顧客を食い物にする風潮の建設不動産業界 企業理念は立派だが

どこの会社でも企業理念というものがあって、社会貢献を謳った高尚な理念があるものです。
しかし現実は、高尚な理念とは裏腹に、利益の追求のあまりに顧客に損失をもたらすような取引を平然と行っているケースも少なくありません。
先回の記事
では地方銀行が利益追求のあまりアパートローンを地主さんたちに積極的に提案し、結果としてアパートローンを借りてアパート経営を始めてみたものの、アパートバブルの影響で空室に悩まされ、家賃収入が十分に入らずに、苦境に追い込まれるというケースがあり、その事態を重く見た金融庁が、地方銀行に警鐘を鳴らし
顧客本位の事業を行うように
促しているという内容の記事でしたが、残念なことに銀行のような紳士的と思える企業でも、時には利益追求のあまり顧客本位主義を見失ってしまうことがあるということを示すものでもありました。
もちろんこうした事がしばしば生じる会社の場合は社会的な信用が失墜していき、しまいには淘汰されてしまうこともあるのかもしれません。
積水ハウスの管理会社営業所長がアパートオーナーから1600万円を騙しとる

積水ハウスといえば、戸建て住宅からマンション、賃貸住宅と建設業界において総合力において、大和ハウス工業に次いで売上高の多い建設会社です。
どちらかといえば地味なイメージのある大和ハウス工業よりも、好感度では積水ハウスのほうが上ではないかと思われます。
その積水ハウスですが、賃貸住宅はシャーメゾンとして知られおり、高品質の住宅として人気があります。
また賃貸住宅オーナーにも人気があるようで、賃貸住宅経営をするならば積水ハウスのシャーメゾンでやろうとする方も少なくありません。
その積水ハウスですが、その管理会社の不祥事が発覚しました。
NHK NEWS WEB2021/2/18の「「積水ハウス」子会社 “不正発覚”で営業所長を懲戒解雇」という記事によると
大手住宅メーカー「積水ハウス」の子会社の営業所長が、会社が管理する長野県内のアパートをめぐり、リフォーム代などの名目で領収書を偽造したり、注文書を勝手に作成したりして高齢者のオーナーに1600万円余りの損害を与えていた疑いがあることが関係者への取材で分かりました。会社は不正があったことを認め、この営業所長を懲戒解雇の処分にしました。・・関係者によりますと、所長は会社が管理する長野県内のアパートをめぐり、去年1月ごろまでの数年間にリフォーム代などの名目で領収書を偽造したり、注文書を勝手に作成したりする行為を繰り返していたということです。
そのうえでオーナーの80代の女性に必要のない支出をさせ、少なくとも1600万円余りに上る損害を与えていた疑いがあることが分かりました。
引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210218/k10012873211000.htm(アクセス日2021/2/20)
と報じています。
積水ハウスグループでもオーナーとトラブル

最近では、賃貸住宅経営は多くの場合、サブリース、つまりは一括借り上げによるもので行われています。
この場合、どの管理会社と一括借り上げ契約を結ぶかが重要になってきます。
というのも一括借り上げの場合は、管理会社を変えるのが容易ではないからです。
なので管理会社の選択を誤ると、オーナーはいろいろと大変な目に遭う可能性が高くなります。
代表例としては、アパート施工不良問題で揺れるレオパレス21のオーナーさんたちがそうです。
この施工不良問題のために、これからどうなるのかといった不安に駆られたオーナーさんたちも少なくなかったことでしょう。
こういったなかで、オーナーとしては管理会社は大東建託や積水ハウス、大和ハウスといったところを選びやすかったかもしれません。
いずれも大手ゼネコンを凌ぐ、大手の建設会社グループです。
私も大東建託グループに管理してもらっている小規模マンションオーナーですが、大東建託に不満がないというわけではありませんが、しかし賃料はきちんと支払ってもらえますし、オーナーあってのビジネスモデルという意識がグループにあるためか、まずますの待遇を受けているのではないかと感じています。
積水ハウスの企業理念は高尚だが不動産建設業界の実態は?

どこの会社でも企業理念というものがあって、社会貢献を謳った高尚な理念があるものです。
しかし現実は、高尚な理念とは裏腹に、利益の追求のあまりに顧客に損失をもたらすような取引を平然と行っているケースも少なくありません。
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では地方銀行が利益追求のあまりアパートローンを地主さんたちに積極的に提案し、結果としてアパートローンを借りてアパート経営を始めてみたものの、アパートバブルの影響で空室に悩まされ、家賃収入が十分に入らずに、苦境に追い込まれるというケースがあり、その事態を重く見た金融庁が、地方銀行に警鐘を鳴らし
顧客本位の事業を行うように
促しているという内容の記事でしたが、残念なことに銀行のような紳士的と思える企業でも、時には利益追求のあまり顧客本位主義を見失ってしまうことがあるということを示すものでもありました。
もちろんこうした事がしばしば生じる会社の場合は社会的な信用が失墜していき、しまいには淘汰されてしまうこともあるのかもしれません。
積水ハウスの住宅の修繕費用が高くなることがあるのはなぜ?

インターネット上のある記事で、大東建託パートナーズの外壁塗装の工事費用が高いという内容の記事を読んだことがありました。
実際のところ以前に、大東建託パートナーズの担当者も、大規模な修繕工事の時は「塗装代が高いかもしれない」ということを言われていたので、大東建託パートナーズの外壁塗装の工事費用が高いというのは、どうやら真実のようです。
それではなぜ高いのでしょうか?
その理由は、塗装そのものの品質によって塗装代金が大きく違ってくるというてんがあるようです。
当然のこととして高品質な塗装を使用するならば、費用は高くなり低品質の塗装を使用するならば、費用は安くなります。
大東建託グループの場合は、既製の塗装ではなく、大東建託グールプ独自の、比較的に高品質な塗装を使用するために費用が高くなってしまうのではないかと思われます。
ところで既製品となると、大量生産が行われているために、どうしても費用は安くなります。
ですから何でも大量に出回っている既製品で満足するならば、全体的にかかる費用は安くなります。
その一方で、ある製品が提供する企業独自のものとなると、費用は高くなります。
というのもその企業独自の製品ですから、競合するものがなく価格競争が行われることもないので、費用は高くなります。
リビングルームを重視した間取りに人気がある

日本の場合はファミリータイプのマンションというと3LDKという形が一般的でした。
ファミリータイプの分譲マンションの多くがそのような間取りになっていると思います。
このLDKという言葉ですが、Lはリビングルーム(livingroom)のことで居間のことです。
Dはダイニングキッチン(dining kitchen)のことでいわゆる食堂のことです。
そしてKは台所(kitchen)のことです。
ところで最近は、この基本的ともいえる間取りのあり方に変化が生じつつあるようです。
例えば大東建託の賃貸住宅においても、自由な賃貸ということをキャッチフレーズにして、必要に応じて間取りを自由に変化させることができるような賃貸住宅の提供を一部の物件で行っています。
そしてこうした取り組み、つまりは従来の枠組みにとらわれない住居の開発は他社でも行われているようです。
そしてあの住宅メーカー、積水ハウスもそのことに取り組んでいます。
このてんについてexciteニュース2018年10月7日の「積水ハウス、“幸せ研究”の成果から生まれた脱LDKの新コンセプトモデルを発表」という記事には
「LDK発想は、戦後まもなくの公団住宅が目指した寝食分離発想のDKプランから誕生したレイアウトで、家族の暮らし方が大きく変わっているのに、半世紀以上も前のコンセプトを引きずっている。これで良いのかという疑問から新たなリビングのあり方の研究を開始した」という。この発想から始まった調査で分かったことは、家族がそれぞれリビングで過ごす時間が1日の大半を占めるということ。河崎氏の説明では「リビングに居る時間は14.5時間」に及ぶという。
と書かれていました。
セキスイハイムの賃貸住宅とは シャーメゾンとは異なる

賃貸住宅会社でセキスイハイムという会社があります。
セキスイという言葉が使われているので、積水ハウスのことだと勘違いされやすいようです。
しかし実際には積水ハウスとは別会社です。
もちろんもともとは積水化学工業から独立したのが積水ハウス、積水化学工業の子会社がセキスイハイムということで、全く無関係の別会社というわけではないようです。
ところで賃貸住宅となると積水ハウスのシャーメゾンなどの人気というか注目が強すぎてセキスイハイムとなるとあまり目立たない住宅メーカーというイメージがあります。
シェアにおいても賃貸住宅二位の積水ハウスに対してセキスイハイムはかなり下位になります。(一位は大東建託)
そのようなセキスイハイムですが、賃貸住宅もちらほらと見かけることができます。(セキスイハイムの賃貸住宅はハイムメゾンといわれています)
それではセキスイハイムの賃貸住宅にはどのような特長があるのでしょうか。
まずメリットですが一般的にはセキスイハイムの賃貸住宅の家賃はシャーメゾンなどと比較して
リーズナブルな家賃
だと言われています。
しかも礼金や更新料も高くはないようです。
ですからお財布には優しい賃貸住宅といえるかもしれません。
さらにお部屋の設備面でも生活していくううえでは十分なものが設置されているようです。
しかし全体的には積水ハウスや大和ハウス工業の賃貸住宅よりもシンプルといった感じかもしれません。
シャーメゾン 最悪の住環境でも満室

ある用事があって、幹線道路沿いを歩いていた時のことですが、1階に2戸そして2階に2戸の合計4戸のアパートが見えてきました。
この幹線道路、片側2車線の合わせて4車線の道路です。
交通量は多く、路線バスやトラック、ダンプなどもけっこう通る道路で、おそらくは昼だけでなく真夜中も、そこそこの交通量がある道路です。
騒音が日夜絶えないような、住環境としては最悪の場所です。
しかも車やトラックの排気ガスも相当この道路沿いでは充満しているのではないかと思えるような環境です。
通常であるならば、このような場所に住みたくはありません。
こんな場所にどこの建設会社がアパートを建てたんだろうと思い、アパートの前に来てみると、
シャーメゾン
と書かれているではないですか。
そうです。
あの積水ハウス施行のアパートだったのです。
積水ハウスはたしか立地の悪い場所にはアパートマンションを建てない建設会社じゃなかったのかと考えていましたが、例外的な物件もあるようです。
以前は散髪屋があったところですが、閉店のあとに土地のオーナーが積水ハウスでの賃貸住宅を強く希望したのかもしれません。
ところで立地的には不満の多いアパートですが、見たところ4室すべてに入居者がおり満室状態になっています。
新婚に人気のシャーメゾン 審査は? 費用は?

シャーメゾンといえば積水ハウスの賃貸住宅です。
私の小規模マンションがあるエリアにも、シャーメゾンは幾つかあり、常時ほぼ満室状態となっています。
以前に近くのシャーメゾンで、竣工間近の前に内覧会を開催していましたが、20~40歳台の比較的若い世代のカップルが数組も来場していました。
子育て前の新婚カップルにとても人気があるようです。
積水ハウスのウェブサイトにもシャーメゾンについて
「シャーメゾン」は、戸建住宅レベルの品質と住み心地を提供する積水ハウスの賃貸住宅です。住宅メーカーならではの快適性や安全性で、上質な暮らしをお届けします。
引用:https://s.shamaison.com/about/index.html(アクセス日2020/3/8)
と書かれていて、とにかくシャーメゾンに住むならば快適で安全、そして高品質な住居で上質な暮らしを楽しむことができますよと宣伝しています。
おそらくは家賃も多少高めだと思いますが、その分、質の高い生活を送ることができますよということなのだと思います。
鉄道で言うならばグリーン車を利用するような感じなのでしょうか。
ところでシャーメゾンですが、入居するためには入居審査があります。
レオパレス21よりも質が悪い 積水ハウス経営の内紛

最近はレオパレス21現経営陣と旧村上ファンドの経営権を巡る確執のニュースが報じられています。
この件は、今後どうなるかわかりません。
ひょっとしたら旧村上ファンドがレオパレス21の経営権を獲得し、レオパレス21の大改革が行われるかもしれません。
ところで以前に書いた記事
では海外の投資家の間では、積水ハウスの経営陣のなかでの内紛が、コーポレートガバナンスの問題ととらえていることについて書きました。
そもそも2018年の巨額詐欺の被害にあってから、積水ハウスの経営陣では内紛が生じており、今もそれが問題だというのです。
正直のところ過剰反応じゃないかとも思っていましたが、ところが今になって積水ハウスの経営を巡る内紛が再び激しくなっているようです。
というのも産経新聞2020年2月17日の「積水ハウス前会長、現経営陣の刷新求め株主提案」という記事には
積水ハウスに事実上解任された和田勇前会長が17日、東京都内で記者会見し、今年4月の定時株主総会で、自身を含む11人の取締役候補者の選任を求める株主提案を行うと発表した。
引用:https://www.sankei.com/economy/news/200217/ecn2002170035-n1.html(アクセス日020/2/20)
と報じました。