小規模マンションオーナーの日記


12月 30, 2023

サブリース(一括借り上げ)による賃貸住宅経営のデメリット

以前の記事では小規模マンションオーナーとサブリース契約のメリットとデメリットについて書いたことがあります。

デメリットのその1までを書きましたが、今回は続編をかきたいと思います。

ところで銀行の視点からはサブリース契約がどう評価しているかについてですが、銀行サイドとしては、サブリース契約をしているアパートマンションオーナーさんのほうが融資をしやすいというのは事実のようです。

なぜならば毎月、安定した家賃収入が入ってきて、将来の収支の見通しもある程度、把握しやすいからだと思われます。

 

しかし

サブリース契約のデメリットですが大規模改修工事はサブリース会社主導で行われます。

10年~20年の間で大規模改修工事がおこなわれますが、いつ行うか、何を行うか、業者の選定すべてがサブリース会社によって決められ行われます。

もしの提案を受け入れない場合は、サブリース契約を解除させられることもあるかもしれません。

よってオーナー側は受け入れざるを得なくなります。

この大規模改修工事、不動産や建設にある程度の人脈や知識のあるオーナーさんでしたら、自分で行う時期、業者の選定等を行うことができ費用も軽減することができますが、サブリース契約の場合はどうしてもメーカー側が提示した費用で合意するしかありません。(大東建託などでは他社に行ってもらうことを許容してもらえることもあるようです)

 

アパート画像

大東建託パートナーズ管理のアパート。

 

マンションオーナーが事業をすべてサブリース会社に丸投げすることになるのでオーナーとしてのスキルアップができない。

もちろんサブリース契約をしているならば全くスキルアップできないというわけではありませんが、マンション経営の経験を積むことができないので、事業者としてのスキルアップには限界があるように思います。

以上、サブリース契約のメリット、デメリットについて取り上げましたが、結論は次のとおりです。

 

不動産事業の経験がないならば、当初はサブリース契約をしてマンション事業を始めるほうが無難である。

筆者もサブリース契約のもとマンション経営を行ってきましたが、生易しいものではないと実感しています。

とくに近年、空き家率が増加傾向にあり、空き部屋リスクを回避するためにもサブリース契約をしているほうが、無難のように思います。

もちろん不動産についての経験や知識、人脈があるならば、サブリース契約に頼らないでマンション事業を行ったほうが、利益もあがるでしょうし、楽しく事業を行うことができると思います。

筆者も将来、不動産についてもっと勉強してスキルアップできたならば、サブリース契約に頼らないマンション経営を行ってみたいものです。

 

 

追記:サブリースの怖いリスクについては以下の記事もご覧ください。

私のある知り合いの家族は、お父さんが会社経営をしていて、安定した収入を得ていて、どちらかといえば優雅な生活を送っていたようです。

公園近くに3階建ての自宅を構え、家族で2,3台自家用車を所有していました。

お父さんのほうは、高級国産車レクサスに乗っていました。

しかし、ある時、会社経営につまずきが生じ、レクサスは売却し、自宅も売却して、資産価値がずっと安い賃貸住宅に引越すことになります。

あっという間に、優雅な生活から、切り詰めた生活へと変わってしまったのです。

これは会社経営に関する話ですが、アパートマンションオーナーでもあり得る話です。

アパート経営を始めて、最初の数年は儲かって、そのことで勢いにのって、さらに新しいアパートを建てる方も少なくありません。

私もそれは経験しましたが、とにかく最初の10年ぐらいまでは家賃は高い水準を保つことができるので、十分な家賃収入が入り、しかも建物自体もあまり傷んでいないので、ほとんど修繕費用がかかることはありません。

ですから、とにかく当初はキャッシュが貯まっていきます。

私の場合は、さらに数棟のアパート等を建てることはしませんでしたが。(アパートをさらに数棟建ててスケールメリットを得るという方法もありますが、負債も増大するというデメリットがあります)

ところでそのような好調期に、調子に乗ったオーナーさんたちが、外車を購入するなどの贅沢な生活をする方もおられるようです。

花画像

築年数が経つにつれてキャッシュがたまりにくくなっていく。

しかしその後、生じる事柄は、築年数の経過とともに家賃が下落していきます。

ということは家賃収入が減っていきます。

さらに建物も傷んできますので、修繕費用もだんだんと増えていきます。

ということは当初は、面白いように溜まっていったキャッシュが、たまらなくなっていきます。

一方で銀行への返済額は変わりません。

この時になって、年によると赤字経営になる年もあることでしょう。

銀行への返済が滞らないように、一部資産を売却したりするかもしれません。

このように最初の数年で儲かったからといって、それがいつまでも続くという錯覚に陥らないようにしないといけません。

最初に貯めることのできたキャッシュを取り分けておき、後ほどだんだんと増えていく修繕費のために備えておくのが良いでしょう。

そうすれば将来、銀行への返済ができなくなってアパート経営から退場することにはならないでしょう。

 

追記:最近のアパート経営はサブリースによるものが主流になりつつありますが、ウィキペディアによるとサブリースについて

・賃料は長期間一定ではないにも関わらず、数十年一定の賃料を保証するかのように勧誘されている場合が多々ある・・
・借地借家法の強行法規性により賃料減額請求を排除する契約は無効である。すなわち法的には「家賃35年保証」や「契約10年更新」などの契約をサブリース会社は基本的に守る必要はなくいつでも減額請求を行う事ができる。
・訴訟になっているケースでは「家賃35年保証、契約10年更新」であったが建築から数年で家賃減額された事例が存在する。

サブリース

と書かれているとおり、経年とともに賃料も減額されていくことになります。