ビレッジハウスがレオパレス21物件の仲介に力を入れ始める

経営再建中のレオパレス21ですが、とにかくレオパレス21物件の入居率が芳しくありません。
私の自宅の近所にも、レオパレス21パートナーズの店舗がありますが、昔は店舗内にお客さんが入店しているのをよく見かけましたが、あのアパート施工不良事件以降は、店舗内にお客さんが入店しているのを、ほとんど見かけることがなくなりました。
やはりあれだけメディアによって、レオパレス21のアパートが叩かれると、あのアパートに住みたいと思う人もあまりいなくなったのかもしれません。
ところでレオパレス21の経営が改善されるためには、やはり入居率を改善することが必要最低条件ともいえます。
実際のところレオパレス21と同じ一括借り上げで、賃貸住宅を行っている大東建託や積水ハウス、大和ハウス工業の賃貸住宅の入居率は90%以上を維持しているようです。
またコロナ渦にあっても、さほど入居率は下がっていません。
その一方で。レオパレス21の入居率はコロナ渦、入居率がずっと80%を下回っています。
そこで少なくとも、入居率を80%以上にもっていく必要があるようですが、その一助になるかもしれないニュース記事がありました。
海外事業からの撤退を加速させるレオパレス21

建設会社にしてみれば、国内事業だけでは限りがあるので、会社の成長のためには海外事業が必須となっています。
実際のところ大和ハウス工業や積水ハウスなどは、積極的に海外事業を展開しています。
大手ゼネコンなども、海外でホテルやビルディングの建設を手掛けています。
昔のことですが、フィリピンのマニラでトップクラスのホテルに泊まったことがありますが、このホテルは日本の大手ゼネコンが建てたとのことでした。
戦争ではフィリピンから撤退したものの、その後、フィリピンでは日本資本はアメリカ資本と並んで強力な影響を及ぼしているようです。
ところで経営再建中のレオパレス21ですが、海外事業からの撤退を加速させているようです。
このてんで日本経済新聞2021/1/18の「レオパレス21、ベトナムの不動産子会社売却」というタイトル記事が掲載されました。
この記事にも書かれていますが、ベトナムにあるエネルギーと不動産の子会社の売却が決まったとのことです。
さらにグアムやタイにあるリゾートホテルの売却も行う予定で、海外事業からの撤退を進めていく予定です。
おそらくは売却で得た資金を経営再建資金へと振り分けるのだと思いますが、このことによって成長よりも再建を優先させる方針であることを明確にしているようです。
改修工事の完了が2024年末 レオパレス21

2020年10月、ソフトバンク系の米ファンドによる救済発表時に、240円台まで高騰したレオパレス21の株価が、それから下がり続け2020年12月の年末には120円台にまで下がり続けています。
株価がさえない理由としては、なかなか進まない施工不良物件の改修工事があるようです。
ところでこの改修工事の今後の予定ですが、そのてんについてレオパレス21が公表した事柄が日本経済新聞に掲載されています。
記事によると
経営再建中のレオパレス21は25日、2021年1月以降の施工不良物件の改修工事計画を発表した。15万戸強が残る改修必須の重大な施工不良物件について、まず21年6月までに6千戸程度を実施。対象物件の状況を確認しつつ、24年末までに重大な施工不良物件の改修工事を全て完了させる計画だ。
引用:レオパレス、24年末までに改修完了へ :日本経済新聞 (nikkei.com)(アクセス日2020/12/26)
と書かれています。
このように明らかになったのは、すべての物件の改修工事の完了は2024年末になること。
ただし対象となるのは、重大な施工不良物件のみで、軽微な施工不良物件の改修工事はさらに先送りされるようです。
さらに現時点で重大な施工不良物件で改修工事が完了しているは、4万戸で、残り15万戸強の物件の改修工事を2024年末までに終わらせるという計画のようです。
アパートオーナーの賃料改定が再開 レオパレスオーナーの

2019年春に、深刻な施工不良が発覚した、レオパレス21のアパート。
来春であれから2年になろとしています。
ところでこの事件があまりにも衝撃的だったので、レオパレス21のアパートオーナーもかなりのショックを受けたことでしょう。
またレオパレス21の事業もアパートオーナーあっての事業なので、アパートオーナーの動揺を抑えるためにレオパレス21は特別に、2年間は賃料改定を行わないということを決めました。
つまりは空室がどんなに生じても、周辺の家賃相場がどんなに下がっても、レオパレス21がアパートオーナーに支払う賃料は減額しないということです。
レオパレス21は、アパートオーナーとのこの約束をどうやら守っていたようです。
しかし、この2年間がもうじき終了しようとしている今、レオパレス21がどうするのか気になるところでしたが、日本経済新聞の2020/12/21の記事によると
経営再建中のレオパレス21は賃貸アパートのオーナーとの間で、保証する賃料の見直し交渉に入る。12月上旬から説明を始めており、2021年春以後に更新時期を迎える物件について、多くのオーナーに対して減額要請をする方針だ。同社は18年に発覚した施工不良問題をきっかけに業績が悪化。米投資ファンドの資金提供を受けテコ入れを進めているが、物件の入居率低迷が負担になっている。
引用:レオパレス、家賃保証額下げへ交渉 入居率が低迷 :日本経済新聞 (nikkei.com)(アクセス日2020/12/21)
と報じました。
ソフトバンク系の米ファンドの貸出金利が驚異の14.5%?

事業者にとって銀行からの借入金は必須なものです。
私も小規模マンションオーナーですが、銀行からの借入金があります。
そして銀行とは上手につきあい、不動産賃貸業を安定させたいと考えています。
ところで銀行からお金を借入れると、ローン金利がかかりますが、不動産賃貸向けの場合では、今は0~3%ぐらいではないでしょうか。
変動金利で借入れているならば1%前後も珍しくないのではないかと思います。
ところで、経営破たんの危機に直面したレオパレス21ですが、ソフトバンク系の米ファンドの資本投入により、経営破たんは回避できました。
しかし米ファンドも、巨額の資本を投入したからには、その見返りを求めてきます。
その見返りとは何でしょうか?
このてんで財経新聞2020/11/27には「ソフトバンクG傘下企業が「レオパレス21」に求める14.5%の貸出金利、支援と呼べるのか?」という衝撃的なタイトル記事が掲載されていました。
その記事によると、レオパレス21は総額572億円の拠出を受けたものの、そのうち300億円は新株予約権を付した融資となり、その金利は14.5%だというのです。
個人の賃貸住宅オーナーで、アパートローンの金利が14.5%だとすると、おそらくは家賃収入の多くが金利分の支払いにあてられることになり、賃貸住宅経営は火の車状態になってしまいます。
ソフトバンクによるレオパレス21の救済 勝算はあるのか?

経営破たんもありうると言われるぐらいに窮地にあったレオパレス21.
しかしソフトバンク系のアメリカファンドによる救済によって経営破たんは当面免れました。
しかしそれでも、アパート全体の入居率は80%割れの状態で赤字。
さらに施工不良工事のために、さらに1000億円が必要だとも言われ、健全な経営状態にはほど遠い状態が続いています。
そんななか、レオパレス21のメインバンクは、りそな銀行、三井住友銀行、みずほ銀行だったようですが、りそな銀行や、三井住友銀行は打つ手なしといった感じで、再建や救済には、消極的だったといわれています。
そのなかでも、みずほ銀行のみが最後まで、レオパレス21に役員を送っていたようですが、ソフトバンク系に米ファンドによる救済が決まり次第、みずほ銀行の役員もレオパレス21から退任するようです。
ということはソフトバンク系の米ファンド主導による、経営再建が行われていくということですが、どれくらいの勝算があるのでしょうか。
過去においても、経営が傾いた大企業をメインバンク主導で、再建されたケースは幾つもあります。
しかしレオパレス21の場合は、メインバンクも、もはや再建の道筋が見えにくく、手を引かざるをえないほど、ひどい状態だったようで、まさに末期癌の患者のような状態だったのかもしれません。
りそな銀行や三井住友銀行は最悪のシナリオ、レオパレス21の経営破たんにどう対処するのかについての検討も行われていた可能性もあります。
入居率が上昇しないレオパレス21 コロナも影響

ビレッジハウスを運営するファンドの支援を受けながら健全な経営を目ざすレオパレス21ですが、2020年10月の入居率が明らかになりました。
全国賃貸住宅新聞の2020/11/16には「レオパレス21、10月入居率、77%台へ悪化」というタイトルの記事によると
レオパレス21(東京都中野区)が6日に開示した月次データで、約57万戸を管理するアパート入居率が77.46%だったことが分かった。減少は4月から数えて7カ月連続で、2018年春先に明るみに出た施工不備問題の発覚以来、最も低い数値を更新している。
引用:https://www.zenchin.com/news/211077.php(アクセス日2020/11/16)
と書かれています。
今回も入居率を80%以上になることなく、7カ月連続で、80%未満となり、レオパレス21の管理業務の赤字状態は継続しているようです。
全国で約57万戸という膨大な管理戸数で、入居率がせめて90%を超えるならば、管理業務において、安定した収益を得て、健全な経営へと戻ることができるものと思いますが、そうなるのもまだまだ先のことになりそうです。
ところで長引くレオパレス21の入居率の低迷ですが、その要因は、施工不良問題だけでなく
コロナも影響
しているようです。
ビレッジハウスを運用する米ファンド レオパレス21支援の狙いは?

ダッチロール状態だったレオパレス21を支援したソフトバンク系の米ファンドですが、ファンドの巨額投資のおかげでレオパレス21そのものは経営破たんを免れることになりました。
ところでこの米ファンド、フォートレス・インベストメント・グループという名称のグループですが、レオパレス21に巨額な資金を投じるだけのメリットがあるのでしょうか。
最近はこの件に関するニュース記事をしばしば目にするようになりました。
そして実際的にレオパレス21を支援する具体的なメリットとは?
その1つには
今でも50万戸以上の管理戸数がレオパレス21にはあるというてんです。
管理戸数そのものは最大手の大東建託グループの半分といえども、かなりの規模です。
この50万戸のアパートをうまくいかせれば収益が得られるという計算があるのでしょう。
さらにこのフォートレス・インベストメント・グループは日本でビレッジハウスという賃貸住宅を運営しています。
現在のところビレッジハウスの管理戸数は約10万戸なんだそうですが、今後レオパレス21の管理戸数を合わせると、60~70万戸になるのです。
つまりは2種類の賃貸住宅を運営することによって相乗効果が生じることをもくろんでいるのではないかと言われています。
レオパレスのアパートオーナー 来春以降に正念場

米ファンドによって、とにかく経営危機を回避したレオパレス21。
しかし以前に書いた記事
でも書きましたが、これですべてが解決したわけではありません。
今後はスポンサーになってくれた米ファンドに、きちんと見返りとなることを行っていかなければなりません。
つまりは事業で幾らかの利益がでても、その幾らかは米ファンドのものになるということです。
しかも管理するアパートの入居率が80%割れと低迷するなか、事業で現時点で利益がでていなくても、米ファンドへの見返りは行っていかなければなりません。
となるとどうなるのでしょうか。
上記の記事ではそのてんについて
ならばレオパレス21はこのための資金をどこから捻出するかということになりますが、現在の80%未満の管理するアパートの入居率を、とにかく90%以上に改善するなどしなければならないわけですが、それが当面難しければ、レオパレス21のアパートオーナーに、そのシワ寄せがいくことも考えられます。
と書きましたが、このようにレオパレス21のアパートオーナーに、そのシワ寄せがいくことについて言及しました。
レオパレス21 スポンサーの米ファンドへの支払いが重たい

経営悪化で、一時期は経営破たんの可能性も取り沙汰されたレオパレス21。
その後、米ファンドが約570億円をレオパレス21に投じることになり、当分は経営破たんの可能性は薄れました。
また懸念されていた債務超過も解消され、レオパレス21に融資している銀行も、今は安堵していることでしょう。
一時期はレオパレス21の株価は145円程度まで下がりましたが、米ファンドによるスポンサー報道後、240円程度にまで急伸し、昨日は177円で終了しています。
ところで、米ファンドによって約570億円が投じられることによって、レオパレス21のかかえる問題がすべて解決したわけではありません。
というかこれからが正念場といっても過言ではありません。
そこでクリアしなければならない課題となるのは
①施工不良の改修工事が、まだまだ残されています。今後も継続して、そしてレオパレス21の資金で改修工事を行い続けなければなりません。
②管理するアパートの入居率の改善も緊急の課題となっています。実際のところコロナ前には入居率が80%以上になるまでに回復しましたが、現在は再び80%を下回っています。入居率が80%を下回るとレオパレス21のような一括借り上げで、アパートを管理している場合は管理事業で赤字になります。とくにウイズコロナで単身赴任者等の法人契約の減少やオンライン授業のために需要減になっている学生賃貸の不振をどう埋め合わせるかが課題になっているようです。