マンションの資産価値 駅近かそうでないかで左右される 郊外でも
マンションを購入すると、マンション所有者にとってマンションの資産価値が気になるそうです。
それで資産価値を保つために10年~15年の間に大規模改修工事も行いますし、空室がでたりすると募集価格がどれぐらいなのか気になるものです。
筆者は分譲マンションに住んでいるわけではありませんが、しかし賃貸住宅事業者として資産価値や家賃には関心がありますので、そのことについてのニュース記事には目を凝らして読んでいます。
ところで2016年9月18日の電子版新聞ZAKZAKの榊敦司氏の「マンション格差が問われる時代 考えて買いたい「35年後の資産価値」 記事には資産価値について」という記事には興味深い事柄がのせられていました。
記事によると
35年前、2人のサラリーマンが東京でマンションを買った。1人は郊外の駅から離れた場所に広めの4LDK。もう1人は近郊の駅近で狭い2LDK。価格はそれぞれ4000万円前後と、あまり変わらなかった。
といものです。
ここまでは、よくあるケースだと思います。
不便なエリアのマンションだと価格のわりには広いスペースを得ることができるが、便利なエリアになると価格のわりにはスペースが狭くなるというケースです。
マンション内での住み心地は郊外のマンションを買った人のほうがよかったかもしれません。
ところで、この2つの物件、資産価値はどうなっていったのでしょうか。
上記のZAKZAKの記事によると
35年後の今、彼らはすでに定年を迎えて年金生活を送り、住宅ローンも払い終えた。そして、それぞれに自宅の売却を考え、不動産会社に査定を依頼した。その結果、郊外の4LDKは800万円。近郊の2LDKは3200万円と評価された。何と査定額に4倍の差が生じている。
と書かれています。
つまり駅から離れた不便な場所にあるマンションと便利なエリアにある駅近くのマンションとでは資産価値の下落率に大きな差があるというのです。
これは新築マンションを購入するならば、必ず考えておかなければならない事実だと思います。
もしマンションの資産価値にこだわるならば、不便なエリアにあり駅から遠く離れたマンションは購入しないほうがよいでしょう。
資産価値を高く維持できれば、売却になっても高く売れますし、所有物件を賃貸住宅として貸しても高い家賃を設定できます。
一方資産価値が大きく下落したマンションは、賃貸住宅として貸しても、よほど安い家賃設定でもしなければ入居者は見つからないでしょう。
住居としての建物の価値は立地場所にも大きく左右されるということを冷酷に示している事例だと思いました。
追記:駅から徒歩10分圏内が望ましいわけですが、しかし10分圏内であれば、どの駅でもかまわないというわけではありません。
その駅から都心部までに20分程度で行けるかどうかも肝心です。
例えば関西の千里ニュータウンは、地下鉄で大阪梅田に20分程度で行けます。
それで千里ニュータウンは1970年代にできた街ですが、今でも活況です。
その一方で多摩ニュータウンは東京の都心までに20分で行くことはできません。
それで多摩ニュータウンも高度経済成長期にできた街ですが、今は落ち目だとも言われています。
さらに駅に近くても、大きな公園も近くにあって、緑の多い街並みか、夜道でも安心して歩けるか、近くにショッピングセンターなどがあって便利な街かといったっことも資産価値に影響するようです。
いずれにしても、物件購入を検討しているならば、実際に足を運んで、物件の周辺の環境などを、つぶさに観察し、また駅からの徒歩の時間なども確認しておくのも良いでしょう。
中古物件であるならば、常駐している管理人などに、物件の状況や住人の状況などについて、いろいろと尋ねてみることもできるかもしれません。
新築物件の場合は、窓からの眺めなどを確認することはできませんが、実際にどのような眺めになるかを、周辺を観察することによって、想像してみることもできるでしょう。