レオパレス21の入居率が危険水域へ リーマンショック以来再び
2019年の不動産業界の大きなニュースといえば、あのレオパレス21のアパート施工不良問題です。
レオパレス21のアパートの約7割が施工不良か不備があるというのですから、驚きです。
そしてそれと同時にレオパレス21の物件の入居率もジリジリと低下しています。
このてんについて日本経済新聞2019/11/8の「レオパレス、10月の入居率、約9年ぶり80%割れ」という記事には
施工不良問題を抱えるレオパレス21は8日、主力のアパート賃貸事業の10月の入居率が79.49%だったと発表した。オーナーへの支払いが家賃収入を上回る「逆ざや」のメドとなる80%の入居率を約9年ぶりに下回った。物件調査と改修工事のため入居者の募集を停止している物件が多いためだ。入居率の改善が遅れると財務悪化が拡大する可能性がある。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51953720Y9A101C1EA5000/(アクセス日2019/11/10)
と報じました。
このように危険水域と言われている80%未満についに突入したことが明らかになりました。
原因としては物件の全棟調査がいまだに完了しておらず、改修工事も順調に進んでいないことにあるようです。
ところで上記の日本経済新聞の記事で、興味をひいたことは
9年前にも入居率が80%を割ったことがあった
ということです。
9年まえというと2010年です。
当時はリーマンションの影響がいまだに残っている時代だったと思いますが、日本は深刻なデフレに陥っていた時代です。
当時のレオパレス21はリーマンショックの影響をまともに受けて、社宅の契約の解約が相次ぎ、入居率が低下し、経営が苦しくなった時代のようです。
そのために行ったのが
・不採算アパートの切り離し、「解約プロジェクト」と言われています。(レオパレス21は解約プロジェクトがあったことを認めていません)
・オーナーに支払う賃料の大幅な減額
といったことです。
しかしその後は、入居率は持ち直したものの、オーナーとの関係はぎくしゃくすることになり、不信感を持っていたオーナーさんの指摘で今回の施工不良問題が発覚してしまい、入居率が再び低下し始めたというのは皮肉なことです。
結局のところリーマンショックの影が、今回のレオパレス21のアパート施工不良を明るみにしたといっても過言ではありません。
追記:その後、2020年になってレオパレス21の入居率は徐々に回復し、春には80%を超えるようになりました。
しかしその後、コロナショックが生じます。
コロナショックはリーマンショック以上の衝撃があると言われています。
このコロナショックによって、再びレオパレス21の入居率が下がりだす懸念があります。
今後の推移を見守るしかありません。
また施工不良の改修工事ですが、非常に遅れているようです。
レオパレス21の施工不良物件の改修がこんなにも進んでいなかったとは・・
という記事に書かれてているとおりです。
さらにその遅れがコロナショックで、さらに遅れそうになるとのアナウンスがレオパレス21からありました。
さすがに、今回の件では国土交通省も苦言を呈しているようです。
それにしても大不況がおとずれると、どうしても弱った企業ほど、その影響を受けます。
リーマンショックは、なんとか乗り切ったレオパレス21。
今回のコロナショックはリーマンショック以上で、しかもリーマンショック時よりも体力が弱った時に生じました。
今回も持ちこたえるかどうかは注視していかなければならないでしょう。