マンションのブランドと資産価値 ブランド力だけでは資産価値は守れない
アルス(東急不動産)
ザ・パークハウス(三菱地所レジデンス)
ブリリア(東京建物)
プラウド(野村不動産)
ブランズ(東急不動産)
はマンションのブランド名です。
他にもライオンズマンション(大京)、京阪神ではジオ(阪急不動産)など様々なブランドがありますが、ブランドマンションであるならば資産価値は下がらないのでしょうか。
たしかにブランド力もある程度は資産価値に影響していることは間違いないと思いますが、それが資産価値を決定づけるわけではないようです。
zakzak2015年5月3日の「大手ブランド“盲信”は危険 資産価値の9割は立地で決まる 」という記事のなかで住宅ジャーナリストの榊敦司氏によると
マンションの資産価値は9割が立地。8が駅からの距離、1が環境
と断言しておられます。
つまりはいくらブランドマンションであっても立地が悪ければ、いずれは資産価値は下がっていくということです。
しかしあのブランドマンションの資産価値はほとんど下がっていない、むしろ上がっていると言われる方もおられることでしょう。
そのとおりです。なぜならばブランドマンションの多くは立地の悪いところには始めから建てないからです。
つまりは資産価値が下がりにくい所でしか建てないために資産価値が維持されているのです。
一方でその同じ場所にノーブランドのマンションがあっても、同じように資産価値は下がりにくいことでしょう。
なお榊氏はブランドがあることについてのメリットは
欠陥を見つけた時に、ブランドを守るためにブランドマンションのほうがマシに対応する
と述べています。
つまりはブランド力だけを信頼して高額なマンションを買うのは、危険だということです。
このことは賃貸住宅でも同じです。
いくら積水ハウスや大和ハウス施行のアパートといっても立地が悪ければ、家賃もどんどん下がりだしアパート経営そのものが、苦しくなっていきます。
ということは住居は、アパートにしてもマンションや戸建て住宅にしても立地こそがモノをいうということになります。
あえてブランドを選ぶことのメリットがあるとするならば、ブランドで売っている不動産会社にしてはブランドが傷つくことを嫌います。
ということはブランドを守るためには、顧客の要求に妥協しやすいということがあるぐらいです。
もちろん、その弱みにつけこんで不当な要求はすべきではありませんが。
追記:またブランドのある販売会社、三菱や三井、東急などの名のつく会社がマンションを販売しているとしても、実際に建設工事を施工するのは下請業者か協力会社です。
なのでその下請会社や協力会社が優良な会社ならばよいのですが、手抜き工事を平然と行うような会社である場合もあります。
よく大手ゼネコンに建設工事をしてもらったが、後に欠陥工事が行われていたことがわかったといったことを耳にすることがありますが、実際にブランド関連のマンションでもそのようなことは起き得ることなのです。
なので監督体制などが、しっかりしているところに建ててもらうのがよいでしょう。
おそらくは財閥系のマンションや鉄道系のマンションは建設工事の監督が十分でないことがあります。
一方で長谷工などは昔は、あちらこちらで欠陥工事が行われているとの評判がありましたが、最近は改善されつつあるようです。
野村不動産などは、親会社の証券会社と同じように社員間の競争が激しくミスが許されない体質のようです。
参考にまで。
追記:賃貸住宅でも不祥事のためにブランドが傷つくことがあります。
そのてんについては以下の記事をご覧ください。
企業にとって株主総会というのは行わなくてはならないものですが、しかし何事もなかったように終わってほしいと考えるものです。
そこで昔は総会屋などに、株主総会が何事もなかったかのように終わるように依頼することもありましたが、今はそのようなことは禁じられています。
ところで企業でなんらかの不祥事が生じると、その次の株主総会が荒れることは少なくありません。
今回はレオパレス21や大和ハウス工業で不祥事が生じ、株主総会も荒れることが予想されていました。
そして案の定、大和ハウス工業の株主総会では経営陣への批判が相次いだようです。
このてんで2019/6/26の産経新聞朝刊の「大和ハウス批判続々 相次ぐ不祥事、取締役の賞与減」という記事には
大和ハウス工業は25日、大阪市北区のホテルで株主総会を開いた。・・総会では不祥事の原因や対応をめぐる質問が相次いだ。同社が建設した賃貸住宅を運営する株主の一人は「(保有物件の)ブランド価値が毀損されている」と指摘。「賃貸料金の引き下げや退去の申し出が出た場合、どう対応するのか」などと訴えた。
と書かれています。
ところでこの記事には賃貸住宅オーナーには考えさせるものがあります。
例えば、不祥事によってブランド価値が毀損するというてんですが、このことは起こり得ることです。
ここでいうブランドと言えば
大和ハウス工業といえばセキュリティ賃貸住宅d-roomです。
積水ハウスならばシャーメゾン。
大東建託ならばDK-DELECTとかいい部屋ネットといったところでしょう。
そこでブランド=競争力と直結するとも言われています。
ということはそのブランドの毀損が、入居斡旋の低下につながり、入居率の悪化が生じ家賃等の下落という賃貸住宅オーナーとしては避けたい現実が生じるということです。
ところでd-roomの人気は今はどうなのでしょうか。
あの不祥事以降、入居希望者が減退しているのでしょうか。
ところで賃貸住宅オーナーが懸念する別の事柄は、賃貸料金の引き下げや退去の申し出です。
退去の申し出というてんでは、レオパレス21においては、すでに生じている問題で徐々に入居率が下がってきています。
ではd-roomではどうなっているのでしょうか。
もちろんすべてのd-roomに問題があったわけではなく、一部にd-roomのみなので、あまり影響がないのかもしれません。
しかしレオパレス21と同様、大和ハウス工業も建設の不祥事が、だんだんと拡大しています。
あきれるほどに不祥事の事実が明るみになっていくと、本当に懸念されてい事柄が現実のものとなってしまうことでしょう。
追記:またもや大和ハウス工業で不祥事 それでもなぜか業績には軽微な影響
という記事には
もちろんレオパレス21のアパート施工不良問題の陰に隠れて、あまり目立ちませんでしたが、最近は矢継ぎ早に不祥事が明るみになっていたからです。 例えば
・中国関連会社での巨額横領事件。(積水ハウスの巨額詐欺の被害金額をはるかに上回る金額) ・委託先企業の従業員による不適切動画の投稿。
・2019年4月に明るみになった建築基準不適合問題。
・2019年8月に発覚した天然温泉と偽り工業用水使用。 といずれにしても監督が不十分なために生じたともいえる不祥事です。
もちろん規模が大きくなれば、それだけ問題も生じることも多くなることもあるのかもしれませんが、比率的には積水ハウスや大東建託よりも不祥事の発生率が、かなり高いのではないかと思われます。
と書かれています。