サブリースリスクが炎上 しかしそれでも儲かる!!
2019年2月に発覚したレオパレス21の施工不良問題で、レオパレス21そしてサブリース業界そのものも揺さぶられています。
そもそも最近の賃貸住宅経営の主流はサブリースになりつつあるようですが、今回のレオパレス21のトラブルから、サブリースは怖いといったインパクトを与えているようにも思いますので、レオパレス21と同じようにサブリースが主流の大東建託や東建コーポレーションにも逆風が吹いているのではないかと思われます。
そして賃貸住宅経営の王道、つまりはサブリースでない方法での賃貸住宅経営が見直されているのではないかと思われます。
ところでこの機会にサブリースのリスクというか、注意すべき事柄を押さえておきたいと思いますが、その1つが新築から賃料免除期間というものがあります。
多くの場合は3カ月程度ですが、新築からの3カ月間はオーナーへの賃料の支払いはないのです。
サブリース会社にしてみれば、この3カ月で満室にしたいのかもしれませんが。
もちろんサブリースでなければ、新築当初から入居者がいるならば、その分の賃料は入ってきます。
といってもサブリースのように空室分の賃料はありません。
レオパレス21に噛みつくLPオーナー会!!
先日の記事では
ということで修繕費の件でレオパレス21が提訴されたことについて書きました。
しかしレオパレス21が訴えられたのは、これだけではありません。
過去の記事でも取り上げましたが、集団提訴されたのは何度もあります。
例えば
という記事では、レオパレスがオーナーに提供している「家具・家電総合メンテナンスサービス」で契約上では一定期間経過後に新品と交換することになっているのが、交換されていないというてんで100人程度のレオパレス家主が集団で提訴したというてんについて取り上げました。
さらに
という記事では、10年間は家賃収入は変わらない契約でアパートを建てたにもかかわらず、6年後に減額されたとして、減額分の支払いを求める訴訟を起こしたというものです。
この家主と同じようなケースも多々あり、それらの家主さんたちも同調するかもしれないということでした。
この1~2年で少なくとも3件の集団提訴をレオパレス21は受けていることになります。
このことは尋常な事ではありません。
もしも3件ともにレオパレス21にとって不利な判定が下さるならば、経営そのものが、大きな打撃を受けかねない事柄です。
30人ほどのレオパレスオーナーが修繕費で提訴!!
2017年現在、賃貸住宅管理戸数では大東建託、積水ハウスに次いでの第3位のレオパレス21ですが、全国に大勢のオーナーさんをかかえています。
そしてレオパレス21ですが、入居者向けサービスも強化していますが、オーナーさん向けサービスも幾らかあります。
そのオーナーさん向けサービスの1つが建物の修繕費に関するサービスです。
具体的には修繕費として
家賃収入の平均7.2%
を毎月レオパレス21に支払うならば、レオパレス21は塗り替えや交換の目安として、屋根は10年、クロスは4~5年、カーペットは3~4年などを行うというものです。
大東建託の場合も、このレオパレス21とよく似たサービスでフルパッケージプランというものがありますが、共有部分の修繕費と部屋内の設備の故障修理も家賃収入の5%程度を支払うならば、修繕費を大東建託が負担するというものがあります。
7.2%と5%ということで、このてんでは大東オーナーさんのほうが、幾らか得しているようにも思われます。(あくまでも数字上だけの比較ですが)
もちろん大東建託の場合は、修繕の期間の目安というものはレオパレス21のようにあるのかどうかはわかりませんが、10年以上してから適切な時に、大東建託の場合は修繕を行うようです。
サブリース業界が将来を楽観できない理由😟郊外での空室が上昇
先回の記事は
予測がつかない今後のアパートマンション経営
という記事でしたが2017年7月21日の東洋経済誌の「「賃貸住宅市場が危ない」、日銀が異例の警鐘
金融緩和による住宅過剰、物価を下押し?」記事の内容からそのてんについて指摘するものでした。
実際には2017年現在、サブリース会社トップの大東建託は96%以上の入居率を維持しており、今後も入居者向けサービスの充実を図ることにより、高水準の入居率を維持できるとの見方をもっているというてんについてもふれました。
そして大東建託の高入居率の維持ができるとの自信は、それなりの根拠があって述べている事柄なので、大東建託のアナウンスとおり数年は大東建託は高入居率を維持できるのではないかと思われます。
しかし東洋経済誌は気になるてんを指摘しています。
例えば、この記事にはトヨタ自動車などが出資する不動産評価・情報提供会社「タス」の見解を取り上げていますがそれによると
首都圏では東京都心部はさほどでもないが、埼玉や神奈川、千葉の各県で特に2015年後半以降、空室率が急上昇している。
と述べて、都心部でない
郊外における空室率の急上昇に警鐘を鳴らしているのです。
つまりは東京、大阪、札幌などの主要都市の都心部ならば、まだ高入居率を維持できるものの、郊外となると空室リスクに警戒しなければならないというのです。
郊外に多くの管理物件をかかえる大東建託にとっては油断のならない傾向といえるでしょう。
サブリース問題が国会で取り上げられる
相続税の改正や、超低金利が続いているなかアパートが急増してきましたが、それとともにトラブルも多発するようになってきました。
トラブルが急増すると、国会に通う議員さんたちも注目するようになります。
そのようなさなか2017年5月10日に衆議院財務金融委員会において、共産党議員により、サブリース事業の問題について取り上げられトラブルへの対策強化を求めたとのことです。
サブリースによるアパート事業の最悪のシナリオは、アパート事業の収支が悪化し、そのための破産による土地とアパートを手放すというケースですが、こうした事柄も発生しているようです。
そこでこの共産党議員が問題にした1つのてんは国土交通省の登録制度にレオパレスが登録していないことを批判したようです。
国土交通省はレオパレスに登録を申請しているようですが、レオパレス側は応じていないとのこと。
レオパレスといえば大手サブリース業者ですが、トラブル割合は大手のなかでは多く、アパートオーナーから訴訟を起こされているケースも少なくありません。
やはり今回の国会においてもレオパレスがヤリ玉にあがったようですが、他の大手サブリース業者、例えば大東建託や大和ハウス工業、積水ハウスも大家とのトラブルがないわけではないのでしょうが、レオパレスがそのなかでもトラブルが多いのは不思議です。
レオパレスのビジネスモデルでトラブルになりやすい要素があるのかもしれません。
レオパレス大家が集団訴訟
以前のブログでアパート一括借り上げメーカーで最も苦情相談の多いメーカーがレオパレスだということについて書いたことがあります。
そのレオパレスの大家100人超がレオパレスに集団訴訟を起こすというニュースがありました。
管理戸数56万戸、大家さんは5万人前後?で、大東建託の8万人の3分の2程度と思われます。
しかし大家による苦情相談件数は大東建託よりも多く、明らかに大手一括借り上げメーカーの中では、最も不満を持つ大家さんの割合が多いといわれています。
その原告の中心はレオパレス大家さんで結成されているLPオーナー会だそうで、大手レオパレスに集団訴訟を起こすという私にとっても興味深い事例で注目しています。(大東建託物件オーナーにはレオパレス大家独自で運営しているLPオーナー会のようなものはありません)
そもそも問題になっているのはレオパレスがオーナーに提供している「家具・家電総合メンテナンスサービス」で契約上では一定期間経過後に新品と交換することになっているのが、交換されていないというてん。
しかも1戸あたり毎月2000円を大家はレオパレスに支払続けているとうものです。
1戸2000円ということは10戸所有していれば20000円を負担しているということで、大家にしてみればきちんと約束事を守ってほしいということなのでしょう。