小規模マンションオーナーの日記


8月 19, 2024

減価償却よりも修繕費として計上したほうがお得になる?

花画像

賃貸住宅は周期的に大規模な修繕工事を行う。

賃貸アパート、マンションは周期的に修繕を行う必要が生じてきます。

経年劣化とともに、外壁塗装工事や屋上の防水工事を行う必要が生じてきます。

この場合、足場をかけて行いますが、大規模な修繕工事となります。

かかる費用も半端ではありません。

大東建託パートナーズ物件の場合も、10年か20年でこのような修繕工事を行います。

筆者の所有マンションも10年超になりますが、今のところ大東建託パートナーズから大規模修繕の話はありませんので、どうやら15年以降でで行うことになりそうです。

ところでこの大規模修繕でかかる費用は修繕費用として不動産経費として計上することができます。

もちろんこの場合、修繕費として認められるか、資本支出となり減価償却費用の対象になるかは、様々な事情により判定が異なるので注意が必要です。

税理士さんとよく相談してみるのが良いことだと思います。

おおまかに修繕費とみなされる条件をあげてみますと

1回の支出が20万円以下の場合なら、全額を修繕費とする。

ですから20万円以下であれば問題なく修繕費とみなされます。

アパート画像

賃貸最大手の大東建託設計施工管理のアパート。

区分が不明な場合は、60万円未満の場合は全額を修繕費とする

という条件もあります。

そして区分が不明な場合で60万円を超える場合は、取得価格の10%以下の場合に修繕費とする。

後の2つは少しややこしい条件ですが、元に戻す工事(修繕費)か、機能が当初よりよくなる工事(資本支出)なのかの区分がわかりにくい場合にあてはまる条件のようです。

間違いなく元に戻すだけの工事であるならば修繕費になるようです。(もちろん税理士さんと相談して申告するのが無難です)

もしも修繕費として認められなくても減価償却費用として、かけた費用を毎年少しずつ経費として計上していくこともできます。

じゃあどちらが得かといえば、多くの場合は修繕費として計上するほうが好まれるようです。

というのもすぐに節税効果を実感できますし、使い切ることができるからです。

例えば年額1000万円の家賃収入があり経費が毎年500万円とすると、不動産所得は500万円になります。

しかし防水や外壁塗装工事を行い500万円かかったとして、その500万円を修繕費として計上できるならば、不動産所得は0円になり、税金はかかりません。

減価償却費用にするならば、そのようにはいかないでしょう。

いずれにしても修繕費を節税のために効果的に活用いたしましょう。

 

追記:国税庁のウェブサイトには資本支出か修繕かの区分について

(資本的支出の例示)
7-8-1 法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となる・・

(修繕費に含まれる費用)
7-8-2 法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の通常の維持管理のため、又はき損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額が修繕費となる

第8節 資本的支出と修繕費

と書かれています。

つまりは

資本支出とは

・価値を高めたり耐久性を増すための費用

修繕費とは

・通常の維持管理や原状回復のための費用

ということのようです。