人気のあるエリアでも競合物件が多いと家賃が上がるどころか下がることも
この数年、アパートの建設受注は鈍化しはじめているといわれていますが、しかし入居者需要のあるエリアでは相変わらず新しい賃貸アパートマンションの建設ラッシュが続いています。
もちろん入居者需要のあるエリアの家賃相場そのものはあまり下がっていませんが、しかし競合物件があまりにも多くなっているためか入居者募集をしても、なかなか入居者が決まらないという状況もあります。
筆者の所有物件の1部屋もまさに長期間入居者が決まらない状況が続いたことがあり、募集家賃が怖ろしいほどに下がっていきました。
当初は66000円からスタートしましたが、65000円に下がり、しばらくしてから62000円になりました。
62000円が、この部屋の大東建託の割り出した査定家賃と同額です。
しかしそれでも入居者が決まらないので、ついに大東建託の査定家賃よりも3000円も安い59000円にまで下がってしまいました。
なんと当初の募集家賃から1年もしないうちに7000円も下がってしまったのです。
このように相場家賃とか査定家賃という家賃の基準ともいえるものがありますが、この家賃で入居者募集をすれば、入居者が決まるというわけではないようです。
多くの場合、相場家賃よりも5%以上は安い募集家賃にしなければ、入居者はなかなか決まりません。
そもそも入居者需要があるエリアでありながら入居者がなかなか決まらないのは、募集家賃が高いとみなされている可能性があります。
とくに競合物件が多い場合はそうです。
そこで決め手となるのは、他の物件よりも募集家賃を安くするという方法ですが、どこもかしこも入居者を決まるために値下げ競争のような状況になるのも物件オーナーとしては望ましいことではありません。
残念なことですが、競合物件の多いエリアでは相場家賃よりも10%以上も募集家賃を下げなければ入居者は決まりません。
そこで入居者が決まったならば、2年更新の時に家賃を値上げしていくことによって相場家賃の崩壊を防いでいくしかないのです。
ですから家賃の値上げに抵抗感のある入居者も少なくありませんが、相場家賃よりも安い家賃で入居しているゆえに、必要な調整として受け入れるか、更新前に他の安い物件に引っ越すしかないでしょう。
家賃の値上げで裁判沙汰にしても、そもそも相場家賃よりも安い家賃で入居しているので、不利だと思います。
いずれにしても競合物件の多いエリアでは、なるべく入居者に長く入居してもらえるようにすること、相場家賃に惑わされることなく、入居者募集の家賃は相場家賃よりも安くしなければ入居者が決まらないということを覚悟しておいたほうがよいでしょう。
追記:そもそも家賃そのものが需要と供給のバランスできまるものです。
なので競合物件の多いエリアでは、他物件よりもコストパフォーマンスが高いことでアピールしなければ決まりません。
コストパフォーマンスについてウィキペディアには
コストパフォーマンスが高い、コストパフォーマンスが良い(支払う金額よりも価値が高い)
コストパフォーマンスが低い、コストパフォーマンスが悪い(支払う金額よりも価値が低い)
と書かれています。
このように支払う家賃以上に価値があると思ってもらえるようでなければ決まらないということです。