サブリース業界が将来を楽観できない理由😟郊外での空室が上昇
以前に書いた記事で
予測がつかない今後のアパートマンション経営
という記事がありますあ、2017年7月21日の東洋経済誌の「「賃貸住宅市場が危ない」、日銀が異例の警鐘
金融緩和による住宅過剰、物価を下押し?」記事の内容からそのてんについて指摘するものでした。
実際には2017年現在、サブリース会社トップの大東建託は96%以上の入居率を維持しており、今後も入居者向けサービスの充実を図ることにより、高水準の入居率を維持できるとの見方をもっているというてんについてもふれました。
そして大東建託の高入居率の維持ができるとの自信は、それなりの根拠があって述べている事柄なので、大東建託のアナウンスとおり数年は大東建託は高入居率を維持できるのではないかと思われます。
しかし東洋経済誌は気になるてんを指摘しています。
例えば、この記事にはトヨタ自動車などが出資する不動産評価・情報提供会社「タス」の見解を取り上げていますがそれによると
首都圏では東京都心部はさほどでもないが、埼玉や神奈川、千葉の各県で特に2015年後半以降、空室率が急上昇している。
と述べて、都心部でない
郊外における空室率の急上昇に警鐘を鳴らしているのです。
つまりは東京、大阪、札幌などの主要都市の都心部ならば、まだ高入居率を維持できるものの、郊外となると空室リスクに警戒しなければならないというのです。
郊外に多くの管理物件をかかえる大東建託にとっては油断のならない傾向といえるでしょう。
さらに上記の東洋経済誌の記事によると
今年2月には愛知県のオーナーが業界大手のレオパレス21を提訴し、家賃減額分の支払いを求めて争っており、業界内で大きな注目を集めている。大東建託やレオパレス21など、右肩上がりで成長してきたサブリース業界にとって、曲がり角の事件となるかもしれない。
とも指摘しています。
私もこの裁判のゆくえには注目していますが、もし家主側にかなり有利な判定が下るならば、
サブリース会社の業績には大きな打撃となる
可能性があります。
もちろん最高裁にまでいくならば、最終的な判定が下されるまでに、まだまだ時間がかかりますが、サブリース会社やサブリース契約でアパートマンションオーナーをしているのならば、注目すべき裁判といえるでしょう。
いずれにしても土地活用や相続税対策を宣伝文句にして好調を維持してきたサブリース業界、将来は楽観視できないのかもしれません。
追記:予測がつかない今後のアパートマンション経営
という記事を以下に掲載いたします。
2017年も後半になりました。
さいわいにして今のところは私の小規模マンション経営も順調です。
しかし気になる事柄もあります。
それは私の所有物件のある周辺エリアにおいても、築古になると空室が生じてからなかなか次の入居者が見つからないのです。
入居者がなかなか見つからないと家賃は下がっていきます。
こういったなか経済関連情報誌としては信ぴょう性の高い東洋経済誌が2017年7月21日に「「賃貸住宅市場が危ない」、日銀が異例の警鐘 金融緩和による住宅過剰、物価を下押し?」という記事を掲載しました。
このなかで日銀が2017年1月に公表した「地域経済報告」の次のコメントが引用されていました。
「多くの地主等が短期間のうちに貸家経営に乗り出した結果、貸家市場全体でみると、需給が緩みつつあるとの声が聞かれている」「実際、賃貸物件の仲介業者等からは、郊外の築古物件など相対的に魅力の乏しい物件を中心に、空室率の上昇や家賃の下落が見られるとの声が聞かれている」
日銀のコメント通りだと感じる方も少なくないのではないでしょうか。
とりわけ郊外の築古物件を中心にして空室率の上昇と家賃の下落が生じていると注意を促しているのです。
しかも不動差向け融資は拡大を続けており、2015年は10兆円越え、2016年は12兆円越えと拡大しているわけですから、当然、日銀も警戒しているのです。
しかしこのようななか大東建託やレオパレス21といったサブリースメーカーが好調な業績を維持しています。
例えば大東建託も2017年現在、入居率96%を維持していおり、今後の見通しも強気のようです。
大東建託担当者のコメントも、この上記の記事で紹介されていますが、それによると
今後も入居者ニーズに応じたハード・ソフト両面のサービスを提供することにより、入居率が急激に悪化することはない、と説明している。
と書かれています。
このコメントのとおり、この数年で、大東建託物件の入居者向けサービスは向上しており、実際に筆者の物件でも以前よりも退去していく方が少なくなっている傾向を感じます。
それで将来的に安心なのではないかとも感じられますが、しかし気になるてんについても東洋経済誌は指摘しています。