銀行の借り換えには多額の費用がかかる しかし長期的には・・
住宅ローンでもアパートローンでも、借りている銀行を換えることができます。
一般に借り換えといいますが、よく知られている借り換えのパターンとしては、住宅ローンを当初は地元の信用金庫から借りていたのを、数年後には地方銀行か都市銀行に換えるというケースです。
結果として利息支払い分がかなり安くなったというパターンです。
昔からお金を借りる時の原則は最初は都市銀行にあたり、ダメだったら次に地方銀行にあたり、地方銀行もダメだったら信用金庫という順番であたるという原則があります。
つまりは金利の低い金融機関から順番にあたっていけということなのです。
筆者の父もマンション経営を始めたころは、都市銀行も相手にしてもらえず、結局は外資系のノンバンクのようなところで借りはじめたのが、最初です。
それから5年ぐらい経過したのちに、ある都銀から借り換えの勧誘を受け、借り換えの審査を受けることに。
最初の審査は2次審査で落とされましたが、1年後にもう一度トライし、今度は合格しようやく都市銀行から借り入れることができるようになりました。
結果として利息支払い分が年間100万円ほど圧縮することができるようになったのです。
銀行への返済額の理想は収入の30~35%以内?
銀行からローンを借りて物件オーナーになる場合は、銀行への返済額に注意しなければなりません。
一般に住宅ローンの場合は収入の30~35%以内の返済額が理想的と言われています。
ということは年収が500万円ならば、500×0.35=175
年間の金利分を含めた返済額は175万円。
つまりは月額14万5000円までが理想的になるということです。
ところでこの原則は直接はアパートローンの場合にはあてはまりませんが、ある程度の目安にすることができるかもしれません。
例えば家賃収入が年間500万円の物件があるとするならば、年間の銀行への返済額は
500×0.3=150
年間の銀行への金利分を含めた返済額は150万円まで。
ということは1カ月の返済額は12万5000円までが理想ということになります。
これが家賃収入が2倍の1000万円となると、返済額も2倍の35万円までが理想となります。
それではどれくらのお金を実際に借りることができるかというてんですが、民間の銀行とフラット35で多少の違いが生じます。
フラット35の場合は35年固定金利で金利も民間の銀行よりも低めです。
例えば金利が2%ならばどうなるでしょうか。
銀行から融資を受けることが容易でない場合にどう対処する?
アパート経営をするためにはどうしても最初に高額の資金が必要となります。
自己資本がたくさんあるならば、さほど問題にはならないかもしれませんが、自己資本が不足している場合、あるいは比較的大きなアパートを建てたり買ったりする場合は多くの場合、銀行からの融資を必要とします。
そのためには銀行に足を運び、融資のお願い回りをしなければならないかもしれません。
このてんで何行も足を運び何行も融資を断られたあげくに、ようやく融資に応じてくれる銀行を見つけることができたという方もおられれるようです。
一方で筆者のように、相続でアパート経営を受け継いだ場合は、これまでの取引銀行から引き続き融資を受けることができる可能性は高いと思います。
もちろん相続の場合でも銀行は再審査を行いますので、収入等の必要書類の提出が求められます。
あまりにも問題がある場合は、相続の場合でも融資を断られるかもしれません。
ところでアパート経営の実績がなく始める場合は銀行も融資することに多少慎重になります。
当然のことです。
それで最初は融資を受けるために銀行を何行も回る場合があるかもしれません。
ではどうすれば有利に銀行と交渉を行い融資をひくことができるのでしょうか。
銀行が事業性ローンよりも住宅ローンを優遇するのはなぜ?
銀行のローン融資にも、様々な種類があります。
多くの方が、関係している住宅ローンを始め、事業者への融資、大企業への融資、そして大家さんの多くが借りているアパートローンがあります。
ところで銀行融資の金利でなぜ?と思っていた事柄があります。
それは事業性ローンと比べて、なぜか住宅ローン金利は低いのです。
例えば、ある都銀ではアパートローンの変動金利は1%半ばぐらいですが、住宅ローンとなると変動金利が借り替えで0.7%といった感じでぜんぜん低いのです。
事業性ローンよりも0.5~1%も低いのです。
なぜなのでしょうか。
確かに住宅ローンは比較的安全な融資です。
債務者が仕事をしていて安定収入があり続けるならば、返済ができなくなるということはほとんどないことでしょう。
また債務者に万が一の事が生じても団体信用保険をかけているので銀行が損失を被ることはありません。
しかしリスクがないわけではありません。
もし債務者が勤め先からリストラされて収入がなくなった場合どうなるのでしょうか。
その場合は団信による保証もありませんし、返済ができなくなる可能性があります。
一方でアパートローンの場合はどうでしょうか。
賃貸住宅経営のために融資をしてくれる金融機関も様々
アパート経営を行うために、アパートローンを借りる人は少なくありません。
そしてアパートローンを提供してくれる金融機関も様々です。
どんなところがあるでしょうか。
まずは都市銀行:東京三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそなその他の大手信託銀行がそれにあたりますが、なんといっても魅力は金利の低さです。
ネット銀行でアパートローンを扱うようになるならば、ネット銀行のほうが金利は低くなるかもしれませんが、現時点ではアパートローンは都市銀行で借りるのが一番、金利を低くおさえることができます。
例えば、りそな銀行でしたら30年変動金利で、だいたい1.5%前後ぐらいでしょうか。(融資状況によって提示する金利が異なる場合がありますので、借りる前に金利を確認してください)
しかし審査が厳しいのと、融資を受けるまでに時間がかかること、融資を受けた後も、度々財務状況のチェックを受けることがあります。
次に地方銀行があります。
筆者自身、地方銀行との取引がないので詳しいことはわかりません。
ただ地方銀行といえばやはり都市銀行よりも敷居が低く、融資条件もやや緩いといえるかもしれません。
ただデメリットとしては、金利が都市銀行よりもやや高いこと、その地方銀行の地元でなければ融資を受けることができないなどのデメリットもあります。
銀行サイドからして賃貸住宅経営を推奨したいエリアとは
以前のことですが、誤解もあったのですが、アパートローンを借りている、りそな銀行に不快な思いをさせられた事があったので、電話で苦情を言うと、すぐに担当支店の支店長が電話をかけてこられて、その日のうちに謝罪のために訪問して来られました。
いずれにしても円満に事は収まって私も気持ちがすっきりしましたが、この時に不動産の話をすることもできました。
今回の支店長さん、どうやら不動産についてもある程度、詳しいようで、いろいろな話が出てきました。
まず地方でアパート経営をする話になると・・。
支店長さん言わく「地方では空室がなかなか埋まらないということがあるので・・」
とのことです。
つまりは地方でのアパート経営は厳しい、ということでこのような状況でアパートローンを組むことは難しいということのようでした。
さらに「土地の価格が上がっているようなエリア、人口が増えているような人気のエリアならば・・」といった口ぶりです。
つまりは裏を返して言えば、土地価格が下がっているようなエリア、人口が減少し続けているようなエリアでのアパート経営には協力できないということのようです。
住宅ローンよりもアパートローンのほうが安全と言える理由は
アパートマンション事業を始めるとなると多額の資金が必要にになります。
例えば土地はもともと所有していてもRC造り4階建てのマンションを建てるとなると少なくとも1億円はかかります。
さらに土地も購入するとなると、都心部になると何千万あるいは数億円がプラスされることになるかもしれません。
もちろん地方で小さなアパートを造るとするならば、さほど費用はかからないと思います。
ところで資産家であるならば借り入れをしなくてもアパート事業を始めることができますが、そうでない場合は通常、金融機関から借り入れて事業を始めることになります。
そして
アパートマンションローンは事業性ローンになります。
実際のところ銀行は、住むための家やマンションを買うための住宅ローンとアパートマンション事業を行うために融資を受けるためのローンとを区別しています。
例えば1つのアパートマンションを建てるためのローンはそれに該当しますが、住むためではなく投資目的で1部屋を買うためにローンを組む場合もアパートマンションローンになるようです。(金融機関によって対応が異なるかもしれません)
ところで事業をあまり経験していない場合、お金を借りということに抵抗を感じるかもしれません。
ましてアパートマンションローンを組む場合、場合によったら1億円以上借入れることになる場合もあります。
金利交渉で金利下げといっても金利優遇幅を拡大してもらうということ
以前の記事にも書きましたが、アパートローンを借りている、りそな銀行の担当者から連絡がああり、金利を下げてもらうことになりました。
といっても金利下げによって浮いたキャッシュで医療タイプの生命保険に加入し生命保険料を支払うことになるわけです。
まあ悪い話ではないので承諾することにしたのですが、これまでよく知らなかったのですが、銀行が金利を下げてくれるといっても基準となる金利が下がるわけではなく、債務者の状況によって設定されている優遇金利幅の拡大という形での金利下げです。
この金利優遇幅ですが、借り換え時や、住宅ローン、そしてリスクがほとんどないような債務者には金利優遇幅が大きくなる傾向があるようです。
そして手続きが開始されたわけですが、とにかく手間と費用がかかります。
まずは支店レベルで、特定の債務者の金利優遇幅の拡大について検討し、準備が始まります。
その後、アパートローン債務者宅を支店の行員が訪問し、金利優遇幅拡大についての説明があります。
まあ金利が下がるわけですから、たいがいは説明を聞いた後、承諾することになると思います。
その後、支店の行員は金利優遇幅拡大についての稟議を支店外にある融資担当部署にかけます。
賃貸住宅経営で事業計画書の作成が求められることがある?
アパート経営を始めるきっかけは、相続税対策だったり、土地活用の場合もあるかと思います。
さらには資産継承でアパート経営を引き継いだ方も少なくないと思います。
筆者の場合も亡き父からの資産継承でアパート経営を行うことになりましたが、それまでは、ある意味で気楽な給与所得者だったのが、アパート経営を相続したとたんに個人事業者になり、アパート経営について個人的に勉強し始めたり、節税について勉強したりと、これまでは未知の分野について、いろいろと学ぶことになりました。
多くの事柄は不動産管理会社が行ってくれるとはいえ、やはり事業の責任は大家が負っているので、無知ではよくないですし、破産している大家もいるという事実からして、やはり責任感を持ってアパート事業を行っていく必要があります。
ところで事業となると、銀行からの融資を受けることが多いと思いますが、アパート経営でもアパートローンを受けている方が多数ではないかと思います。
この銀行からの融資を受けるためには事業計画書のようなものを提出する場合が多いかと思いますが、アパート経営の場合は特にそのようなことをしなくても、家賃収入の見込みなどを示すことや、預貯金などがある程度あるならば、事業計画書を作らなくても融資をしてもらえるものです。
しかし事業計画書がなくても、それに準ずるようなことを頭に描いてアパート経営を行っていくならば、より楽しくしかも効果的に事業を行っていくことができるのではないかと思います。
銀行からローンを借りること インフレでは得することになる?
借金をすることに抵抗感のある方は少なくないと思います。
借金をすると、それが人生の重荷のように感じることがあります。
とくに賃貸アパートやマンションを所有しているオーナーさんの多くが銀行からアパートローンを借りて、賃貸住宅事業を行っていると思いますが、毎月の返済を、うっとしく思っているかもしれません。
しかし、考えようによっては、多額な借金をして、賃貸住宅経営をすることが、お得になることがあります。
どのようにでしょうか?
それはインフレになった時です。
インフレについてウィキペディアには
インフレーションの一般的な指標はインフレ率で、一般物価指数(通常は消費者物価指数)の長期的な変化率を年率換算したものである。
と書かれていますが、日本の場合は、毎月公表される消費者物価指数でインフレを図ることができます。
つまりは物価が全体的に上がるのがインフレです。
一方で物価が上がると、通貨(日本の場合は円)の価値が下がります。
つまりは、インフレになると、通貨の価値が下がるわけですから、借入金額の価値も下がることになるということになります。