのも婚期を過ぎた女性なので、
・付き合っている男性を部屋に連れてくることはあまりない。
・仕事上のキャリアをがあるので、収入にも事欠かない。
・マナーも比較的よく、他の入居者さんに迷惑をかえることがあまりない。
・長期間入居してくださることも少なくない。
などの理由があると思います。
ところで大東建託の住み心地の良さで、とくに女性に高評価を得ている街の特徴を知ることができます。
例えば首都圏において35歳以下の女性で、満足度の高いエリアのランキングは
1位 西荻窪
2位 駒込
3位 津田沼
・
・
10位 両国
となっています。
ランキングされているエリアで共通している事柄は
・交通のアクセスが良い
・商業施設が近くにある
・喧噪な街並みでない
といったてんで、共通化しているようです。
とくに一般的なランキングとで異なるのは、商業施設が近くにあっても、自宅周辺は安全かつ静かな環境というものを女性は好むということがわかってきます。
ということは主要な駅から徒歩10分圏内のアパートやマンションであっても、周辺に飲み屋街などがあると女性からは敬遠されるということになります。
理想としてはアクセスの良い駅から徒歩10分圏内でも、喧噪感がない閑静な住宅街で、なおかつ夜道でも安心して歩けるというエリアということになるのでしょうか。
もちろん男性となると、喧噪な街でも、夜道が多少怖くても、かまわないということのようですが、女性の入居者をターゲットにするならば、そのようなエリアは避けたほうが良いということになるようです。
追記:大東建託のウェブサイトには、この住み心地ランキングについて
住みたい街ランキングの調査は数多く行われていますが、実際に住んでいる人々がその街に対してどのように感じているのかについては、大規模な調査はほとんど行われていません。人々が住まいを選ぶ時に、実際に住んでいる人たちの評価を聞きたいというニーズが強いと考えられます。そうした情報を提供することが人々のより幸福な住生活に繋がると考えたことが本調査の背景です。
引用:https://www.kentaku.co.jp/sumicoco/(アクセス日2020/4/1)
と書かれています。
実際のところ住みたいと思って住んでみたものの、思っていたのと違ったということで失望することはあるかもしれませんが、大東建託の場合は、実際に住んでみて、良かったかどうかの調査なので、より現実的な調査といえるでしょう。
追記:大東建託の住みたい街ランキングの意義については以下の記事もご覧になってください。
賃貸住宅経営を行ううえで、どのエリアで行うかの選択はとても重要です。
この選択で間違えてしまうと、新築当初はよくても、築年数が経つにつれて、だんだんと入居率の維持が大変になっていき、そうなると家賃もかなり下げていかなければならなくなるかもしれません。
通常は、賃貸住宅経営は家賃収入から銀行への毎月の返済金を支払い、さらに建物の維持管理コスト(修繕費や損害保険料)を含むを取り分けたり支払ったりしていかなければなりません。
そこで家賃収入よりも、取り分けるお金や支払い分のほうが、大きくなってしまうと、まさに赤字経営となってしまいます。
そしてこのような状況が改善されることなく、ずっと続くと、所有物件はまさに負動産になり、銀行への返済ができなくなると、賃貸住宅経営は終わりです。
ですからどこで賃貸住宅経営をするか、入居者需要のあるエリアなのかどうかを見極めるのは重要です。
このてんで大手の不動産会社が発表している、住みたい街ランキングは参考になります。
多くの方が、いずれは住んでみたいと思っている街なのですから、そのエリアは入居者需要があると考えることができるでしょう。
ところで調査を行う不動産会社によって住みたい街ランキングにランクインされるエリアが異なってくるのも事実です。
おそらくは調査方法が異なるゆえに多少ランキングされる街が異なってくるのではないかと思われます。
そして最近ですが、賃貸住宅最大手の大東建託が首都圏において住みたい街ランキングを公表しました。
大東建託といえば圧倒的な管理戸数と入居者をかかえる会社なので、その調査結果は注目すべき事柄ですが、ランクインしたのは、市ケ谷や広尾、北山田といったエリアです。
この結果は他社の調査とは異なるものでしたが、その理由は、大東建託は現在住んでいるエリアが気に入っているかどうかの要素を加味しているてんで異なっているようです。
ですから住みたい街というよりも、住み続けたい街ランキングとも表現できるかもしれません。
いずれにしても大東建託の調査でランクインしている街ならば、入居者ができるだけ長く入居してくださる可能性が高くなっていくと思われます。
ということは退去者が少ない→入居率の維持→家賃の下落も限定的、といったオーナーにはありがたい恩恵があるかもしれません。
このように大東建託の調査を含めた、住みたい街ランキングはエリアの選定のうえで参考にすることができます。
20/9/1