銀行が事業性ローンよりも住宅ローンを優遇するのはなぜ?
銀行のローン融資にも、様々な種類があります。
多くの方が、関係している住宅ローンを始め、事業者への融資、大企業への融資、そして大家さんの多くが借りているアパートローンがあります。
ところで銀行融資の金利でなぜ?と思っていた事柄があります。
それは事業性ローンと比べて、なぜか住宅ローン金利は低いのです。
例えば、ある都銀ではアパートローンの変動金利は1%半ばぐらいですが、住宅ローンとなると変動金利が借り替えで0.7%といった感じでぜんぜん低いのです。
事業性ローンよりも0.5~1%も低いのです。
なぜなのでしょうか。
確かに住宅ローンは比較的安全な融資です。
債務者が仕事をしていて安定収入があり続けるならば、返済ができなくなるということはほとんどないことでしょう。
また債務者に万が一の事が生じても団体信用保険をかけているので銀行が損失を被ることはありません。
しかしリスクがないわけではありません。
もし債務者が勤め先からリストラされて収入がなくなった場合どうなるのでしょうか。
その場合は団信による保証もありませんし、返済ができなくなる可能性があります。
一方でアパートローンの場合はどうでしょうか。
実際のところ、銀行にしてみればアパートローンは比較的安全な融資ととらえているといわれています。
というのもアパートローンを融資のさいに賃貸物件と土地を担保にするので、万が一の事が生じても担保を抑えればよいわけで、比較的安全な融資といえるのです。
しかしそれでも金利は住宅ローンよりも高めです。
なぜなのでしょうか。
実は銀行側の都合で住宅ローンが優遇されているのです。
銀行にしてみれは融資をしなければ、利益がでないので融資の拡大は追い求めている事柄ですが、一方で融資をすれば融資をするほど、自己資本率が下がっていきます。
しかし自己資本率は一定水準を保たなければなりません。
ということで銀行は融資と自己資本率のバランスを取らなければならないのです。
このてんで、住宅ローンには特別ルールがあり1億円貸し出しても
35%の減額評価になるというルール
があります。
つまり1億円の貸し出しでも3500万円の貸し出しとみなされ、自己資本率の低下を極力抑えることができるのです。
それで銀行は住宅ローンに力を入れるのです。
このようなルールがあるので、銀行は住宅ローンを優遇するようです。
追記:銀行がローンを住宅用か、それともアパートローンのような事業用なのかの区別はきちんと行わなければならないことになっています。
最近でも、フラット35を債務者有利に受けるようにするために、不動産投資であることを隠して住宅用ローンとして受けていた事例が問題視されています。
ところで賃貸住宅であっても、住宅ローンとして借りる方法があります。
それは賃貸併用住宅にするという方法です。
その場合は賃貸住宅の割合を50%未満にして、あとは自宅として活用するのです。
具体的には2階建ての建物にする場合、1階は自宅にして2階を賃貸部分にすることができます。
2階を単身者向けの住宅にするならば5部屋ほど設けることができるかもしれません。
この場合は住宅ローンとして借りることができるようです。(金融機関によって対応が異なることもあります)
例えば住宅ローンだったら0.5%、アパートローンだったら1%のローン金利だとすると、1億円を借るとするならば、0.5%の場合は35年返済で902万円を利息分として支払うことになりますが、1%ならば1188万円を利息分として支払わなければなりません。
このように約110万円程度の差があることになります。
このように合法的に住宅ローンとして借りることができるならば、とても有利になるのです。
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