大東建託批判の不都合な真実 オーナーへの賃料減額編
以前に書いた記事
では大東建託批判でよく目にする「高い入居率に騙されるな」という批判の不都合な事実というか真実について書きました。
今回は「家賃減額によって大家が困っている」という批判について、現大東建託グループ物件のオーナーの筆者の視点からコメントしたいと思います。
残念なことに家賃減額ということは大東建託グループの物件でも生じます。
それは事実です。
ただ批判の内容によっては「大東建託は空室が多くなると損失を被るので入居家賃を思い切り下げて、空室を減らすようにして、そのシワ寄せが大家にくるようにしている」という内容の批判があります。
しかし冷静に考えてみると
まず大東建託の家賃についてですが、一言でいうとごくスタンダードな家賃です。
目立って同じエリアにおいて他物件よりも安いということはありません。
そして大東建託には3つの家賃があります。
それは募集家賃、入居家賃、査定家賃の3つです。
最も重視したいのは査定家賃です。
査定家賃とは、同エリアで、同じような物件の家賃を調査して割り出した家賃のことで、大東建託物件の基準ともいえる家賃です。
この査定家賃を基準にして募集家賃、入居家賃が決められます。
実はこの査定家賃を割り出すシステムですが、大東建託には専門部署が存在しています。
これは積水ハウスや大和ハウスにはないシステムで、査定家賃を割り出す能力は積水ハウスよりも優れているといえるかもしれません。
そして大東建託からオーナーに支払われる賃料ですが、この査定家賃が重要なのです。
というのも、この査定家賃の85~90%前後の金額がオーナーに支払われるからです。
例えば査定家賃が80000円とすると、オーナーに支払われる金額は85%の68000円になります。
ところで査定家賃80000円の物件の空室がなかなか埋まらず募集家賃を70000まで下げたとします。
この場合の85%は59500円となります。
しかしこの場合でも大東建託がオーナーに支払うのはあくまでも査定家賃を基準にした賃料で68000円が支払われます。
おそらくこの70000円で募集した物件、入居者が決まれば、当初の家賃は70000円でも更新時に査定家賃に近づくように段階的に入居家賃の値上げが行われていくと思われます。
このように多くの場合、大東建託は空室を埋めるために、思い切った家賃切り下げを行なう場合がありますが、そのシワ寄せが必ずしも大家にいくわけではないのです。
あくまでも物件エリアにおける適正な査定家賃を基準にオーナーに賃料が支払われているのであって、それに不満を持つオーナーは、大東建託だけでなく他の管理会社に替えても同じように不満を持つことでしょう。
追記:家賃減額リスクについては金融庁のウェブサイトにも注意喚起が行われています。
賃料が変更される可能性があります。
・多くのサブリース契約では、定期的に賃料を見直すこととなっています。 ・「家賃保証」とうたわれていても、入居状況の悪化や近隣の家賃相場の下落により賃料 が減額する可能性があります。
と書かれています。
この注意喚起は国土交通省、消費者庁でも同じように行われています。
実際のところ家賃の減額は違法なことではなく、家賃相場を根拠にして決められている場合は裁判所に訴えても、無駄になることもあるでしょう。
追伸:オーナーに支払われる賃料改定については、安い入居家賃が基準になることがありますので、入居家賃が下がれば要注意です。