平均年収では大東建託が大和ハウスに追い抜かれていた
就職先としてはあまり人気のない建設業界ですが、しかし給与となると大手の建設会社となると高水準です。
だいたい今は、日本人の平均年収は一般男性で500万円程度といわれていますが、建設業となると700万円台や800万円台も珍しくありません。
そのようななか、これまでは建設業では大東建託が、かなりの高水準を維持していましたが、最近になって給与では大和ハウス工業に追い越されたようです。
それで大和ハウス工業社員の平均年収は907万円となっています。
大東建託は870万円。
積水ハウスは818万円。
タマホームは644万円。
東建コーポレーションは627万円。
でやはり賃貸住宅ビッグスリーの給与水準は高いです。
ちなみに他業種ですが
三菱UFJは770万円。
りそなは658万円。
JR東海は735万円。
JR東日本は715万円。
パナソニックは774万円。
となっています。
意外と銀行業界が苦戦している一方で人気の鉄道会社が銀行業と同レベルの給与をもらっていたとは驚きです。
しかしそれでも建設業界の大和ハウス工業や大東建託、積水ハウスは、人気の業種や企業よりも平均年収では上回っています。
就職先としては、なかなか選ばれにくいようですが、報酬面では魅力のある業種であることには違いがありません。
しかし以前は大東建託の平均年収のほうが大和ハウス工業の平均年収を上回っていたのに、なぜ逆転してしまったのでしょうか。
1つには大東建託のコア事業の建設事業が不振ということがあると思われます。
不振の理由としては
・銀行の不動産担保融資が厳格化されたこと。
・レオパレス21のアパート施工不良問題のあおりを受けている。
・働き方改革を実践中のために営業力が落ちてしまった。
などがあるようです。
さらに消費増税が2%値上がりしたことによって、建設費等も2%値上げになり、そのこともネガティブな要素になります。
一方で大和ハウス工業の強みは、賃貸住宅だけでなく総合建設業においてまんべんなく扱えるという強みがあります。
さらに海外事業にも強みがあり、賃貸住宅部門が不振でも他部門でカバーできる強みがあります。
一方で大東建託に明るい面があるとすれば、働き方改革推進のために落ちていた営業力が、そろそろ戻ってくるとの見方があり、そうなれば主力の建設業において、ある程度の回復がなされるかもしれません。
追記:大東建託の給与体系は成果報酬面が強いので、成果が上がりにくい社会情勢になると厳しくなります。
このてんで
という記事には
歩合給でない基本給のようなものは29万円ぐらいといわれています。 それだけでも中小の会社よりも給与が良いかもしれません。 しかしなんといっても魅力的なのは歩合給です。 この歩合給は
建築の請負金の2%です。
ですから例えば1億円のアパートの契約の場合は1億円の2%ということで200万円の報酬となります。
と書かれています。
つまりは建築請負契約をとり、アパートが建つならば、報酬が大きくなるのです。
もちろん実際のところは、1億円の2%、200万円の成果報酬といっても、そこからいろいろと引かれることもあり、200万円から多少安くなることもあるそうですが・・。
しかし昔のようにアパート建築請負契約をとるのが容易でない今の時代は、どうしても営業マンの収入は上がりづらい状態になっていることでしょう。