大東建託を批評する本やネット記事をしばしば目にしますが しかしその内容は・・
2018年の夏ごろに「大東建託「アパート経営商法」の闇とは?」
とかいう本が出版されたようです。
著者はジャーナリストの三宅勝久さんということです。
ところで三宅勝久といえば、ネット上でも大東建託を辛辣に批評する記事を幾つも投稿している方で、私もネット上の記事は読ませていただきました。
読んだ感想はというと、主にノルマの厳しい営業のあり方への批評と、大東建託に騙されたと訴えている物件オーナーさんについての2つの事柄が書かれており、とりわけ衝撃的というよりは想定内の内容だったと思います。
どちらかといえば週間ダイヤモンドで連載された大東建託批評記事のほうがインパクトがあったのではないかとさえ思います。
おそらくは、この三宅勝久著の本も、ネット上で書かれていた内容に多少毛が生えたような内容ではないかと思われます。
ですからわざわざ本を買ってまで読むつもりはありません。
しかし幾らかの反響はあるようです。
そして最も大きな反響があるのは、ノルマ主義の営業のようです。
成果があがらなければ居場所がなくなっていくような体質ということですが、そのてんは多少なり真実のようです。
ただ筆者が思うには日本の場合は、仕事ができない社員であっても終身雇用が可能なシステムになっています。
このてんがアマゾンなどの外資とは多少異なるようで、大東建託の営業のあり方が日本的というより外資に近いのではないかと思います。
確かに労働者の人権という事柄も重要ですが、それが行き過ぎると会社そのものが弱ってしまいます。
例えば昔は金融業界でも、最強といわれた住友銀行や東京海上といった会社では、ノルマがあまりにも厳しくて支店長クラスでも自殺者がでるほどの会社だったようですが、今でも業界をけん引しています。
ですから労働者の人権とノルマの間のバランスを取るのが重要だと思うのですが、大東建託の場合はノルマのほうに重きが行き過ぎているのかもしれません。
また物件オーナーには儲からない仕組みになっているということですが、サブリースでない仕方とサブリースとどちらが最終的には収益を得ているかとなると、筆者の考えではほぼ同じではないかと思います。
ただ不動産投資をアクティブに行いたいならばサブリースでないほうが向いているのかもしれません。
そしてサブリースで儲からなかった損をしたと言っても、仮にサブリースでない方法で同じエリア、同じような物件で賃貸住宅経営をしても、同じように儲からなかったことでしょう。
また過去に儲からないとわかっていながら大東建託がアパート経営を勧めたという批評も書かれているようですが、今では大東建託では儲からないことがはっきりしているエリアでのアパート建設は断っているというのが定説になっています。
なのでそれは事実ではありません。
いずれにしても批評するのは自由ですが、その批評が一部のネガティブな真実のみをクローズアップするものであるのならば、読者は公正な判断が下せなくなるかもしれません。
追記:大東建託が週刊ダイヤモンドが連載で大東建託を批評する記事について名誉棄損で損害賠償を請求し、裁判ありましたが、勝訴が確定しました。
ウィキペディアには名誉棄損について名誉毀損(めいよきそん、英:Defamation)とは、他人の名誉を傷つける行為。損害賠償責任等を根拠づける不法行為や、犯罪として刑事罰の対象になり得る。「名誉棄損」とも表記される
と書かれています。
上記の裁判においては、一部の記述の真実性に問題があるということで、大東建託の言い分が通ったようです。
同じように批評本というものには、多くの場合、事実をある程度、脚色しているような箇所があるものです。
また批評本の目的は、とにかく批評の対象を悪だという印象を読者に与えることにあります。
とにかくネガティブな材料のみを取り上げます。
なので当然、名誉棄損にあたる可能性が高くなるわけですが、この批評本で実害が生じているならば、名誉棄損で訴えてみてはどうかとも思うのですが、しかし場合によれば、ほっておくのも知恵の道かもしれません。