賃貸住宅経営の勝機はやはり需要のあるエリアと競合物件が少ないこと
香川県の小豆島といえば、最近はすっかりと観光地として有名になり外国人観光客も非常に大勢がおしかけるようにもなり、島全体の衰退傾向に歯止めがかかっているようです。(コロナ渦の現在は外国人観光客は激減)
おかげで小豆島の宿泊施設の料金は、近くの高松や岡山よりも割高になっています。
ところで小豆島が昔、盛んだった産業に電照菊があります。
夜にも明かりをつけて菊の成長は速めるという菊栽培が盛んだったわけです。
実は私の妻の実家も小豆島で電照菊を行っていたのですが、当時はよく儲かる仕事だったようで、妻の父の羽振りもよかったようです。
しかしその後、海外から菊が輸入されるようにもなり、海外の菊との価格競争にさらされ、電照菊も高く売れなくなり、小豆島の電照菊産業は衰退の一途をたどり、現在では、ほとんど小豆島では菊栽培は行われていません。
このことは資本主義社会の怖さを示しているように思います。
資本主義では自由競争が行われ敗者は淘汰されることになるのです。
そしてこの原理は賃貸住宅業界でも同じです。
例えば過疎化している地方でアパート経営をしているとします。
もしそのエリアに競合物件がほとんどなければ、過疎化している地方であっても、そこそこの家賃相場を維持し、ほぼ満室経営を行うことができるかもしれません。
三田市 昔は人口激増エリアだったのが今は減少の市に なぜ?
兵庫県に三田市がありますが、今から数十年前に人口が爆発的に増えた街です。
なぜ当時、爆発的に増えたかというと、大阪から三田までのJRの宝塚線が電化され、通勤電車も増発され、1時間程度で、大阪までの通勤が可能になったからです。
この当時、阪神地区に住む多くの方が、開発中の三田のマンションや戸建て住宅に、どんどんと移り住んでいったものです。
このてんについてウィペデイアにも以下のように書かれています。
1985年10月1日の調査まで3万人台で推移していた。しかし、大阪のベッドタウンとして、北摂三田ニュータウン開発が始まったことにより、人口が急激に増加し、1985年に4万人、1990年に6万人、1991年に7万人、1993年に8万人、1996年には10万人を突破し、右肩上がりに急激に増加し、兵庫県はおろか10年連続日本一の人口増加率を記録した
と書かれています。
しかし今はというと上記にウィキペデイアによると
人口が約11万5000人になった。その後は微減している
と書かれており、もはや人気の街ではなくなり、人口も微減状態となっています。
地方の空き家急増の悲しい現実 若者が都会に行ってしまう
筆者の妻の実家は、地方の田舎町です。
時々妻と行くことがあるのですが、空き家が多いです。
現在、空き家率は2割超、そして将来的には3割になるともいわれていますが、地方の実情を見ると、そのとおりだと実感します。
いや地方の田舎町だけならば、空き家率はすでに3割超になっているのではないかとさえ思います。
なぜ地方の田舎町では、空き家が増えているのでしょうか。
幾つかの理由がありますが,まず考えられる事柄は
若者がほとんど都会に行ってしまう
ということがあります。
そして都会に行ってしまうと、田舎には戻ってこずに都会での生活を確立してしまうのです。
都会で家族を持ち、子供ができ子供には都会の学校に通わせます。
ですから田舎に残っているのは年老いた親のみとなってしまい、その親が介護を必要とするようになると、施設に入れるか、田舎を後にして都会で子供と共に過ごすかとなってしまうこともあり、田舎の家は空き家となってしまいます。
さらに若者の田舎離れの要因となっているのは
農業や漁業以外にこれといった仕事がない
という理由があります。
もちろん田舎にも地場産業などで働き口がある場合もありますが、都会と比べると、就職の機会や給与面などで田舎のほうが厳しいことが多いです。
大阪のベッドタウン千里ニュータウンが復活している?
1960年代頃からか、いわゆるニュータウンという住宅地が全国各地で見られるようになりました。
最大のニュータウンは東京の多摩ニュータウンといわれていますが、現在全国各地のニュータウンが盛衰しているともいわれています。
その要因は、住人の高齢化、そして建物の劣化が原因とされています。
1960年代のニュータウンというと、もうすでに築50年。
もちろんRC造りの建物そのものは、100年は使えるという専門家もおられますが、しかし設備は古くなり、間取りも当時と今では異なっています。
さらに近年、郊外よりも、できれば都心に住みたいという方も増大し、人口減少がニュータウンでは進んでいるともいわれています。
こういった時代にあって、NHKのニュースだったと思いますが、大阪の千里ニュータウンの人口が最近になって増加に転じたと報じていました。
千里ニュータウンも高齢化が進み、盛衰しているだろうと思っていたので、意外だったのですが、自治体の取り組みによってニュータウンの復活が進んでいるようです。
どのような取り組みかというと、千里ニュータウンは分譲マンションよりも公営団地やUR賃貸住宅がとても多い住宅地です。
賃貸住宅の立地 満足度が高いのはやはり通勤に便利なエリア
賃貸住宅の立地はとても重要です。
最も満足度の高いのは通勤、通学に便利だということですが、次に満足度が高いのは、日常の買い物や、医療などに便利というてんです。
このてんで対象となるのは、高齢者だと思いますが、最近は郊外に戸建て住宅やマンションに住んでた方々が高齢になって、郊外の生活に不便を感じるようになり、買い物や医療に便利な都心部で賃貸住宅生活をする方もおられるそうです。
特に買い物はインターネット通販を活用できても医療となると、やはり通わなければならないので、大きな病院等に、すぐに通えるというのは高齢者にとっては魅力的な事柄だと思います。
もちろん買い物や医療などに便利というのは、高齢者だけでなく、あらゆる年齢層の人たちにとっても魅力的な事柄です。
住みたい街トップの西宮北口!!なぜ西宮北口駅エリアに人気が?
大手不動産会社による関西の最寄り駅を対象にした2016年住んでみたい街ランキングでトップになったのは西宮北口駅でした。
メジャーセブンのマンショントレンド調査 第24回 住んでみたい街アンケート(首都圏/関西圏)2016年 によると
1位 西宮北口駅
2位 夙川駅
3位 岡本駅
4位 梅田駅
5位 宝塚駅
6位 芦屋川駅
7位 御影駅
引用: マンショントレンド調査 第24回 住んでみたい街アンケート(首都圏/関西圏)2016年
となっています。
興味深いのは5位の宝塚駅以外はすべて阪急神戸線の駅で占められています。
阪急神戸線はまさにブランド路線なのでしょうか。
ところで西宮北口駅周辺、たしかにいい街です。
まず阪急西宮北口駅ですが阪急電鉄のすべての特急が停車し、大阪梅田にいくしても、神戸三宮に行くにしてもとても便利です。
梅田にも三宮にも特急に乗れば15~20分程度で着きます。
しかも阪急宝塚線も発着しており宝塚にも行くこともできます。
交通の便の良さは格別です。
しかも駅南側には阪急西宮ガーデンズという大きな商業施設があります。
阪急百貨店とイズミヤを中心にした商業施設ですが、やや高級感を感じる施設で、私も時々ですが阪急電車に乗って行くことがあります。
さらに駅北側には飲食店が立ち並ぶ商店街がありどちらかといえば落ち着いた感じの街並みです。
芦屋などの高級住宅街を抑えての1位ということですが、なんとなく住みたい街の1位に選ばれた理由がわかるような気がします。
物件の立地エリアによって資産価値や家賃が大きく影響される
同じ建物でもエリアによって資産価値また家賃が異なってきます。
例えば全く同じマンションを2つ建てたとします。
1つは駅近くの人気エリアに建てたとし、もう1つは駅から30分ほど離れた場所に建てたとします。その場合、全く同じ建物そして入居者さんに、同じサービスを提供できたとしても、家賃は異なってきます。
つまり前者の駅近くで人気エリアのマンションのほうが家賃を高く設定することができます。このことは分譲マンションを買った時にも同じことがいえます。
全く同じ間取りの部屋を買ったとしても、その資産価値は建てられているエリアによって大きく左右されることがあるのです。
このてんに関してZAKZAK2016年3月26日の記事には次のように書かれていました。
マンションの価格差は東京都心と1時間通勤圏の郊外では、坪単価で4倍以上に達している。都心と1時間通勤圏で、所得の差も4倍に開いているのか。国勢調査などによれば、そこまでの差はない。不動産の価値は立地で決まるが、ここまで差が開くと、もはや同じ商品とは思えないほどだ。
これは住宅ジャーナリストの榊敦司氏の言葉ですが、近年は特にマンションの資産価値においては2極化していることを伺うことができます。
立地条件のよいマンションの資産価値は跳ね上がっていますが、そうでないマンションの資産価値は下がっているというのです。
この現象は賃貸アパートマンションでも生じているかもしれません。
賃貸住宅最大手の大東建託に見放さるかもしれないオーナー?
賃貸住宅最大手の大東建託にとってアパートマンションオーナーはビジネス上、なくてはならない存在です。
なので現オーナーが子供などに資産継承のさいに管理替えをすることがないように尽力しています。
実際のところ大東建託は、これまでオーナー向けの様々なサービスも提供してきました。
インターネットで所有物件の管理状況、入居状況等を無料で調べることができるマイページ、設備機器の故障修理を保証するワランティサービス、その他、オーナー向けの保険商品も提供していますし、一部のオーナー物件の屋上に太陽光パネルを設置して、大東建託が屋上を借りているということで賃料をオーナーさんに支払っているケースもあります。
このように大東建託グループは姿勢としてはオーナー、大家さんにも一定の配慮を払っていることは明らかです。
しかしシビアな側面もあります。
これは大東建託グループ物件の大家さんの抱いている不満で最も多い事柄の1つですが、家賃の減額はシビアに行ってきます。
というのも入居斡旋力のある大東建託といえども、その物件の家賃相場よりも、かなり高く家賃を設定できるわけでもありませんし、家賃相場が下がれば、その物件の家賃も募集時には大東建託といえども下げざるをえないからです。
大東建託が農地よりも住宅地に営業を集中させる?
以前のことですが、りそな銀行の担当者が来られました。
筆者には個人年金の勧誘と母のNISA口座開設の勧誘に・・
2回目は担当の主任とともに来て、個人年金加入手続きと母のNISA口座開設手続きを・・
3回目は担当単独で来られ、お礼がてらタオル等の景品を持ってこられました。
上司と来られる時は、担当もあまりしゃべることはないのですが、今回はいろいろと話をされました。
話によると、これまでは担当はアパートローンも住宅ローンも併せて担当していたようですが、りそな銀行の方針変更によってアパートローンなどの事業性ローンの専属になったとのこと・・よって活動エリアも以前より広くなったとのことです。
そして以前はアパートマンションオーナーさんを十数件担当していたのが、今は活動エリアも広まり、様々なオーナーさんと知り合いになったことについて話しておられました。
そしてこれまでは、担当者のアパートオーナーで大東建託物件オーナーは筆者だけでしたが、今は何人かの大東建託物件オーナーさんと話をしているとのことです。
特に筆者の物件から一駅離れたエリアの北側は大東建託物件が多数あり、そのエリアの大東建託物件オーナーと接触する機会が増えたとのことです。
もちろんそのエリア、もともとは農地の多いエリアで、もはや耕作していない土地に大東建託が狙い目をつけ、どんどん大東建託物件を建てたようです。
地方の負動産な土地で賃貸住宅経営のリスク 入居率や家賃相場が・・
「土地活用」
この言葉を売り文句にして、多くの建設会社が地主さんにアパート経営を勧めてきました。
たしかに市街地や都心部では更地のままだと固定資産税が高くなるので、土地を活かすことが求められてきます。
そして市街地や都心部では立地的にアパートやマンションを建てて土地を活かすことも良い方法となる場合があります。
しかも市街地や都心部の土地価格は上昇傾向にあり、固定資産税もその分、値上がる傾向にあります。
しかし
地方の土地価格は下落傾向が続いています。
つまりは全体としては土地価格は今でも下落傾向にあるというのです。
では下落が明らかな地方においての土地活用にはいかなる方法があるのでしょうか。
例えばアパート経営を始めたとしても、どうなるでしょうか。
(農業委員会のあるエリアでは農地を宅地にする場合は農業委員会の許可が必要です)