家賃は需要と供給で決まるので人気の街でも家賃が下がるのは供給過剰が原因
筆者の妻の実家があるのは、香川県のとある田舎町です。
そしてこのエリアでも人口減少が深刻な問題になっています。
もちろん近年は、田舎暮らしに憧れる都会の若い世代が移り住んできて、こうした若い世代を町全体で歓迎しているということもあります。
ところでこの町には1つのスーパーがありますが、このスーパーの商品の価格を見ていきますと高い、高いです。
というのか筆者が住んでいる市街地のある大型スーパーの商品の価格と比較してみて高いのです。
どうしてなんだろうと思いますが、どうやら市場原理で、田舎のスーパーは競合するスーパーがないために、価格を高くしてもお客が付いて売れるために、価格を高くしたままにすることができるようです。
一方で都会では、競合するスーパーがあるために、どうしても客付けのためには価格面で優位になるために、商品の値下げを行っていかなければならないようです。
ところでこの市場原理ですが、賃貸住宅の家賃でも、どうやら同じことが言えます。
こんなところにアパートを建ててもといったエリアに、唯一のアパートがあるならば、案外と入居率も良く競合物件もないために客付けのために家賃を下げるといったこともないことでしょう。
家賃にも影響するアパートのネーミング👍アメニティ エクセルなど

スマートなアパートにスマートなネーミィングは入居斡旋力にもなりうる。
昔ながらの築古なアパートの場合、○○荘とか○○文化といった、日本語名のネーミングがつけられている物件がほとんどでした。
しかしそれから時代が流れ、最近建てられるほとんどのアパートで○○荘、○○文化といたネーミングをつけることはありません。
なぜでしょうか。
なぜならば今では、このような名称はダサイとみなされているのです。
最近のネーミングのほとんどは洋名になっている
よって最近の新しいアパートの名称はほとんどが洋名になっています。
例えばどのような名称があるでしょうか。
【アメニティ】快適性(英語)
【インペリアル】優秀な(英語)
【エクセル】勝る(英語)
【エステート】不動産・邸宅(英語)
【エスポワール】希望、期待(仏語)
【カーサ】家(伊語)
【グランテージ】壮大+舞台(造語)
【グリーンハイツ】緑の高台(英語)
【クレスト】頂上(英語)
【クレール】明るい・済んだ(英語)
【グレイス】優雅・洗練(英語)
【サンハイム】太陽+家(英+独語)
【サニーハイツ】陽の当たる丘(英語)
【サニーハウス】陽当たりの良い家(英語)
【サニーコート】陽当たりの良い家(英語)
【サニーヒル】陽の当たる丘(英語)
これらの名称の用いられているアパートマンションが身近なところにもあるのではないでしょうか。
実のところ筆者の所有物件にも上記のカタカナが名称に含まれています。
トイレと浴室が一体型のワンルームマンションの家賃が驚くほど安い
最近は鉄筋コンクリート造りの賃貸マンションで極端に家賃が安い物件を目にするようになってきました。
2万円台、3万円台といった物件です。
以前は築古で建て替え寸前の木造住宅などで、この水準の家賃の物件がありましたが、最近は鉄筋コンクリート造りにも見られるようになっています。
たいがいはワンルームマンションで、しかも部屋の広さが十分とはいえないマンションです。
部屋が広ければそれなりに家賃も高くなる
当然のことといえば当然のことですが、部屋が広くなれば、それなりに家賃も高くなっていきます。
部屋が広く、それなりの設備が整っているならば、1人暮らし向きの部屋でも家賃は5万円台、6万円台と上がっていきます。
ところで2万円台、3万台のワンルームマンションの大きな問題点があります。
それはおそらくそのようなマンションは部屋が狭く収納スペースも十分ではないというてんです。
収納スペースが十分ではないということは・・荷物が部屋に入りきらないということになります。
するとトランクルームを別に借りなければならないかもしれません。
例えばライゼボックスならば平均で1万円ぐらい月額料を支払わなければならないでしょう。
つまり家賃は3万円台でもそれにトランクルーム代が加算されることになるのです。
しかも、すぐ近くにトランクルームがあれば良いでしょうが、部屋から幾らか離れた場所にしかなければ大変不便ではないでしょうか。
さらにお風呂とトイレが一体型になっているユニットバスが採用されているケースが多いことでしょう。
しかし最近の傾向としては、賃貸住宅においてユニットバスは人気がなく、敬遠されることもあります。
大東建託批判の不都合な真実オーナーへの賃料減額編
以前に書いた記事
では大東建託批判でよく目にする「高い入居率に騙されるな」という批判の不都合な事実というか真実について書きました。
今回は「家賃減額によって大家が困っている」という批判について、現大東建託グループ物件のオーナーの筆者の視点からコメントしたいと思います。
残念なことに家賃減額ということは大東建託グループの物件でも生じます。
それは事実です。
ただ批判の内容によっては「大東建託は空室が多くなると損失を被るので入居家賃を思い切り下げて、空室を減らすようにして、そのシワ寄せが大家にくるようにしている」という内容の批判があります。
しかし冷静に考えてみると
まず大東建託の家賃についてですが、一言でいうとごくスタンダードな家賃です。
目立って同じエリアにおいて他物件よりも安いということはありません。
そして大東建託には3つの家賃があります。
それは募集家賃、入居家賃、査定家賃の3つです。
最も重視したいのは査定家賃です。
査定家賃とは、同エリアで、同じような物件の家賃を調査して割り出した家賃のことで、大東建託物件の基準ともいえる家賃です。
この査定家賃を基準にして募集家賃、入居家賃が決められます。
家賃も需要と供給のバランスで決まる?需要が大きければ家賃の値上げも
新築の分譲マンションが、完成後、何カ月も半年も1年も売れ残っていると、当初の価格から、どんどん値下げしていくことになります。
こうなると幾らか不公平感を感じるかもしれませんが、しかし資本主義における市場原理なので仕方がありません。
ところでこの市場原理とは市場がさまざまな過不足やアンバランスを自ら調整し最適化する仕組みや機能といわれています。
ですから商品の価格などは、市場原理で決まることが少なくありません。
このことは賃貸アパートの売買でも言えることです。
つまりはアパートなどを所有していても、売却のさいには市場原理によって決まるのです。
例えば賃貸アパートを売却したいとします。
売る側としては、できるだけ高値で売却したいことでしょう。
そこで売却の相場や目安価格よりも最初は、やや高い値で売りに出すことでしょう。
もしこの段階で買い手が見つかれば、売却成功です。
しかしなかなか買い手が見つからないとします。
3カ月、半年、1年・・と経過しても買い手が見つからないならば、売却価格を下げていかなければなりません。
買い手が見つかるまで継続的に下げていかなければならないでしょう。
しまいには○○円ならば買ってもかまわないという買い手が現れるかもしれませんが、そのためにはさらに値下げしなければならないかもしれませんが、どうしても売却したいがために、その価格で売却することなるかもしれません。
これがまさに市場原理が働いたともいえる事柄です。
逆に言うと買い手側にすると、なかなか売れずに残っている物件は、さらなる値下げ交渉をして買い叩くチャンスなのかもしれません。
家賃の値上げを更新時に管理会社から求められたらならば

完成間近の大東建託設計施工管理のアパート。
ある知人が家賃の話をしているときに「家賃は値上げすることがあっても、下がることはない」と言われていました。
厳密にはそうではないのですが、しかし概ねその通りです。
また筆者の所有物件がお世話になっている大東建託パートナーズの担当者も「大家さんためにも、契約更新時に可能なところでは1000円ずつでも家賃を上げるようにしている」と言っておられました。
この2人の方が言われているとおり、家賃の値上げは賃貸暮らしをしていると経験するかもしれない事柄です。
そして家賃の値上げは入居者にとってはありがたくない事柄でしょう。
とくに慣れ親しんできた住居は出たくないと思っていても家賃が値上げされるとなると心が揺れ動くかもしれません。
筆者も所有物件を長年見てきましたが、入居中に家賃が下がったということは、あまりありませんでした。
おそらく入居者が物件管理会社と家賃交渉をすれば数千円程度、値下げは可能と思える部屋もあるのですが、おとなしい入居者が多かったせいかそのような事はほとんどありませんでした。
というのか1度、テナント物件で家賃交渉はあったのですが、結局のところ家賃交渉は不調に終わり、テナントに入居していた事業者は退去することになったということがあります。
入居者募集の家賃が入居している方の家賃と数千円以上の違いがあるはなぜ?
家賃というと、現在の入居者さんが毎月支払っている家賃、いわゆる入居家賃の事を思い浮かべることでしょう。
このサイトの以前の記事
でも取り上げたとおり家賃には3つの家賃があります。
その3つは
募集家賃:入居者募集時の家賃。
入居家賃:入居者さんが実際に支払っている家賃。
査定家賃:周辺エリアの相場を考慮した管理会社が査定した家賃。
の3つです。
ところで不動産業界では3つではなく家賃を4つに分類しているところもあります。
これは不動産業界では、名の知れた船井総研という会社が使用している分類方法ですが、船井総研では
家賃四価
と呼んでいるそうです。
具体的はにはミノラス不動産のサイトの「空室過剰市場を生き抜く「賃貸経営法」1つの部屋に家賃が4つ!?「家賃四価」対策とは!」という記事には
相場家賃:周辺のアパートマンションの現在空室で募集している家賃の平均。
引用:空室過剰市場を生き抜く「賃貸経営法」1つの部屋に家賃が4つ!?「家賃四価」対策とは!
(最終閲覧日2018/4/30)
ということで3分類でいう募集家賃のようなものなのでしょうか。
次に
適正家賃:2カ月で決まる家賃。相場家賃の90~95%。
ということで3分類でいう査定家賃のようなものなのでしょう。
このてんで大東建託がオーナーに支払う賃料は査定家賃を基準にして計算されますので重要な家賃といえるかもしれません。(入居家賃のほうが高い場合は入居家賃を基準に計算されます)
ところで3つめの家賃ですが
成約家賃:最終的に契約が成立した家賃。
ですが、3分類でいう入居家賃ということでしょう。
賃貸住宅経営で重要なアパートやマンションの適正な家賃とは?
アパートオーナーにとって、所有アパートの家賃がどれぐらいが適当なのかを知ることは重要です。
というのも心情的には、できるだけ高い家賃にしたいと思ってそうしたとしても、家賃に割高感があれば入居者が決まることはないからです。
一方で入居者を決めたいがために家賃をとても安くしたとするならば、入居者を決めることができたとしても収益面で問題が生じてくるかもしれません。
ですから家賃を適当なレベルにしておくことは重要なのです。
最近ではインターネットで所有アパートの適当な家賃がどれくらいなのかを、ある程度調べることができるようになりました。
例えばライフルホームズやアットホームのサイトで家賃相場がどれぐらいになるのかを知ることができます。
もちろんこれらのツールを目安として、より正確に所有アパートの家賃がどれぐらいになるのかを物件の管理会社などと協議することもできるでしょう。
ところで所有アパートの家賃がどれくらいになるのかを知った次に行うのは、どのような人たちを入居者のターゲットにするかについて考えてみることができます。
例えば大学のキャンパスの通学圏にある物件として、家賃は5万円前後で設定できるとします。
家賃の決定はどのように決まるのか周辺相場やターゲットになる入居者にもよる
アパートマンションオーナーにとって家賃の設定は重大な関心事といえます。
心情的にはできるだけ高い家賃にしたいと思うものですが、割高な家賃ですと、入居者が付きません。
一方で家賃を安くすると、空室は少なくなりますが、アパート経営そのものが、しんどくなっていきます。
ところで家賃はどのようにして決められるかというと多くの場合
家賃は周辺相場で決まります。
つまりは適正な家賃は周辺相場でほぼ決まります。
周辺相場よりも高い家賃であるならば、なかなか入居者が見つからないでしょうし、周辺相場よりも安い家賃であるならば、入居者はすぐに見つかるでしょうが、アパート経営が圧迫されていきます。
もちろんその場合には更新時に周辺相場の家賃へと近づくように家賃の値上げを行うこともできるわけです。
筆者がお世話になっている大東建託も周辺相場を基準に家賃を設定しています。
ですから、いい部屋ネットの大東建託物件の家賃は、スタンダードなものといえるでしょう。
ところで周辺相場以外にも家賃設定で考慮すべきてんがあります。
その1つが誰を対象にしているかというてんです。
例えば学生を対象にしているアパートマンションであるならば、高い家賃を支払うことは難しいでしょう。
ですからその場合は、お部屋に豪華な設備を揃えて、家賃を高くするのは実際的ではありません。
同じように若い新婚カップルも、多くの場合に経済的な余裕がないので、高い家賃にしないほうが良いでしょう。
家賃が高い都市圏よりも地方のほうが大家としては有利な場合がある?
東京や大阪の都心部となると、住みたいと思う人は多く家賃も高く設定できます。
しかしその一方で、そのようなエリアでは、賃貸住宅が競合乱立し、入居者の奪い合いのような状況が生じます。
例えば積水ハウス、大和ハウス工業、大東建託といった賃貸住宅においてトップシェアを競う大手が、潤沢な資金力をバックに入居斡旋を優位にすすめ、個人の物件オーナーさんが苦戦を強いられることがあります。
もちろんこのようなエリアにおいての地主さんが、積水ハウスなどにアパートマンションの建築から管理までを委ねて賃貸住宅経営をすることはできると思いますが、そうでない場合に土地と建物を買ってまでもアパート経営をするのは実際的ではありません。
というのも土地の価格があまりにも高くて、家賃を高くしても、土地購入価格を家賃で埋めまわせていくのに相当の期間がかかるからです。
例えば1㎡あたり50万円もする土地を200㎡購入するとなると1億円はかかります。
それに加えてアパート購入を1億円とすると全部で2億円以上が必要となります。
となると毎月の銀行への返済額は30年ローンとして60~80万円ぐらいになるかもしれず、そのためには毎月200万円程度の家賃収入が必要になってくるでしょう。
単身者向けの住宅にする場合、1部屋8万円の家賃を設定できても最低でも25部屋以上のある建物にしなければならないでしょう。
