小規模マンションオーナーの日記


6月 29, 2024

一括借り上げによる賃貸住宅経営 成功の鍵を握るのは入居率?

近年はアパート建設の横ばいか微減状態が続いています。

以前のアパートバブルのような建設ラッシュは相続税法改正後に、相続税対策ということで、一括借り上げ業者が地主さんに積極的にアパート建設を売り込み、その話に乗ってきた地主さんが多かったということが要因ですが、地主さんも実際のところアパート経営については素人です。

結果として相続税対策には成功しても、その後のアパート経営では思わぬリスクに悩まされている方も少なくないことも広く知られるようになってきました。

この一括借り上げの問題については、近年になって様々な点が指摘されていますが、結局のところ次のてんをクリアしているかどうかが最大のポイントではないかと思われます。

それは入居率です。

2018年になってクローズアップされているサブリース会社のスマートディズと物件オーナーとのトラブルも、運営しているシュアハウスの入居率がかなり悪いがゆえに、物件オーナーへの賃料が支払われなくなるという深刻な事態が生じています。

花画像

一括借り上げの生命線は結局のところ入居率?

このてんを裏付けるかのように、ビジネスジャーナル2018年1月13日の「解約強要疑惑のレオパレス21、所有者が集団訴訟…1億超返還要求、一括借り上げの罠」という記事のなかで不動産ジャーナリストの小林紘士さんは

 

これからアパート経営を考える土地オーナーにはよくよく考えてほしいと思うが、「借り上げ」という仕組みは、入居者が入る見込みが立つときにしか成り立たない。そうでなければ、借り上げた事業者がマイナスになるわけで、利益を追求するべき企業が借り上げる意味がない。言い方を変えれば、借り上げ契約などしなくても賃貸経営が成り立つところしか、借り上げ契約が成り立たないということになる。ただ、入居者の入れ替えなど一時的な空室時でも家賃が入る点は借り上げ契約のメリットといえるだろう。

土地オーナーは自己防衛すべき:解約強要疑惑のレオパレス21 | ビジネスジャーナル (biz-journal.jp)

と述べておられます。

このコメントに一括借り上げの生命線がまとめられているように思うのですが、結局のところ一括借り上げ業者も事業として行っているので、もしも全体的な入居率が思わしくなければ、事業経営が厳しくなるために、そのシワ寄せが物件オーナーにいってしまうということです。

ということは、いつも契約している一括借り上げ業者の入居率がどうなのかチェックする必要があるのかもしれませんし、おおむねアパート経営が良好なエリアでは、一括借り上げにしなくとも通常の賃貸経営で十分なのかもしれません。

 

法人による賃貸割合の多い物件は入居率が高水準になりやすい