銀行サイドからして賃貸住宅経営を推奨したいエリアとは
以前のことですが、誤解もあったのですが、アパートローンを借りている、りそな銀行に不快な思いをさせられた事があったので、電話で苦情を言うと、すぐに担当支店の支店長が電話をかけてこられて、その日のうちに謝罪のために訪問して来られました。
いずれにしても円満に事は収まって私も気持ちがすっきりしましたが、この時に不動産の話をすることもできました。
今回の支店長さん、どうやら不動産についてもある程度、詳しいようで、いろいろな話が出てきました。
まず地方でアパート経営をする話になると・・。
支店長さん言わく「地方では空室がなかなか埋まらないということがあるので・・」
とのことです。
つまりは地方でのアパート経営は厳しい、ということでこのような状況でアパートローンを組むことは難しいということのようでした。
さらに「土地の価格が上がっているようなエリア、人口が増えているような人気のエリアならば・・」といった口ぶりです。
つまりは裏を返して言えば、土地価格が下がっているようなエリア、人口が減少し続けているようなエリアでのアパート経営には協力できないということのようです。
住宅ローンよりもアパートローンのほうが安全と言える理由は
アパートマンション事業を始めるとなると多額の資金が必要にになります。
例えば土地はもともと所有していてもRC造り4階建てのマンションを建てるとなると少なくとも1億円はかかります。
さらに土地も購入するとなると、都心部になると何千万あるいは数億円がプラスされることになるかもしれません。
もちろん地方で小さなアパートを造るとするならば、さほど費用はかからないと思います。
ところで資産家であるならば借り入れをしなくてもアパート事業を始めることができますが、そうでない場合は通常、金融機関から借り入れて事業を始めることになります。
そして
アパートマンションローンは事業性ローンになります。
実際のところ銀行は、住むための家やマンションを買うための住宅ローンとアパートマンション事業を行うために融資を受けるためのローンとを区別しています。
例えば1つのアパートマンションを建てるためのローンはそれに該当しますが、住むためではなく投資目的で1部屋を買うためにローンを組む場合もアパートマンションローンになるようです。(金融機関によって対応が異なるかもしれません)
ところで事業をあまり経験していない場合、お金を借りということに抵抗を感じるかもしれません。
ましてアパートマンションローンを組む場合、場合によったら1億円以上借入れることになる場合もあります。
債務は善という理論 返済ができているならば問題ない?
最近は経済学の理論でMMT理論と呼ばれるものが脚光を浴びています。
この理論、現代貨幣理論とも言われていますが、ウィキペディアによると
現代経済の貨幣が借用書により成立していることを捉え、政府は税収に制約される必要はなく、任意の自国通貨建て国債発行により財政支出量を調整することで、望ましいインフレレベルを目指す経済政策を行うことを理論的主柱とする経済理論である。
と書かれています。
一読しても、どういうことか、イマイチわかりませんが、
最近は経済学の理論でMMT理論と呼ばれるものが脚光を浴びています。
この理論、現代貨幣理論とも言われていますが
つまりは日本の国債残高は1000兆円を超えていますが、全然問題はありません、大丈夫ですよという経済理論です。
たしかに、日本の場合これだけの債務をかかえていながらも、国は破綻することはありません。
金利が急騰することもありません。
ハイパーインフレにもなりません。
賃貸併用住宅にすることで金利を軽減することができる
銀行のローンの種類は様々でも住宅ローンが金利面などで最も優遇されている事は既知の事実です。
ところでアパートマンションの建設費用のための融資ないしはローンは基本的にはアパートローン、つまりは事業性ローンとなります。
よって金利は住宅ローンよりもやや高くなります。
そしてアパートローンなどの億円前後のローンになると金利が少し上下するだけで、支払う利息額も大きく違ってきます。
例えば1億円のローンを組むとします。
30年返済、元利均等方式の場合、金利が1.5%の場合、利息の支払い総額は¥2424万3068円です。
一方で同条件で、金利が0.8%の場合、利息の支払い総額は¥1251万2523円となります。
つまりは金利が0.7%違うだけで利息支払い額が約1200万円ほど違ってくるのです。
となると住宅ローンのほうが、有利なのは間違いありません。
1200万円となると小規模なマンションの大規模改修工事に、おそらくは十分に足りるだけの金額です。
このてんで打つ手はあるのでしょうか。
実はこのてんで、ある程度は打つ手があります。
アパートマンション建設の場合でも住宅ローンにする方法があるのです。
住宅ローンよりもアパートローンの金利が高いのはなぜ?
パートマンション経営のために借りるローンは一般にアパートローンといいますが、住宅ローンとは多少異なります。
どのように異なるのでしょうか。
アパートローンのほうが金利が高い
住宅ローンよりもアパートローンのほうが金利が高くなります。
住宅ローンが0%台も珍しくないのに対してアパートローンは高めに設定されます。
アパートローンは事業性ローンになる
事業性ローンになりますので、支払われた利息は不動産経費として計上することができます。
銀行にとっては住宅ローンのほうが貸し出したい
銀行にとっては一定の自己資本率を維持することが求められます。
そして融資すれば、それだけ資本を減少させることになります。
例えばアパートローンとして1億円融資すれば、1億円の資本を減少させることになります。
ところが住宅ローンについては例外で、デフォルト率が低いとみなされているために、1億円の融資をしても3500万円の減少にしかならないそうです。
つまり自己資本率の維持に苦しむ銀行にしては、事業性融資をドンドン行うよりも、小口ではあっても住宅ローンのほうをドンドン行いたいというのが本音なのです。
金利交渉で金利下げといっても金利優遇幅を拡大してもらうということ
以前の記事にも書きましたが、アパートローンを借りている、りそな銀行の担当者から連絡がああり、金利を下げてもらうことになりました。
といっても金利下げによって浮いたキャッシュで医療タイプの生命保険に加入し生命保険料を支払うことになるわけです。
まあ悪い話ではないので承諾することにしたのですが、これまでよく知らなかったのですが、銀行が金利を下げてくれるといっても基準となる金利が下がるわけではなく、債務者の状況によって設定されている優遇金利幅の拡大という形での金利下げです。
この金利優遇幅ですが、借り換え時や、住宅ローン、そしてリスクがほとんどないような債務者には金利優遇幅が大きくなる傾向があるようです。
そして手続きが開始されたわけですが、とにかく手間と費用がかかります。
まずは支店レベルで、特定の債務者の金利優遇幅の拡大について検討し、準備が始まります。
その後、アパートローン債務者宅を支店の行員が訪問し、金利優遇幅拡大についての説明があります。
まあ金利が下がるわけですから、たいがいは説明を聞いた後、承諾することになると思います。
その後、支店の行員は金利優遇幅拡大についての稟議を支店外にある融資担当部署にかけます。
アパートローン 高額な金利支払い負担を減らす方法
ローン金利、これはアパートローンにしても住宅ローンにしても借りているならば気になるものです。
例えばアパートローンを1億円借りて30年元利均等返済、そして金利1%前半とした場合、当初の金利の年額の支払い分は100万円を超えます。
つまりいかに多くの金利支払い分があるかがわかります。
ではどうすれば金利支払い分を減額させることができるでしょうか。5つの方法を取り上げたいと思います。
その1 頭金を多くし、借入金額をすくなくする。
この方法は比較的、お金に余裕のある方が取れる方法です。
結構な額の預貯金があるならば預貯金の幾らかを崩したり株式を売却したりしてそうすることができるかもしれません。
その2 借入期間を短くする。
借入期間が長いほど、結果的には金利支払い分が多くなります。
通常は30年や35年が一般的のようですが、20年や15年と短くするならば金利支払い分を少なくすることができます。
しかし毎月の返済額は大きくなるという面もあります。
アパートローンを借りている場合は銀行とのつながりを切らしたくないのと、相続税対策もあるので、銀行とはできるだけ長くつきあっていきたいものです。
よってアパート事業者には向いていない方法のように思います。
賃貸住宅経営を始める時の大きな壁 銀行からの借り入れが容易でない
アパート経営をするためにはどうしても最初に高額の資金が必要となります。
自己資本がたくさんあるならば、さほど問題にはならないかもしれませんが、自己資本が不足している場合、あるいは比較的大きなアパートを建てたり買ったりする場合は多くの場合、銀行からの融資を必要とします。
そのためには銀行に足を運び、融資のお願い回りをしなければならないかもしれません。
このてんで何行も足を運び何行も融資を断られたあげくに、ようやく融資に応じてくれる銀行を見つけることができたという方もおられれるようです。
一方で筆者のように、相続でアパート経営を受け継いだ場合は、これまでの取引銀行から引き続き融資を受けることができる可能性は高いと思います。
もちろん相続の場合でも銀行は再審査を行いますので、収入等の必要書類の提出が求められます。
あまりにも問題がある場合は、相続の場合でも融資を断られるかもしれません。
ところでアパート経営の実績がなく始める場合は銀行も融資することに多少慎重になります。
当然のことです。
それで最初は融資を受けるために銀行を何行も回る場合があるかもしれません。
ではどうすれば有利に銀行と交渉を行い融資をひくことができるのでしょうか。
賃貸住宅経営で事業計画書の作成が求められることがある?
アパート経営を始めるきっかけは、相続税対策だったり、土地活用の場合もあるかと思います。
さらには資産継承でアパート経営を引き継いだ方も少なくないと思います。
筆者の場合も亡き父からの資産継承でアパート経営を行うことになりましたが、それまでは、ある意味で気楽な給与所得者だったのが、アパート経営を相続したとたんに個人事業者になり、アパート経営について個人的に勉強し始めたり、節税について勉強したりと、これまでは未知の分野について、いろいろと学ぶことになりました。
多くの事柄は不動産管理会社が行ってくれるとはいえ、やはり事業の責任は大家が負っているので、無知ではよくないですし、破産している大家もいるという事実からして、やはり責任感を持ってアパート事業を行っていく必要があります。
ところで事業となると、銀行からの融資を受けることが多いと思いますが、アパート経営でもアパートローンを受けている方が多数ではないかと思います。
この銀行からの融資を受けるためには事業計画書のようなものを提出する場合が多いかと思いますが、アパート経営の場合は特にそのようなことをしなくても、家賃収入の見込みなどを示すことや、預貯金などがある程度あるならば、事業計画書を作らなくても融資をしてもらえるものです。
しかし事業計画書がなくても、それに準ずるようなことを頭に描いてアパート経営を行っていくならば、より楽しくしかも効果的に事業を行っていくことができるのではないかと思います。
銀行へのローンの返済額 理想は収入の30~35%以内というが・・
銀行からローンを借りて物件オーナーになる場合は、銀行への返済額に注意しなければなりません。
一般に住宅ローンの場合は収入の30~35%以内の返済額が理想的と言われています。
ということは年収が500万円ならば、500×0.35=175
年間の金利分を含めた返済額は175万円。
つまりは月額14万5000円までが理想的になるということです。
ところでこの原則は直接はアパートローンの場合にはあてはまりませんが、ある程度の目安にすることができるかもしれません。
例えば家賃収入が年間500万円の物件があるとするならば、年間の銀行への返済額は
500×0.3=150
年間の銀行への金利分を含めた返済額は150万円まで。
ということは1カ月の返済額は12万5000円までが理想ということになります。
これが家賃収入が2倍の1000万円となると、返済額も2倍の35万円までが理想となります。
それではどれくらのお金を実際に借りることができるかというてんですが、民間の銀行とフラット35で多少の違いが生じます。
フラット35の場合は35年固定金利で金利も民間の銀行よりも低めです。
例えば金利が2%ならばどうなるでしょうか。