建設業界の慢性的な人手不足も施工不良の原因になっている
筆者の戸建ての賃貸住宅に住む知り合いが、どうも2階から雨漏りするようなのでということで管理会社にそのことを言うと、「わかりました。大工さんに見に行ってもらいます」との返事だったようです。
しかし、あれからいつになっても大工さんは見にこられないとのことです。
大工さんが来ないのは管理会社が大工さんを探しているものの見つからないのか、忘れてしまっているのかのいずれかではないかと思われますが、いずれにしても最近は必要な修繕箇所の修繕工事をなかなか行ってもらえないということが、しばしば生じます。
ところで2018年9月に京阪神地区を直撃した台風で、私が住んでいるエリアの多くの戸建て住宅の屋根が傷みました。
私のマンションの裏の戸建て住宅も瓦が多数落ちてしまいましたが、台風の後の数日後に、屋根の職人さんが見にこれていましたが、しかし実際に修繕工事を行ったのは2019年の1月中旬のことでした。
4か月半ほど待って、ようやくの修繕工事です。
それぐらい最近では、建設現場で働く職人さんが不足しているようです。
ところでNEWSポストセブン2019/5/6の「荒れる新築工事現場 職人や現場監督の不在で施工不良相次ぐ」という記事が掲載されていましたが
いま、一戸建てやマンション・アパートといった住宅の建設現場は、ますます深刻化する人手不足を背景に施工不良や工事の不手際が相次いでいる。「新築」だからといって決して安心してはいけない。
荒れる新築工事現場 職人や現場監督の不在で施工不良相次ぐ|NEWSポストセブン (news-postseven.com)
と書かれていました。
このように最近、問題になっている施工不良問題は、施工会社の監督の仕方や会社の方針などにも問題がありますが、それとともに人手不足も要因になっているというのです。
そしておそらくは、この問題は当分は続きそうです。
東日本大震災の復興事業は落ち着いてきているかもしれませんが、今度は大阪万博のために大規模な建設需要が生じてくるようになります。
しかもそれに加えて、新たな地震や台風の被害による復旧工事が将来生じるかもしれません。
その一方で、建設現場で働く労働者数は減少と高齢化が生じており、建設需要に十分に対応できない状態が深刻化しているようです。
こうなると、やはり外国人労働者を幅広く受け入れることによって対応するしかないのかもしれません。
賃貸住宅オーナーにしても、人手不足=施工不良、建設費の高騰という面白くないシナリオが当分は続きそうです。
追記:建設現場で働く職人さんになろうとする若者が減少するなか、人手不足はますます深刻化していくことでしょう。
となると外国人労働者を受け入れて、技能を教えていくしかないのかもしれません。
実際のところ経済大国アメリカでは、建設現場や農園労働者は外国人労働者に支えられていると言われています。
どうしても建設現場のような、危険も多くしかも泥と汗まみれになって働くということが若者には魅力的に思えないのでしょう。
しかしこの外国人労働者も新型コロナウイルスのまん延で、多少あてにならなくなってきました。
感染防止のために航空便も外国との航路が停止するなか、新規の外国人の入国が厳しくなっています。
となると、外国人労働者の増員が当分は見込めないということになるかもしれません。