アパートオーナーの「被害者の会」?しかし多くのオーナーは冷静?
よく「被害者の会」という言葉を耳にします。
「被害者の会」とは、特定の事件・事故などにより被害を被った被害者やよって作られる団体のことで、同じ被害を受けた者同士助け合う目的で設置されますが、とくに賠償や裁判などのように個々人では対応できないときなどは被害者の会が一括してそれにあたることがあります。
ところで、以前のことですがレオパレス21の一部の物件で、アパート界壁の施工不良の問題が話題になったことがありますが、その物件オーナーたちによる「被害者の会」が結成されていました。
このてんについて朝日新聞2018年6月22日には「レオパレスオーナー「被害者の会」立ち上げ 相談窓口に」という記事が掲載されましたが、記事によると
アパート建設大手「レオパレス21」のアパートで建築基準法違反の疑いが出ている問題で、アパートオーナーらの「LPオーナー会」が22日、「被害者の会」を立ち上げたと発表した。25日から相談窓口を設置する。引用:レオパレスオーナー「被害者の会」立ち上げ 相談窓口に
と報じました。
とにかく今回のケースはレオパレス21による違法性の高い件なので、レオパレス21としても劣勢にあるように思われます。
ところで、今回の「被害者の会」の設立の目的はどこにあるのでしょうか。
損害賠償の請求でしょうか。
といっても、改修工事はレオパレス21の費用負担で行われるようなので、この面では損害が生じたわけではありません。
では家賃収入の減少?
この面でも、おそらくはサブリースでの賃貸経営なので、今回の事柄で空室が増えたとしても、レオパレス21から物件オーナーに支払われる賃料が下がるというわけではありません。
今回の事柄で、空室が増えて損害を被るのは、レオパレス21です。
もちろん将来的にはオーナーに支払われる賃料が減額される可能性はあるかもしれませんが。
今回の「被害者の会」で行われることがはっきりしているのは上記の朝日新聞によると
レオパレスは建設した全棟の調査を表明しているが、会見した前田和彦・被害者の会会長は「レオパレスが調査すること自体、所有者として非常に不安だ」と主張。1級建築士の協力を得て、オーナーに調査や修繕の方法を助言するという。
と書かれています。
ということはレオパレス21でない他社に調査と改修工事を行ってもらい、その費用をレオパレス21に負担してもらうというのが狙いなのでしょうか?
いずれにしても一部のオーナーのレオパレス21への不信感が根深いのは間違いないようです。
追記:被害者の会に近いものとしてレオパレス21のアパートオーナーからなるLPオーナー会というものがありますが、レオパレス21を凋落させたの批評も受けており、最近は多少ですが旗色がよくありません。
その一方で国土交通省のウェブサイトにはサブリーストラブルの相談窓口が載せられています。
《賃貸住宅管理業者に関する相談》 ●国土交通省等の窓口(最寄りの窓口にご連絡ください。 ) 北海道開発局 011-709-2311 近畿地方整備局 06-6942-1141 東北地方整備局 022-225-2171 中国地方整備局 082-221-9231 関東地方整備局 048-601-3151 四国地方整備局 087-851-8061 北陸地方整備局 025-280-8880 九州地方整備局 092-471-6331 中部地方整備局 052-953-8119 沖縄総合事務局 098-866-0031
アパート等のサブリース契約を検討されている方は 契約後のトラブルにご注意ください!
上記の相談窓口などを活用してみることができるかもしれません。
先だって、レオパレス21のオーナー会定例報告会に行ってきました。レオパレス側の報告は、予想通り、そのほとんどが今回の界壁問題についての弁明とお詫びでした。その話だけで1時間くらい費やしたでしょうか。詳細はプレスリリースのとおりですが、オーナーの反応はほとんどなく、質問も特にありませんでした。一回目の界壁問題を最初に指摘したのは、やはり件のLP会のようです。築20年たってる昔のタイプの図面を虫眼鏡であら捜ししたのでしょう(笑)。一回目も二回目も、問題といえば問題ですが、多くのオーナーは冷静だと思います。
話題は変わりますが、大東建託を批判した本が出ているようです。立ち読みしただけですが、いつものパターンでとても読むに値しない内容でした。こんなんで本を出して、金儲けの材料にするのであれば、著者の自称ジャーナリストはむしろ大東建託に感謝すべきではないかと思いました。