家賃滞納者が夜逃げされることが悩みの種でなくなった?

ひと昔前は、入居者が家賃を滞納し、あげくのはてには夜逃げをされるということが、しばしば生じ、大家の悩みの種だった時代がありました。

夜逃げされて、もはや行方がわからなくなれば、滞納された家賃は回収できません。

さらに夜逃げをされた後、大家の費用負担で原状回復工事を行わなければなりません。

となると家賃滞納分と原状回復工事費用と合わせて数百万円ぐらいの損失を被ることもあるかもしれません。

まさに大家にとって悲劇のパターンといえるでしょう。

 

しかし最近はあまりそのようなことを聞きません。

なぜでしょうか。

最近の賃貸形態が大家、つまりはアパートオーナーの損失をヘッジするようなものに変わってきているからです。

例えば

一括借上げ契約では家賃滞納による損失を大家が負うことはありません。

過去の記事でそのことについて書いたことがありますがこの形態の場合は、一括借上げ業者が毎月、定額賃料を大家に支払う契約だからです。

空室があろうと入居者が家賃を滞納していても大家に支払う賃料がその分、減らされることは通常ないのです。

そしてその損失は一括借上げ業者が負うことになります。

筆者も十数年この一括借上げ契約による賃貸住宅経営を体験してきましたが、今のところ家賃滞納ののために家賃収入が減らされたということはありませんでした。(入居者が家賃を滞納した事実があったかどうかも知りません)

さらに一括借上げ契約ではなくても、最近は家賃保証会社というシステムがあります。

 

家賃保証会社のおかげで、家賃滞納リスクが軽減された。

この家賃保証会社のシステムですが、入居者が滞納したときに、入居者に代わって大家に家賃を支払うというシステムです。

しかも保証料を支払うのはアパートオーナーではなく入居者が契約時に数万円ほど支払うことになっています。(入居者にかかる費用や支払い時期などについては保証会社によって異なります)

ですから大家にとっては実にありがたいシステムです。

ただし家賃保証会社も様々あり(多くの場合、不動産管理会社とつながっている)裁判を行い追い出してくれるところまで行ってくれるところもあれば、6カ月までしか保証しないなど、保証内容が会社によって多少異なることもあるようなので、保証内容を確認する必要もあると思います。

いずれにしても今は、入居者が家賃を滞納することはあるにしてもそのことを、さほど怖れることはありません。

このてんでは大家は今の時代、昔の大家さんよりも恵まれているといえるでしょう。

 

追記:一括借り上げの場合は、賃貸住宅の賃借人は一括借り上げ会社になります。

なので入居者が家賃滞納した場合でも、一括借り上げ会社がそのトラブルに対処し、損失が最小限にとどまるように手を打ちます。

 

なので入居者の家賃滞納は怖れることはありませんが、一括借り上げ会社の経営状態が悪化して、大家に決められた賃料が支払われなくなるというリスクはあります。

現にそのようなトラブルは過去に生じたことがあります。

 

家賃滞納 – Wikipedia



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