建設業では大東建託グループに就活生の人気が・・
株式会社学情による、2021年卒の就活生の就職人気企業ランキングが公表されました。
それによると2年連続、伊藤忠商事が1位だったようです。
なぜ伊藤忠商事?
と思いましたが、どうやら商社のなかでもトップクラスの業績と、個性的で意欲的な社員が多いということがあるようです。
いずれにしても全体的に人気の高い商社ですが、伊藤忠商事は三菱商事や三井物産よりも、就活生には人気があるようです。
ところで驚いたのは建設、住宅業で人気のある会社のランキングですが、旭化成ホームズ、大東建託グループ、積水ハウスとなっています。
積水ハウスならば、なんとなくわかりますが、大東建託グループが入っている?
このことには驚きました。
ブラック企業ではないにしても、ブラック企業誌だと主張する方も少なくない大東建託グループです。
ところで旭化成ホームズが人気企業となっていますがその理由は
・建設業他社よりも給料が高く安定している
・福利厚生が充実している
・グループとしての旭化成が倒産することは考えにくい
などがあるのではないかと思います。
ちなみに旭化成の賃貸住宅はへーベルメゾンで戸建住宅は主力のへーベルハウスです。
へーベルメゾンのシェアは大東建託や積水ハウスと比べると小さいですが、しかしあちらこちらで見かけることがあります。
レオパレス21の裁判 なお10件以上が係争中
先回の記事
では日本経済新聞がレオパレス21のアパートオーナーへの取材をもとにした記事
「レオパレス、暴かれた無責任施工の実態 」を読んで、同じ賃貸住宅オーナーとして興味深く考えさせられたことについて書きました。
記事のアドレス:https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&n_cid=DSMMAA13&ng=DGXMZO48990590W9A820C1000000&scode=8848&ba=1(アクセス日2019/9/19)
今回も、その日本経済新聞に書かれていた事柄から考えさせられたことについて取り上げてみたいと思います。
今回はこの日本経済新聞の記事にはレオパレス21のオーナーたちがレオパレス21を訴えた裁判について、わかりやすくまとめられていましたので、そのてんについて取り上げてみたいと思います。
まずこの裁判の始まりは2016年11月に129人のオーナーたちが、家具・家電メンテナンス費用を不当に支払わされたことで損害賠償を請求することから始まります。
残念ながら、その訴訟は原告側敗訴となっています。
しかし原告側は控訴していますので、最終的な決着がつくまでには、なお時間がかかりそうです。
その日本経済新聞が把握しているだけで、オーナーたちがレオパレス21を訴えて裁判になっているケースは12件あるようです。
とくに2017年には9件もの訴訟そして裁判が行われています。
レオパレス21のオーナーの待遇 今後は他社の草刈り場に
レオパレス21のアパート施工不良の問題が明らかになって、レオパレス21に関する記事が溢れています。
新聞でも週刊誌でも、ネット上の記事でも・・。
ところでそのようなさなか日本経済新聞でも、レオパレス21についての記事が多くなってきたように思われます。
最近でも2019年7月25日の「(迫真)不動産 過熱の代償(3) 「家賃保証」信じたのに… 」という記事を読んでいると、幾つかの興味深いてんに気づかされました。
大東建託と比較してみますと。
①オーナーに支払う賃料改定の協議にはレオパレス21は2人の社員で来る?
日本経済新聞の記事には2人の社員が来て、減額を迫ってきたとあります。
大東建託の場合は、大東建託パートナーズの物件担当者がまずは1人でやってきます。
そこでオーナーとの合意ができれば、それで終わりですが、オーナーが抵抗し合意できなければ、次は大東建託パートナーズの賃料査定の担当者と2人でやってきます。
そこで賃料査定の担当者が、今回の賃料がなぜこの価格になったのかを、いろいろと説明していきます。
主な内容は、エリア内の同じような物件の賃料相場のケースを幾つか取り上げて、この賃料が適正なんだということを説得しようとするのですが・・。
そして最後には、とにかくこれで合意してくれと、ひたすら懇願されます。
大東建託が勝訴 ダイヤモンド社を訴えて
以前に書いた記事で
を書いたことがありますが、この訴訟の判決が下されたようです。
産経新聞2019/8/29の「ダイヤモンド社に賠償命令 大東建託巡る記事」という記事によると
ダイヤモンド社のビジネス情報サイトに掲載された記事で名誉を毀損されたとして、賃貸住宅建設大手の大東建託(東京)が1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は29日、50万円の支払いと該当記事1本の削除を命じた。判決によると、ダイヤモンド社は平成29年8月21日、「大東建託現役社員が悩む、オーナー泣かせの建物管理問題」と題した記事を掲載。大東建託は内容が事実と異なると主張していた。飛沢知行裁判長は「担当記者は客観的裏付けを取らず、大東建託の社員と称する人物から聴いた事情だけを根拠に記事を書いた」と指摘。記事は真実と認められないと判断した。
引用:https://www.sankei.com/affairs/news/190829/afr1908290038-n1.html(アクセス日2019/9/1)
と書かれています。
このようにどうやら、概ね大東建託側の主張内容が受け入れられたようです。
住宅供給戸数では今回も大東建託がトップだった
最近は大東建託の主力事業でもある建設事業が、やや低迷しているようです。
その理由は
①銀行の不動産担保融資の姿勢が厳しくなった。
②同業他社の施工不良問題のトバッチリを受けている。
③働き方改革の実践のために、営業のあり方が調整中。
などがあるようです。
そのうちの③については、自助努力で改善されるようになるものと思われます。
ところでそのようなさなか大東建託のニュースリリース2019/8/5の「大東建託が住宅供給実績11年連続1位を獲得」には
大東建託株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:小林克満)は、株式会社市場経済研究所が発表した 「2018年度全国戸建供給ランキング」において、第1位を獲得しました。 なお、同ランキングでの第1位獲得は、本年で11年連続となりました。
引用:https://www.kentaku.co.jp/corporate/pr/info/2019/aqehc4000000c2gl-att/no1_kodatekyoukyurank_0805.pdf(アクセス日2019/8/6)
と報じました。
これは2018年の実績ですが、それでもこの「2018年度全国戸建供給ランキング」において供給戸数が1年間で約6万戸で1位となっています。
またもや敗訴 レオパレス21オーナーの裁判
レオパレス21のアパート施工不良問題。
いまだに収束されず、規模も拡大し続け、レオパレス21の経営そのものも、危なくなっているとも囁かれています。
そのようななか、リーマンショック後にレオパレス21が10年は支払う賃料は不変と約束しておきながら、経営危機から10年もたたないうちに賃料を減額した件で、オーナーから提訴された裁判で判決が下されました。
日本経済新聞2019/7/26の「レオパレス所有者敗訴、賃料減額めぐり地裁判決 」の記事には
経営悪化を理由に賃貸アパート大手「レオパレス21」(東京)が求めた賃料の減額に応じた愛知県岡崎市のオーナーの80代の男性が、業績回復後も減額したままなのは不当だとして、賃料の増額と差額分の支払いを同社に求めた訴訟の判決が26日、名古屋地裁であった。桃崎剛裁判長は男性の請求を棄却した。桃崎裁判長は判決理由で「減額した賃料は業績悪化だけでなく、周辺の家賃相場を総合的に考慮している」と指摘。不当に低い賃料とは認められないと結論づけた。判決によると、レオパレスは2005年、男性が県内に建てたアパートを借り上げ、月約77万円の賃料を10年間支払う契約を結んだ。男性は11年に約67万円に減額することに同意した。男性は「12年に業績が回復したのに賃料を不当に据え置かれた」と主張していた。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47824100W9A720C1CN8000/(アクセス日2019/8/1)
と書かれています。
大東建託建設事業が不振になった意外な理由
最近は、大東建託の業績がイマイチな状態が続いています。
毎月上旬頃に公表される大東建託の業績速報では、毎月のように建設受注が前年比減となっています。
もちろん賃貸住宅の建設受注が不振なのは、大東建託以外の他社でも同じような傾向が見られるのですが・・。
そしてこの建設受注が不振なのは、あのスルガ銀行の不動産融資の不祥事以降、銀行全般の個人の不動産向け融資が厳格化していることがあるとも言われています。
昔ならば、比較的安全と言われている不動産担保融資なので、少々のことがあっても地方銀行ならば、融資が承認されたのが、今では審査が厳格化され、どう考えても、地方銀行でも融資を受けられないことが明らかな場合は、建設会社の営業マンも、勧誘しなくなったというのか、勧誘ができなくなったのではないかと思われます。
しかし大東建託にとってコア事業の建設事業が振るわないということは大きな問題です。
ところで最近の賃貸住宅の建設受注が振るわない、これまであまり意識されていなかった問題が日本経済新聞のに指摘されていました。
2019年7/2の「大東建託、営業益2割減 4~6月 受注の低迷響く 」という記事に書かれていました。
大東建託の2019年4~6月期の連結営業利益は290億円程度と、前年同期より2割ほど減ったようだ。同業他社の不正により、顧客対象の大家がアパートの建設に慎重になり、前期の受注が低迷した影響が出た。金融機関の融資が厳格になり、受注した物件の着工の遅れやキャンセルも増えた。
引用:https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&n_cid=DSMMAA13&ng=DGKKZO47819500W9A720C1DTA000&scode=1878&ba=1(アクセス日2019/7/30)
と書かれていました。
国土交通省の賃貸住宅チェック 大東建託や積水ハウスは・・
レオパレス21や大和ハウス工業の賃貸住宅において施工不良や不備物件があること発覚し、賃貸住宅業界への不信感が強まっています。
そのようなさなか賃貸住宅の監督官庁である国土交通省が、施工不良を防止するための対策を進めています。
このてんについて日本経済新聞2019/6/5の「国交省が再発防止策策定へ 品質管理を定期検査、施工不良問題 」という記事には
国交省がまとめる再発防止策では、認定を受けた型式通りの設計図が作られているか、工事監督者の担当物件数が過剰になっていないか、監督者の指摘通りに施工されているか、などを国が定期的に把握する仕組みを設ける方針だ。具体的な制度や手順は今後詰める。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45726000V00C19A6CR8000/(アクセス日2019/6/6)
と書かれています。
このように今後は、国が
①設計図が適切か
②工事監督者の担当物件数が過剰になっていないか
③監督者の指摘通りに施工されているか
を定期的にチェックや確認をするための仕組みを設けて再発防止にあたるとのことです。
粗雑で欠陥だらけのアパートにして家賃を下げていた?レオパレス21
家賃というとアパートマンションオーナーにとっては重要な関心事です。
というのも家賃が高ければ高いほど、家賃収入が高くなるからです。
ですからオーナーにしてみれば家賃はなるべく下げたくない、できれば現状の家賃を維持し続けたいと考えます。
その一方で、入居者さんにしてみれば、なるべく家賃を安くしてほしい。
そこそこの設備が整っていてもできるだけ家賃が安い物件に入居したいと考えるものです。
いわゆるコストパフォーマンスの良い物件を選ぼうとするのです。
このあたりが物件オーナーと入居者さんの思惑が異なる事柄です。
その一方でサブリース会社の思惑はとにかく入居率を高水準に保ちたいという思惑が働きます。
そのためには物件オーナーに配慮しつつも、どうしても入居率が良くない物件があるならば、募集家賃を思いきり下げる事があります。
そのようにして入居率を改善しようとするわけですが、こうしたやり方は物件オーナーにしてみれば、全く面白いことではありません。
というのも募集家賃が下がる→入居者家賃が下がる→オーナーに支払われる賃料が下がる、ということにつながっていくからです。
このような事柄は、大手のサブリース会社でも、しばしば行われています。
大東建託があのLooopでんきと提携!!
2016年4月に電力自由化になり、かつては大手電力会社10社以外の新しい電力会社が、電力事業に参入できるようになりました。
以前は東京電力や、関西電力といった大手の電力会社が、管轄のエリアにおいて独占的に事業を行うことができたのが、2016年4月以降は、大手10社以外の電力会社も加えて、電力を使用する顧客を獲得するために、価格面などのサービス面で、競争するようになりました。
顧客にしてみれば、電力会社を選べるメリットがあり、歓迎すべき事柄なのかもしれませんが、競合する電力会社によって、サービス内容などが異なり、どこを選べば良いの?と、選択するのに気苦労するかもしれません。
もちろん多くの電力会社が競合するなか、採算面でも厳しい状況にあるようですが、大東建託のいい部屋でんきのように、契約件数では有利だったにもかかわらず、採算面の問題から思い切って電力事業を撤退するケースもあります。
この撤退については賛否両論がありますが、私個人の意見では不採算事業からきっぱりと撤退できるのも強い会社の証ではないかと思います。
ところでその大東建託が新電力のLooopでんきと組んだ賃貸住宅を提供することが公表されました。