物件の立地エリアによって資産価値や家賃が大きく影響される
同じ建物でもエリアによって資産価値また家賃が異なってきます。
例えば全く同じマンションを2つ建てたとします。
1つは駅近くの人気エリアに建てたとし、もう1つは駅から30分ほど離れた場所に建てたとします。その場合、全く同じ建物そして入居者さんに、同じサービスを提供できたとしても、家賃は異なってきます。
つまり前者の駅近くで人気エリアのマンションのほうが家賃を高く設定することができます。このことは分譲マンションを買った時にも同じことがいえます。
全く同じ間取りの部屋を買ったとしても、その資産価値は建てられているエリアによって大きく左右されることがあるのです。
このてんに関してZAKZAK2016年3月26日の記事には次のように書かれていました。
マンションの価格差は東京都心と1時間通勤圏の郊外では、坪単価で4倍以上に達している。都心と1時間通勤圏で、所得の差も4倍に開いているのか。国勢調査などによれば、そこまでの差はない。不動産の価値は立地で決まるが、ここまで差が開くと、もはや同じ商品とは思えないほどだ。
これは住宅ジャーナリストの榊敦司氏の言葉ですが、近年は特にマンションの資産価値においては2極化していることを伺うことができます。
立地条件のよいマンションの資産価値は跳ね上がっていますが、そうでないマンションの資産価値は下がっているというのです。
この現象は賃貸アパートマンションでも生じているかもしれません。
賃貸アパートマンションも近年は乱立気味で全国的には供給過剰気味になっていると思われます。
しかしそういった中でも人気エリアにあるアパートマンションは、常に満室あるいは満室に近い状態を保っているように思います。
例えば阪急神戸線沿いを取り上げてみます西宮北口駅から王子公園駅までの間は、人気エリアで家賃も高く、空き部屋も少ない状況が続いているように思います。
一方で、神崎川そして園田といったエリアは、やや苦戦を強いられているように思われます。
駅に近い、ブランドイメージのある街、そして設備の整ったアパートマンションといった条件を満たすならば、家賃も高く設定することができ、家賃の暴落といった憂き目をマンションオーナーさんが見ることもないのです。
追記:昔はニュータウンと言われたエリアは人気がありましたが、今はそうではありません。
そのてんについては以下の記事をご覧ください。
アパートマンションオーナーであるならば、自物件がどのようなエリアにあるかについては関心のある事柄だと思います。
というのも空き家が多くあり、街そのものが閑散としてるようなエリアにアパートやマンションを持っていたとしても空室に悩まされ、さらに家賃収入も十分に得ることができないからです。
しかも家賃収入よりも、銀行への返済やアパートマンション事業でかかるコストのほうが、大きく上回るようになると、経営そのものが行き詰まることになるでしょう。
ところでZAKZAK2018年4月30日の榊敦司さんの「東西の2大ニュータウンが利便性で明暗 千里は再生と拡大、多摩は老朽化へとまっしぐら」という記事には立地エリアについての興味深いてんが指摘されていました。
関西の千里ニュータウンと関東の多摩ニュータウンの比較記事なのですが
千里ニュータウンは再生と拡大が行われている。古いマンションを徐々に建て替え中。当然、再生されたマンションの方が戸数は多くなる。・・つまり、千里ニュータウンは新しい成長の段階を迎えている。一方、多摩ニュータウンは確実な衰退の途上にある。・・大部分は老朽化の度を深めている。新しいマンション開発は以前と比べてかなり減り、若年層の流入も少ないので、街も人も老朽化が進んでいる。千里と多摩。片や再生と拡大、もう1つは老朽化への一本道。この明暗を分けた原因は何なのだろう。それは何よりも立地条件の違いだ。千里は大阪の中心部に近いのに対し、多摩はかなり遠い。
東西2大ニュータウンで明暗 千里は再生と拡大、多摩は老朽化へとまっしぐら(1/3ページ) – zakzak:夕刊フジ公式サイト
と書かれていました。
この記事にあるように千里ニュータウンが活性化しているのに対して多摩ニュータウンは衰退しているというのです。
そしてその明暗を分けている理由が、ズバリそれは中心都市に近いか遠いかの違いにあるというのです。
ということは東京、大阪、名古屋・・といった中心都市に近ければ、そのエリアは衰退することなく活性化しつ続けることになるのでしょうか。
一方で多摩ニュータウン以上に中心都市よりも遠くにあるエリアとなると衰退していくということになります。
関西でいうと神戸の西神ニュータウンがそれにあたるのかもしれません。
いずれにしてもアパートマンション経営においても衰退しているエリアではなく、活性化しているエリアで行っていきたいものです。
とくに競合物件が少なくしかも中心都市に遠くないエリアがあれば最適なエリアといえるでしょう。
追記:最近の人口動向によると関西では神戸市の人口減少が関西圏の都市のなかでは、最大規模になっていたようです。
港町、神戸。
住みやすい街ですが、なぜ人口が減少しているのでしょうか。
実際のところ神戸市のなかでも神戸市の中心街、三宮がある中央区、海と山に恵まれた須磨区、閑静な住宅街が広がる灘区などは、あまり減っていないのかもしれません。
というのかこれらの街では人口が多少増えているのではないかと思われますが、その一方で神戸市北区になると山を切り開いてできたニュータウンが散在しています。
そのなかには上記にある西神ニュータウンも含まれていますが、それらのニュータウンは大阪や神戸の中心街に行くにしても時間がかかり、これらのニュータウンで人口が大きく減少しているのではないかと思われます。
これらのエリアにおいてもアパートは空室や家賃相場の下落に悩まされているのではないかと思います。