アパートジリ貧の大東建託が新たな事業を始める
2018年ぐらいからでしょうか、賃貸アパートやマンションの新規建設工事が業界全体で減少しています。
原因は幾つかあるようですが。
その1つが銀行のアパートローン審査の厳格化だとも言われています。
それで、そのような時代の流れの影響を大手の建設会社も受けています。
そして大手の建設会社のなかでも、とりわけ影響を受けているのが、賃貸住宅最大手で、しかもアパート建設工事をコア事業にしてきた大東建託です。
それで、そのような事態になることを、ある程度予測していたのか、大東建託も数年前から事業の多角化を急速に進めているように思われます。
例えば今後も成長が見込める介護や保育事業、賃貸住宅向けの保険・・があります。
そして最近では
オフィス事業にも
本格的に参入することが明らかになりました。
このてんで住宅産業新聞社の2019/7/8の「大東建託がサービスオフィス事業に参入、虎ノ門に1号店=3年で5.6カ所設置へ」という記事には
大東建託(東京都港区、小林克満社長)は6月28日、新たに参入したサービスオフィス事業の第一弾として、「ドットベース虎ノ門」(東京都港区)をオープンさせた。同社は6月に発表した「新5ヵ年計画」において「総合賃貸業」を目指すことを掲げており、「サービスオフィスやシェアオフィスを事業の柱の1つとしていく」(不動産流通開発部・高橋由崇次長)などといったことから、新事業として参入することになった。
引用:https://www.housenews.jp/house/16415(アクセス日2019/7/9)
と報じました。
この報道にありますように、今後新たにサービスオフィスやシェアオフィスを事業の柱の1つとしていくというのです。
このサービスオフィスというのはビジネスのための機能、例えばデスクやインターネット環境などが、整った部屋を貸し出すことのようで、通常のテナント賃貸がお部屋のみを貸すのに対して、さらに貸し出す範囲が広がったもののようです。
そしてシェアオフィスは多種多様な業種の方がオフィスフロアを共有して使用しするもので、メリットとしては様々な業種の起業家と交流が持つことができネットワークが広がるという利点があるようで、今後の利用拡大が期待できるものなんだそうです。
もちろん大東建託はこれらのオフィス事業をオフィス需要の旺盛な都心部で提供していくようで、大きな時代の変化がないかぎりは、このビジネスモデルはうまくいく公算が高いのかもしれません。
そしてこのような事業が今後は東京都心部だけでなく、大阪や名古屋、福岡や札幌にまで広がっていくのでしょうか。
いずれにしてもアパート建設というコア部門の将来が不透明ななか、新たに始める事業の1つ1つを軌道に乗せていくことが急がれているようです。
追記:都心のオフィス需要旺盛ということについては以下の記事をご覧ください。
私の所有マンションの1階はテナント部屋で、事務所にも店舗でも利用できるようになっています。
ですからテナント賃貸事情には多少関心があります。
ところでリーマンションショック後のしばらくの間は、私の物件がある周辺エリアも空テナントが目立つようになっていましたが、最近になって多少改善されつつあるように思われます。
近年は働き方改革が浸透するようになってきて、サラリーマンの働き方にも変化が生じています。
例えば、その1つとしてテレワークがあります。
テレワークについてテレワーク協会のサイトの「テレワークとは」の記事には
テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
引用:http://www.japan-telework.or.jp/intro/tw_about.html
(最終閲覧日2018/4/23)
と述べています。
ですから勤務のメインはオフィスだとしてもそれ以外にも自宅やサテライトオフィス、そしてモバイル通信を活用して通勤時やカフェなどでも仕事を行えるのがテレワークで、いつもいつもオフィスで仕事をしなくてもよくなってた、つまりは本当に必要な時だけオフィスに行けばよいという時代になりつつあります。
そうなるとオフィス機能をコンパクトにすれば良いのではないか、あるいはオフィスの統合などを行い企業もコスト削減を行うことができるのではないかと考えてしまいますが、しかし不思議なことに都心エリアのオフィスは需要が増大しているというのです。
このてんについて産経新聞2018年4月23日の「大阪のオフィス空室率、過去最低水準 大型ビルは0%台…もはや「引っ越し困難」」という記事には
今年1~3月の大阪市内のオフィスビル空室率は1・9%で、初めて2%台を割り込んだことが、不動産サービス大手CBREの調査でわかった。特に、同社がグレードAに分類する都心部の大型人気物件(26棟)は空室率が0・2%まで落ち込み、空きはほぼない。大阪で広いオフィスへの引っ越しは困難な状況で、企業活動の足かせになる懸念も出ている。・・大阪市内でオフィス不足が顕著になっている背景には、景気回復に伴う企業の業容拡大や、優秀な人材をひきつけようと立地や機能性に優れたオフィスを求める動きが影響している。さらに、働き方改革に並行してオフィス機能が多様化し、より広く快適なスペースの需要が高まっている。石川有紀
引用:https://www.sankei.com/west/news/180423/wst1804230007-n1.html(アクセス日2018/5/21)
と書かれていました。
このように都心部のオフィス需要の増大の背景について書かれていますが、その理由は
①人手不足の時代に優秀な人材を引き付けるために立地や機能性の優れたオフィスの需要が高まっていること。
②働き方改革の方針に従って、広く快適で機能が多様化しているオフィス需要が高まっていること。
があげられています。
ですからテナントならば、どんなテナントでも良いというのではなく立地条件が良く、しかも広いスペースを確保でき、グレードの高い物件が求めれているようです。
となると賃料も最低でも数十万円はすると思いますが、このような物件オーナーであるならば当分は前途洋々たるものでしょう。20/11/11
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