大規模マンションに保育園が設置されていく?
近年は待機児童解消のために、都心部や市街地のおいては小規模認定保育園が、どんどん開設されています。
実のところ私の所有マンションの1階にも小規模認定保育園が入っています。
私の所有マンション1階テナント部屋も空室時代が長かった期間もあり、現在は小規模保育事業者が賃借してくださり、ありがたく思っています。
ところでそもそも小規模認定保育園制度が始まったのは、待機児童の割合が多い都心部や市街地にいては、大規模な保育園を開設するのが容易でないこと(土地が高いのと近隣住民の反対が生じうるといった理由)、そこでマンション1階のテナントなどに小規模な保育園を開設する方針が示されたわけですが、開設時の諸経費や開園後の高額の賃料などは補助してもらえるなどの処置が取られて開設しやすくなっており、私の周辺エリアでも毎年のように新しい小規模認定保育園が開設されています。
しかしそれでも待機児童問題は解消されていない
という実情があり、次なる施策として厚労省が取った施策は
大規模マンションに保育施設を併設
を要請するというものです。
今回はマンション建設ともかかわるものなので国交省も関与しているようです。
このてんについてハウジングトリビューン誌2017年11月15日の「国交省・厚労省が大規模マンションに保育所併設を要請」という記事には
国土交通省と厚生労働省が、大規模マンションの建設時に地方自治体を通じ、開発業者に対して保育施設の設置を要請する方針を打ち出した。子育て世帯の入居が多い大規模マンションに保育園を設置することで、待機児童の解消を図る。住宅関連事業者にとっては保育事業を拡大する好機となりそうだ。
引用:https://htonline.sohjusha.co.jp/546-028/(閲覧日2018年1月28日)
と報じました。
とりわけマンション入居者には、子育て世代が多く効果的に待機児童問題の解消につながると思われ、今後新しく建設されていく大規模マンションに保育所併設を要請していくようです。
もちろんマンションの築年数がたち入居者も子育てを終える世代が多くなっていくと、需要が大きく減少するので、保育園から高齢者施設などへの変更も行いやすくすることによって、マンション事業者も要請に応じやすくなるようです。
しかしそれにしてもこんなにも急速に小規模認定保育園が増えると、多少ですが供給過剰になり、撤退する小規模保育事業者も生じるのではないかと心配にもなっていきます。
自治体が上手にコントロールしてくれることを頼みとするしかないのですが。
追記:国土交通省のウエブサイトには
本年6月に発表された「子育て安心プラン」において盛り込まれた「大規模マンションでの保育園の設置促進」に関し、新たな保育施設が必要と見込まれる場合に、開発事業者に対し保育施設の設置を要請すること等について、厚生労働省及び国土交通省の連名により、本日付けで地方公共団体あてに通知を発出します。
○ 本通知により、容積率緩和の特例措置を活用して建設される大規模マンションについて、新たな保育施設が必要と見込まれる場合には、都市計画の内容等として位置付けられるとともに、地方公共団体から開発事業者に対し、保育施設の設置を要請することとされました。
これにより、今後、大規模マンションにおける保育施設の設置促進が見込まれます。
大規模マンションにおける保育施設の設置を促進します ~国土交通省と厚生労働省連名で通知を発出~
引用:https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi07_hh_000116.html(アクセス日2020/7/30)
と書かれています。
これを見ると、あくまでも要請ということになっています。
またあれから数年が経過しましたが、私の自宅近所にも大規模マンションが幾つか竣工しましたが、保育園は設置されていないようです。
計画設計で間に合わなかったのかもしれませんが。