建設会社にとってハイリスクハイリターンの海外事業?

一括借り上げで、というかサブリースで賃貸住宅経営をしているならば、サブリース会社の経営状態には注視し続ける必要があります。

というのもサブリース会社の経営が悪化すると、そのシワ寄せが物件オーナーに及ぶことが少なくないからです。

過去においてはレオパレス21の物件オーナーでそのような事柄が生じましたし、2018年においてはスマートディスの物件オーナーでそうした事柄が生じています。

もちろん大東建託や積水ハウスといったサブリース大手で、今すぐにそうした事態が生じることはないのかもしれませんが、しかし絶対に生じないとも言い切れません。

筆者も大東オーナーの1人として、大東建託の業績を注視していますが、多くの分野で好調を維持しているようですが、懸念されている分野があります。

それは主力ともいえるアパート建設の分野です。

多くの専門家が主力のアパート建設の先細り懸念を示しており、現実にアパート建設受注が前年比微減状態が続いています。

 

一方で国内ではこういう状況のなか積水ハウスなどは業績が好調で株価も上昇しています。

なぜなのでしょうか。

それは海外事業に強みがあるというてんにあるようです。

積水ハウスや大和ハウス工業の業績が好調の海外事業で支えられている。

では大東建託はというと

このてんで日本経済新聞2018年3月20日の「大東建、21年3月期に海外賃貸で30億円の営業益 」という記事には

大東建託は2021年3月期に海外不動産賃貸事業で30億円の営業利益を稼ぐ方針だ。今期からの4年間で500億円の海外不動産を取得し、そこから賃料収入を得る。主力のアパート建設の先細りに備え、収益源を広げる。
 17年11月末にマレーシアのホテル「ヒルトン・クアラルンプール」を大東建の創業者の資産管理会社から約137億円で取得した。もともと隣接する「ル・メリディアン・クアラルンプール」を保有し、ヒルトン売却時の優先交渉権を持っていた。2つの大型ホテルを経営すれば集客やコスト削減などでの相乗効果が見込めると判断した。
 今回のホテル買収を手始めに主に東南アジアで不動産投資を拡大する。人口増や経済成長が期待できるベトナムやフィリピンなどの主要都市でオフィスビルやホテルの購入を検討する。現預金は17年末で1353億円あり、投資余力は大きい。

 

引用:大東建、21年3月期に海外賃貸で30億円の営業益 – 日本経済新聞 (nikkei.com)

と報じました。

21年3月期の海外事業の営業益は30億円ということで、まだまだ主力のアパート建設の不振を補うまではいかないかもしれませんが、しかし右肩上がりで上昇し続けるならば、将来的には主力の1つになるほどに成長する可能性があるかもしれません。

国内よりもリスクが大きい海外事業ですが、時には驚くほどの成長の可能性を秘めているのも事実です。

今後どのように進展していくのか注視していきたいと思います。

 

追記:日本市場のキャパに限りがあるなか、企業の成長のためには、どうしても海外に目を向けなければなりません。

しかし海外進出には、日本での事業以上にリスクがあり、失敗するリスクも高くなります。

海外に積極的に進出している大和ハウスもウィキペディアには

中国関連会社での巨額横領事件[ソースを編集]

2019年(平成31年)3月13日、中国の合弁会社である大連大和中盛房地産(遼寧省大連市)で、合弁相手から派遣されている3人(2人は取締役)に不正行為の疑いがあったと発表した。3人のうちの出納担当者が会社の書類を無断で持ち出そうとしたのを、他の従業員が気づき、預金残高と帳簿に差異があることから調査を行ったところ、現時点で差額が14億1,500万元(約234億8,800万円)に上ることが判明。大連大和中盛房地産の現地経理担当者からの報告で調査を行ったところ、およそ4年前からインターネットバンキングを通じて不正に会社資金が引き出されていたことが明らかになった。これを受けて、同社は12日、不正を行ったと思われる3人を中国捜査当局に業務上横領などの疑いで刑事告訴する手続きに入った。大和ハウスは、大連大和中盛房地産が持ち分法適用関連会社のため、この差額が不正流用でありその全額が回収できなかった場合には約117億円の持ち分法投資損失(経常損失)を計上する見込みだと説明。  

大和ハウス工業

 

巨額な損失が生じた事件に巻き込まれていたことについて、書かれています。

この117億円というと積水ハウスが国内で巨額詐欺事件に遭いましたが、それを上回る損失額です。



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