賃貸住宅経営 管理会社から支払われる賃料減額トラブル
これはしんぶん赤旗2017年11月9日の「追及 アパート商法の闇レオパレス21 契約無視の強引手法
家賃収入減 家主悲鳴」という記事に書かれていたものです。
「契約から10年間は同社からオーナーに払われる家賃は変わらないという契約でした。実際には契約から10年未満で減額されたオーナーが推定1万人以上います」と前田さん。契約6年目で一部屋6000円減額され、家賃収入が15%減ったというオーナーもいるといいます。
追及 アパート商法の闇/レオパレス21 契約無視の強引手法/家賃収入減 家主悲鳴 (jcp.or.jp)
この記事は、レオパレス21とアパートオーナーとのトラブルを取り上げた記事の1文ですが、おそらくは当時はリーマンショック後のこと、レオパレス21も経営が厳しい状況のなかで、推定1万人のオーナーさんに10年未満のうちに家賃の減額を迫った事が明らかにされています。
しかもレオパレス21の賃貸オーナー数が2万7000人ほどといわれていますので、そのうちの1万人以上ということですからその多くのが10年未満のうちに家賃減額を迫られていることになります。
なかには契約6年目で一部屋6000円減額され、家賃収入が15%減ったというオーナーもいるとのことですが、計算してみると家賃収入が一部屋あたり4万円だったのが3万4000円になったという計算になります。
もしこのオーナーさんが20部屋所有していたするならば、80万円の家賃収入が68万円になったということになります。
あっという間に12万円も減額されることは、辛いことだったでしょう。
ところで6年で15%の家賃減額は、やはりきついと思いますが、それでも通常は家賃、年ごとに減少していく傾向にあります。
アパートマンションオーナーはそのことを覚悟しなければなりません。
例えば新築マンションの家賃が30年間、全く同じだったということは、今の時代、ほとんどあり得ないことでしょう。
以前読んだ、不動産のとある研究所によると、今の時代、
家賃は1年間で1%づつ減少していく
という記事を読んだことがあります。
1年で1%ということは10年で10%、20年で20%、30年で30%ということになるのでしょうか。
ですから当初は5万円だった家賃は10年後には4万5000円になり20年後には4万円、30年後には3万5000円になるということになるのかもしれません。
ですから一括借り上げで10年間の家賃が変わらないということは、オーナーにとってはありがたい制度で、オーナーにしてみれば、多少得した気にさせる制度ともいえます。
筆者の所有物件は大東建託パートナーズ管理ですが、10年間家賃が変わらないというてんを守ってくださいました。
今後は5年間変わらない家賃ということですが、おそらくは余程の事が起きないかぎりは守ってくださることでしょう。
しかしこのような制度の恩恵は受けつつも、家賃は年々減額していくものだという現実は見失わないようにしていきたいものです。
追記:国土交通省のウェブサイトにも家賃減額リスクがあることが明記されています。
以下引用ですが
【賃料は変更になる場合があります】
○多くのサブリース契約では、定期的に賃料を見直すこととなっています。
○「家賃保証」と謳われていても、入居状況の悪化や近隣の家賃相場の下落によ り賃料が減額する可能性があります。
アパート等のサブリース契約を検討されている方は 契約後のトラブルにご注意ください!
と書かれています。
このように入居状況の悪化、近隣の家賃相場の下落によって賃料が減額すると書かれています。
実際のところ家賃も需要と供給のバランスで決まるものです。
ですから供給過剰になると家賃は下がっていくものです。
そして需要の大きなエリアでは、競合物件も多くなり、築年数の古い物件ほど不利になっていき家賃が下がる傾向ります。
追記:家賃減額の対処を助ける団体があるようです。費用はかかりますが、このてんについては以下の記事をご覧ください。
先回の記事
ではサブリーストラブル相談センターといった団体があって、サブリースに関する様々なトラブルの相談にのり解決してくださる団体があることについて書きました。
そして相談内容で最も多い事柄は家賃減額請求だということにふれましたが、仮にですが家賃減額請求で強い不満を持ちサブリーストラブル相談センターに解決を図るとなると、どうなるのでしょうか。
一言で言えば、そのために費用がかかります。
下記にあるのがサブリーストラブル相談センターでかかる費用です。
初回60分のご相談 無料相談
2回目以降の有益な改善指導を伴うご相談 10,000円/回
三者間協議・調停プラン時調査書作成費用:200,000円(税別)/棟(交通費別途)
経営顧問契約 100,000円(税別)/年間 (詳細)
引用元:https://sltcc.info/cost/(アクセス日2019/3/31)
このように本格的に解決を図ろうとするならば、高額な費用がかかってしまうことがわかります。
もちろん初回の60分までの相談まででしたら無料なので、この段階まででしたら費用負担はありません。
しかし2回目以降の相談となると1回つき10000円がかかります。
もちろんこの相談で、有益な改善指導を受けて、そのとおりに行って家賃減額請求に対処できるならば、10000円の費用負担はそれなりの価値があったということになるかもしれません。
一方でそれでも解決できない場合、三者間協議・調停プラン時調査書作成費用:200,000円(税別)/棟(交通費別途)へと進んだとします。
この段階では交通費等もかかるために250000円程度かかるかもしれません。
例えば所有戸数が10戸でそれぞれ5000円の減額が求められるとします。
すると1カ月あたり50000円減額されることになります。
1年では60万円です。
もしも三者間協議・調停を行って減額を2000円までに抑えることができたならば、年間で36万円を取り戻すことができます。
となると36万円ー25万円(家賃減額請求に対処するためにかけた費用)=11万円。
つまりは年間で11万円の利益となります。
その後4年間、36×4=144万円と11万円で155万円の利益となります。
このように減額額を10戸で3000円ずつ圧縮することができるならば、まずまずのリターンがあるように思われます。
もちろん所有戸数が多くて減額圧縮額も大きくすることができればできるほどリターンは大きくなりますが、その逆もありきです。
追記:賃料改定のさいに減額に対処するために弁護士を立てる立てることもあるようです。
このさいに気になるのは弁護士報酬ですが日本弁護士連合会のウエブサイトには
弁護士に相談したいが、いくらかかるか不安・・・という方はたくさんいらっしゃるでしょう。
弁護士の費用は、個々の弁護士がその基準を定めることになっており、標準小売価格というようなものはありません。
しかし、オープン価格といってもある程度目安がないとその価格がどの程度かかるのかまったく予測がつかないことになりかねません。
そこで弁護士の報酬は以下の「弁護士の報酬に関する規程」に基づき定められています。以下にご紹介しますので、ご参考にしてください。
日本弁護士連合会:弁護士費用(報酬)とは (nichibenren.or.jp)
と書かれており、上記の引用先のページに報酬について説明されています。
参考にすることができると思います。