入居者仲介において大きな力になるのは結局は資金力?
以前の事ですが、賃貸住宅最大手の大東建託の営業マンとお話する機会がありました。
大東建託といえば管理戸数が100万戸以上と現在ではUR賃貸住宅の管理戸数を上回る、トップの賃貸住宅会社です。
しかも全国の入居率の平均が95%以上を上回るという高入居率を維持しています。
このてんで直接、大東建託の物件の入居者仲介を行っているのはグループ会社の大東建託リーシングですが、しかし店舗数は決して他の大手の不動産仲介会社よりも多いということはありません。
そこで地元に店舗を構える不動産仲介会社に、入居者仲介の依頼を行うことになるわけですが、このてんを管轄しているのは大東建託物件を管理している大東建託パートナーズです。
この大東建託パートナーズが、地元の不動産仲介会社に大東建託パートナーズ管理の物件の入居者仲介の依頼を行っているわけですが、地元の不動産仲介会社が優先的に大東建託パートナーズ管理の物件をお客さんに紹介してもらうかどうかの鍵を握っているのは結局のところ大東建託の営業マンの話では
お金なんだそうです。
つまりは他社よりも、より多くのお金をかけて優先的に紹介してもらえるようにしてもらうことなんだそうです。
サブリース業界が将来を楽観できない理由😟郊外での空室が上昇
以前に書いた記事で
予測がつかない今後のアパートマンション経営
という記事がありますが、2017年7月21日の東洋経済誌の「「賃貸住宅市場が危ない」、日銀が異例の警鐘
金融緩和による住宅過剰、物価を下押し?」記事の内容からそのてんについて指摘するものでした。
しかし賃貸住宅最大手の大東建託ががそのようななかでも高入居率の維持ができるとの自信は、それなりの根拠があって述べている事柄なので、大東建託のアナウンスとおり数年は大東建託は高入居率を維持できるのではないかと思われます。
しかし東洋経済誌は気になるてんを指摘しています。
例えば、この記事にはトヨタ自動車などが出資する不動産評価・情報提供会社「タス」の見解を取り上げていますがそれによると
首都圏では東京都心部はさほどでもないが、埼玉や神奈川、千葉の各県で特に2015年後半以降、空室率が急上昇している。
と述べて、都心部でない
郊外における空室率の急上昇に警鐘を鳴らしているのです。
つまりは東京、大阪、札幌などの主要都市の都心部ならば、まだ高入居率を維持できるものの、郊外となると空室リスクに警戒しなければならないというのです。
郊外に多くの管理物件をかかえる大東建託にとっては油断のならない傾向といえるでしょう。
賃貸住宅で大家を破綻させないシノケングループとは?
シノケンGという会社名を聞いたことがあるでしょうか。
関東を中心とした不動産投資のための不動産かつ建設会社のようです。
関西では、ほとんど聞きません。
筆者も会社名を聞いたことがあっても、どんな会社なのかはほとんど知りませんでした。
そこであることを機会に調べることがあったのですが、なんとシノケンGが販売してきたアパートは5000棟ほどあるようですが、これまでのところ経営破綻したものは、あまりないんだそうです。
これは本当にスゴイです。
ところで、シノケンGのビジネスモデルは大東建託のように地主さんをターゲットにしたものではなく、土地を持たない会社員や公務員をターゲットにして土地購入とアパート建設への投資を行ってもらうというものなんだそうです。
宣伝文句は退職後の老後の支えのために不動産に投資するのはどうですか?といった感じのものではないかと思います。
ところでこのシノケンGの物件、破綻ゼロの強みはどこにあるのでしょうか。
このてんでMONEY VOICE2018年10月4日の「シノケンG Research Memo(5):不動産販売事業をコア事業に、M&Aを活用しながら周辺事業領域を拡大中(4) 」という記事には
創業来約28年にわたり、同社グループが販売してきた5,000棟以上のアパートで経営破綻を起こしたことは一例もない。高い入居率を維持してきたこと、アパートローンは変動金利だが、創業来、総じて低金利が続いてきたことなどによる。高い入居率の維持を可能としているのは、1)全国主要都市圏の市街地で駅から10分圏で賃貸需要が確実に見込めるエリアに限って物件供給をしてきたこと、2)若年層に訴求するデザイン性に優れた物件を供給してきたこと、3)狭小地や変形地などを生かすプラニング力に優れ(木造はプレハブに比べ土地の形状に合わせて設計しやすい)、比較的用地を安く取得してきたこと、4)大手ハウスメーカーに比べ建築費が安いため競争力の高い家賃設定が可能なこと、などによる。
引用:シノケンG Research Memo(5):不動産販売事業をコア事業に、M&Aを活用しながら周辺事業領域を拡大中(4)
と書かれています。
賃貸住宅の近くに学校や幼稚園があるとうるさく感じることがある?
賃貸住宅の立地が良いかどうかを判断するうえでチェックすべき事柄があります。
それは
・よからぬ事務所などが近くにあり怖そうな人たちが行き来しているか。
・ガソリンスタンドや強烈な匂いが四六時中する飲食店がすぐ近くにあるだろうか。
・治安はどうだろうか。駅から物件までの間を晩でも安心して行き来できるだろうか。
・閑静だろうか。夜遅くまで騒ぐような居酒屋や、大型のトラックが行き来する通りに面していないだろうか。
といったてんを確認する必要があります。
さらにチェックできる事柄があります。
その1つが近くに学校や幼稚園があるかというてんです。
というのも学校や幼稚園が近くにあると日中はうるさいからです。
もしも何らかの行事、例えば運動会などが、学校で行われるならばその日は相当にうるさいでしょう。
大規模修繕工事は節税メリットを考えるならば怖くない
大規模修繕工事。
マンションオーナーであるならば幾ら出費しなければならないかと心配になるものです。
しかし節税という視点から見れば気が楽になります。
そのことについて書いてみました。
ところで4月中旬になってからですが筆者のマンションと同じ区画にあるほぼ同規模のマンションに足場がかけられました。
大規模修繕工事の始まりです。
2003年完成のマンションなので、13年にしての大規模修繕工事です。
もちろんマンションオーナーの筆者にとって他人事ではありません。
いずれ筆者の物件も数年後には行わないといけないからです。
ところで父からマンションオーナーの立場を継承した時に、不安を感じていた事柄が2つあります。
- 将来家賃が下落し家賃収入が減ること
- 大規模修繕工事で多額の出費が求められること
この2つの事柄に不安と恐怖のようなものを抱いていました。
しかし時とともに考え方も変化し、2つ目の大規模修繕工事については、積極的な見方を持つようになりました。
節税という視点からは大規模修繕工事を行うことにはメリットがある
そうなんです。小規模事業者にとって必須の節税対策では大規模修繕工事は大きなメリットがあります。
例えば大規模修繕工事に仮に800万円かかったとします。
この800万円は不動産の収支では、減価償却か修繕費かのいずれかで計上することになりますが、原状回復目的の場合は修繕費で計上することができます。
すると800万円を不動産経費に計上するので不動産収支は大赤字になります。
この赤字は他の所得とも相殺しますが、それでも全体の収支は0円つまり課税所得は0円になり所得税、住民税は0円になります。
さらに国民健康保険料を支払っているならば、保険料も大幅に安くなることでしょう。
さらに・・
アパートの施工不良のための退去の場合に請求できる費用
近年は住居の信頼が揺らいでいます。
というのも2019年になってレオパレス21のアパート施工不良に始まり、大和ハウス工業までが一部の物件が不備物件だったことが明らかになったからです。
積水ハウスや大東建託の物件では今のところ、同様の問題が発覚していませんが、将来的には何が生じるかわかりません。
ところで施行業者の明らかな施工不良の場合は、施工業者が改修工事等を行うことによって、その責任を取ることになりますが、この場合、その住居に住む入居者も改修工事期間、仮の住まいに移るか、あるいは退去して他の物件に引っ越すことになります。

レオパレス21のアパート群。
この場合に入居者は、施工業者(管理会社)に、そのためにかかる費用等を請求することができます。
では具体的には、どのれぐらい請求できるのでしょうか。
まずは一時的に改修工事期間の間に仮住まいをする場合について取り上げてみますが、この場合は一時的にホテル等に仮住まいをするならば、その費用を請求することができるでしょう。
もちろんだからといって高級ホテルなどに仮住まいできるわけではありませんが、管理会社と協議のうえで仮住まいする所をきめて、どれぐらい費用負担してもらえるのかを、はっきりとさせておくことができます。
賃貸住宅経営において市街地の土地所有者とそうでない場合の違い
筆者も父からアパート事業を相続して随分の期間が経過しました。
筆者のように相続という形でアパート事業にかかわるようになった方は少なくないと思います。
しかし一方であくまでもビジネスという観点で、アパート事業を始める方もおられるのではないでしょうか。
最近はワンルームマンション投資がはやっているようですが、ここで取り上げる事柄はワンルームマンション投資の事ではありません。
なぜならば
アパート事業を始めるならば遊休地の土地所有者が最適
といえるからです。
といのもアパート事業を始めるために土地を買い、そしてアパートを建てるとなると、相当の費用がかかるからです。
特に、人口密集地の土地価格は相当なもので、土地を買いアパート事業を始めるとなると、初期費用を回収するのに相当の年月がかかります。
生きている間に回収できないかもしれません。
土地転がし目的で売買することが目的ならば別として、あくまでも純粋にアパート事業を行う場合は、高額な費用をかけて土地を買ってアパート事業を始めることは、おすすめできません。
一方で、遊休地を持つ土地所有者は、もし人口密集地にそのような土地があるとすると相当の固定資産税がかかることが考えられます。
そのような場合、固定資産税対策としてアパート事業を始めてみることを検討することができるかもしれません。
中規模までのアパートでしたら銀行も土地を担保にして、比較的手ごろな金利で融資してくれることでしょう。
建築基準法違反の場合でも刑事罰の対象になりえることがある
刑事事件を捜査し適正な裁きを求めるのが検察庁の役割です。
検察庁の特捜部となると、政治家や巨額な脱税などを捜査し、大物政治家などが、政治生命を絶たれるほどに追求されることがあります。
いずれにしても、検察庁に睨まれるということは、尋常なことではありません。

レオパレス21のアパート群。
ところでアパート施工不良問題で、オーナーによる不信感を招いているレオパレス21ですが、オーナーから東京地検に告訴(厳密には今回は捜査の嘆願)されていたことがありました。
ニコニコニュース2019/9/25の『「レオパレスを建築基準法違反で捜査して」 オーナーが東京地検に嘆願書』の記事には
アパートの建築請負・賃貸を手がける「レオパレス21」(東京)の施工不良問題で、岐阜県のオーナーが9月25日、同社を建築基準法違反で捜査するようもとめる嘆願書を東京地方検察庁に提出した。このオーナーの親族が同日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見して公表した。・・嘆願書は、「同社による法令違反行為に厳粛に向き合うとともに、類似被害の防止という観点からも、未完成の公訴時効が漫然と完成することは、一人のオーナーとして到底看過できません」として、東京地検に捜査をもとめている。
「レオパレスを建築基準法違反で捜査して」 オーナーが東京地検に嘆願書 | ニコニコニュース (nicovideo.jp)
と報じています。
賃貸住宅経営はインフレに強いとも言われていますが現実は・・
以前、大東建託の家賃査定担当の社員が話しておられたのですが、インフレになると、家賃も値上がりになると言っておられました。
この時には、本当にインフレになれば家賃も値上がりするとのかと半信半疑でしたが、考えてみるとインフレとは物価全体が値上がりして、お金の価値が下がる状態ですから、家賃も物価の一部と考えると大東建託の家賃査定担当の社員の言われるとおりなのかもしれません。
ところで需要と供給の視点からするならば、インフレになっても家賃が上がるということは、あまり期待できないでしょう。
今は空室率20%の時代ですが、近い将来は30%にもなるともいわれています。
ということは物価は全体としては上がったとしても
家賃は賃貸住宅供給過多のための上がらない
上がるどころが、インフレ時でも下がるかもしれません。
もちろんアパートの立地エリアによるとは思いますが、余程の人気エリアのアパートならばインフレ時、デフレ時でも家賃が上がることもあるでしょう。
ところで専門的な見方によるならば、平均的にですがインフレ時に家賃が上がるというのは事実なんだそうですが、しかし上がるとしてもゆっくりとしたテンポで、しかも家賃は最後の段階になるんだそうです。
トイレと浴室が一体型のワンルームマンションの家賃が驚くほど安い
最近は鉄筋コンクリート造りの賃貸マンションで極端に家賃が安い物件を目にするようになってきました。
2万円台、3万円台といった物件です。
以前は築古で建て替え寸前の木造住宅などで、この水準の家賃の物件がありましたが、最近は鉄筋コンクリート造りにも見られるようになっています。
たいがいはワンルームマンションで、しかも部屋の広さが十分とはいえないマンションです。
部屋が広ければそれなりに家賃も高くなる
当然のことといえば当然のことですが、部屋が広くなれば、それなりに家賃も高くなっていきます。
部屋が広く、それなりの設備が整っているならば、1人暮らし向きの部屋でも家賃は5万円台、6万円台と上がっていきます。
ところで2万円台、3万台のワンルームマンションの大きな問題点があります。
それはおそらくそのようなマンションは部屋が狭く収納スペースも十分ではないというてんです。
収納スペースが十分ではないということは・・荷物が部屋に入りきらないということになります。
するとトランクルームを別に借りなければならないかもしれません。
例えばライゼボックスならば平均で1万円ぐらい月額料を支払わなければならないでしょう。
つまり家賃は3万円台でもそれにトランクルーム代が加算されることになるのです。
しかも、すぐ近くにトランクルームがあれば良いでしょうが、部屋から幾らか離れた場所にしかなければ大変不便ではないでしょうか。
さらにお風呂とトイレが一体型になっているユニットバスが採用されているケースが多いことでしょう。
しかし最近の傾向としては、賃貸住宅においてユニットバスは人気がなく、敬遠されることもあります。

