粗雑で欠陥だらけのアパートにして家賃を下げていた?レオパレス21

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家賃についての思惑は物件オーナーと入居者とでは異なる。

家賃というとアパートマンションオーナーにとっては重要な関心事です。

というのも家賃が高ければ高いほど、家賃収入が高くなるからです。

ですからオーナーにしてみれば家賃はなるべく下げたくない、できれば現状の家賃を維持し続けたいと考えます。

その一方で、入居者さんにしてみれば、なるべく家賃を安くしてほしい。

そこそこの設備が整っていてもできるだけ家賃が安い物件に入居したいと考えるものです。

いわゆるコストパフォーマンスの良い物件を選ぼうとするのです。

このあたりが物件オーナーと入居者さんの思惑が異なる事柄です。

その一方でサブリース会社の思惑はとにかく入居率を高水準に保ちたいという思惑が働きます。

そのためには物件オーナーに配慮しつつも、どうしても入居率が良くない物件があるならば、募集家賃を思いきり下げる事があります。

そのようにして入居率を改善しようとするわけですが、こうしたやり方は物件オーナーにしてみれば、全く面白いことではありません。

というのも募集家賃が下がる→入居者家賃が下がる→オーナーに支払われる賃料が下がる、ということにつながっていくからです。

このような事柄は、大手のサブリース会社でも、しばしば行われています。

レオパレス21の賃貸住宅アパート群。

ところでこの家賃に関して、レオパレス21では驚くべきことが行われていたことが、明らかになりました。

朝日新聞の2019/5/30の「ゆがむレオパレス、創業者指示の中身 オーナー怒り噴出」という記事には

レオパレス21が29日に発表した第三者委員会の最終報告書からは、創業者の「ワンマン経営」をきっかけに、業績拡大を優先させた同社の姿勢が浮かぶ。・・「入居者にとって家賃は安い方がいいに決まっている。家賃を下げるために、とにかく『建築費のコストダウン』を考えた」「独自の工法から極端な工期短縮を可能にした」1994年に開かれた全国支店長会議。出席者に配られた「深山社長指示」と題された資料にはそんな文言が書かれていたという。

引用:https://www.asahi.com/articles/ASM5Y3VGMM5YUTIL010.html(アクセス日2019/5/30)

と報じました。

入居率を良くするためには、家賃を安くする必要がある。そのためには建築費のコストダウンを行うようにという社長からの指示だったそうですが、要するに欠陥アパートでもいいからとにかく建築費を抑えなさいということなのでしょうか?

さらに極端な工期短縮の指示からは、粗雑なアパートでも入居者がいるならばかまわない、という事なのでしょうか?

この次元の家賃のコストパフォーマンスとなると、物件オーナーや入居者さんを騙すことに近いような行為で、あきれてしまいます。

 

ところでその後の株主総会でも、現社長が、これまでの不祥事は、企業風土が招いたものとの発言があったようです。この企業風土とは、ワンマン経営者の意向であれば、いい加減な施工を行っても仕方がないという企業風土があったという意味なのでしょうか。今後は、新しい経営陣が、これまでの企業風土を断固として改革していこうとする決意を持ち改革していくならば、レオパレス21にも多少なり将来があるかもしれません。

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