ホテル事業から撤退のレオパレス21 資産売却を進める
企業の経営状態が思わしくないと、対処策としてどんどんと所有する資産売却を行っていきます。
数年前のことですが、大阪の本店を置く三和銀行は優良な都市銀行とも言われていたものの、合併でUFJ銀行になったころから経営状況がおかしくなり、その後、虎の子のUFJ信託銀行(旧東洋信託銀行)の売却や保有していたトヨタの株式などの売却を行い急場をしのいだものの結局は最後は東京三菱銀行と合併せざるを得なくなったことがありました。
表向きは対等合併ということになっていますが、事実上は東京三菱銀行による救済合併色が強く、合併後は三菱主導の銀行になっています。
ところで銀行と建設業界とは異なりますが、建設業界でも経営状態がよくないと、所有資産を売却していくことは同じです。
まさにレオパレス21は資産売却や従業員数の縮小が進行中です。
このてんでIG証券のウエブサイトの「レオパレスが年初来安値、36億円減損計上」という記事には
31日の東京株式市場で経営再建中の賃貸住宅大手レオパレス21<8848>が大幅に売られ、年初来安値を更新した。保有物件18棟の売却に伴い、2020年4~6月期に36億円の減損損失を計上する方針と発表したことが材料視された。・・レオパレスは30日、名古屋市の「ホテルレオパレス名古屋」と各地に保有する賃貸マンション17棟を売却すると発表した。施工不良問題で経営が悪化し、3月末時点で債務超過寸前に陥ったため、資金確保に向け資産の売却を進める。
引用:https://www.ig.com/jp/news-and-trade-ideas/_36_leopalace-share-price-hits-a-low-for-the-year-200731(アクセス日2020/8/10)
と報じています。
ヤマダ電機がレオパレス21を今は支援できない理由
レオパレス21の株価が下げ止まりません。
2018年には700円だった株価がどんどん下がり
2020年8月には150円を割り込んでいます。
という記事では
このように支援の最有力は
ヤマダ電機
なんだそうです。 この情報元は金融機関幹部ということですが、レオパレス21の主要取引銀行のりそな銀行か三井住友銀行幹部ということでしょうか。
と書かれていますが、この情報源は週刊文春のようで、ある程度、信ぴょう性のあるものとして、ぞの情報は拡散していたのですが・・
いまだにレオパレス21からも、ヤマダ電機からも、この件についてのアナウンスは全くありません。
実際のところはどうなっているのでしょうか。
実のところヤマダ電機支援説を否定するかのような事実も幾つかあります。
そのてんを取り上げてみますと
①リーマンショック後にもヤマダ電機は、レオパレス21との業務提携に動いていたが実現しなかった。
この当時、ヤマダ電機が動いたのは、経営が弱っていたレオパレス21と業務提携をして主導権を握りやすいとの思惑があったからのようですが、結局は実現しなかったという経緯があります。
レオパレス21のアパート 募集停止が5万戸だった
レオパレス21のアパート施工不良の問題がいまだに尾を引いていますが、まだまだこの問題は続きそうです。
レオパレス21の施工不良物件の改修がこんなにも進んでいなかったとは・・
という記事にも
もうアパート施工不良を公表して1年以上になりますが、改修工事が完了したのは、改修の対象となる物件の1割にも満たないとは・・。 具体的には物件の改修が完了した棟数は20年3月末時点で990棟で、それが対象物件の1割以下になるんだそうです。 ということは改修がまだの対象物件は、12000棟ほど残っているということになります。
と書かれていて、2020年5月で改修が完了したのは約1000棟ほどで、まだまだ改修工事が進んでいないようです。
ところでいざ、改修工事を行うとなると、そのアパートの入居者さんには退去してもらわなければなりません。
さらにすべての入居者さんが退去してもらわなければ、改修工事に入ることはできません。
そこで退去のお願いを始めてから、すべての入居者さんが退去してもらうまでには、数カ月程度かかることもあるでしょう。
さらに改修工事に入る物件には、入居者募集を停止しなければなりません。
なので80~90%程度の入居率だったアパートも、どんどん入居率が下がっていくことでしょう。
レオパレス21の経営状況に怯えるりそな銀行?
先日のことですが、久しぶりに、りそな銀行の渉外担当者が自宅を訪問してきました。
コロナの流行のために、3月下旬ぐらいから6月上旬ぐらいまでは、顧客訪問を控えていたようですが、久しぶりに訪問して来られました。
実のところ、渉外担当者も2月ごろに交代になっていたのですが、おそらくは引き継ぎもきちんとされていたので、私の小規模マンションの賃貸経営状況も把握しているものと思っていたのですが、今回はなぜかいろいろと賃貸住宅経営の状況について尋ねてきました。
そして質問には正直に答えたのですが、なぜ?
コロナのために賃貸住宅経営になんらかの変化があったかを知りたかったのでしょうか。
しかし今になって考えてみると、あのことが原因ではないかと考えています。
あのこととは。
それは
レオパレス21のことです。
実のところ、りそな銀行はレオパレス21オーナーにかなりの額を融資しており、オーナー向け融資の焦げ付きを懸念しているようなのです。
しかも、りそな銀行はレオパレス21そのものにも1兆円ほどの融資をしており、もしもレオパレス21が破たんすれば、りそな銀行は大損害を被る可能性があるのです。
もちろんヤマダ電機がレオパレス21を支援するとの観測もあるのですが、まだどうなるかわかりません。
窮地のレオパレス21にヤマダ電機が・・
大規模なアパート施工不良が発覚してから、経営再建中のレオパレス21.
しかし前途は多難と言われています。
単独での再建は、かなり厳しいようで、注目されているのは有力な支援先です。
これまでも支援先として、ソフトバンクの噂もありましたが、しかしこの話は実現性がかなり薄いようです。
さらに旧村上ファンドや村上氏がレオパレス21の経営に関心を示しているようですが、レオパレス21側が拒否しているようです。
そのようななかヤフーニュース2020/6/22の「債務超過寸前のレオパレス21 救世主は「ヤマダ電機」 メリットはあるか?」(文春オンラインより)には多少驚かされました。
それによると
一体どこが再編相手なのか。金融機関幹部が明かす。 「最有力は、家電量販大手のヤマダ電機です」
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/af51cc54f4017f2a41e66ab2a99ac6a0d2a1b742(アクセス日2020/6/24ヤフーニュースは期日がくれば削除されます)
と報じました。
このように支援の最有力は
ヤマダ電機
なんだそうです。
この情報元は金融機関幹部ということですが、レオパレス21の主要取引銀行のりそな銀行か三井住友銀行幹部ということでしょうか。
レオパレス21の裁判 なお10件以上が係争中
先回の記事
では日本経済新聞がレオパレス21のアパートオーナーへの取材をもとにした記事
「レオパレス、暴かれた無責任施工の実態 」を読んで、同じ賃貸住宅オーナーとして興味深く考えさせられたことについて書きました。
記事のアドレス:https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&n_cid=DSMMAA13&ng=DGXMZO48990590W9A820C1000000&scode=8848&ba=1(アクセス日2019/9/19)
今回も、その日本経済新聞に書かれていた事柄から考えさせられたことについて取り上げてみたいと思います。
今回はこの日本経済新聞の記事にはレオパレス21のオーナーたちがレオパレス21を訴えた裁判について、わかりやすくまとめられていましたので、そのてんについて取り上げてみたいと思います。
まずこの裁判の始まりは2016年11月に129人のオーナーたちが、家具・家電メンテナンス費用を不当に支払わされたことで損害賠償を請求することから始まります。
残念ながら、その訴訟は原告側敗訴となっています。
しかし原告側は控訴していますので、最終的な決着がつくまでには、なお時間がかかりそうです。
その日本経済新聞が把握しているだけで、オーナーたちがレオパレス21を訴えて裁判になっているケースは12件あるようです。
とくに2017年には9件もの訴訟そして裁判が行われています。
レオパレス21のオーナーの待遇 今後は他社の草刈り場に
レオパレス21のアパート施工不良の問題が明らかになって、レオパレス21に関する記事が溢れています。
新聞でも週刊誌でも、ネット上の記事でも・・。
ところでそのようなさなか日本経済新聞でも、レオパレス21についての記事が多くなってきたように思われます。
最近でも2019年7月25日の「(迫真)不動産 過熱の代償(3) 「家賃保証」信じたのに… 」という記事を読んでいると、幾つかの興味深いてんに気づかされました。
大東建託と比較してみますと。
①オーナーに支払う賃料改定の協議にはレオパレス21は2人の社員で来る?
日本経済新聞の記事には2人の社員が来て、減額を迫ってきたとあります。
大東建託の場合は、大東建託パートナーズの物件担当者がまずは1人でやってきます。
そこでオーナーとの合意ができれば、それで終わりですが、オーナーが抵抗し合意できなければ、次は大東建託パートナーズの賃料査定の担当者と2人でやってきます。
そこで賃料査定の担当者が、今回の賃料がなぜこの価格になったのかを、いろいろと説明していきます。
主な内容は、エリア内の同じような物件の賃料相場のケースを幾つか取り上げて、この賃料が適正なんだということを説得しようとするのですが・・。
そして最後には、とにかくこれで合意してくれと、ひたすら懇願されます。
またもや敗訴 レオパレス21オーナーの裁判
レオパレス21のアパート施工不良問題。
いまだに収束されず、規模も拡大し続け、レオパレス21の経営そのものも、危なくなっているとも囁かれています。
そのようななか、リーマンショック後にレオパレス21が10年は支払う賃料は不変と約束しておきながら、経営危機から10年もたたないうちに賃料を減額した件で、オーナーから提訴された裁判で判決が下されました。
日本経済新聞2019/7/26の「レオパレス所有者敗訴、賃料減額めぐり地裁判決 」の記事には
経営悪化を理由に賃貸アパート大手「レオパレス21」(東京)が求めた賃料の減額に応じた愛知県岡崎市のオーナーの80代の男性が、業績回復後も減額したままなのは不当だとして、賃料の増額と差額分の支払いを同社に求めた訴訟の判決が26日、名古屋地裁であった。桃崎剛裁判長は男性の請求を棄却した。桃崎裁判長は判決理由で「減額した賃料は業績悪化だけでなく、周辺の家賃相場を総合的に考慮している」と指摘。不当に低い賃料とは認められないと結論づけた。判決によると、レオパレスは2005年、男性が県内に建てたアパートを借り上げ、月約77万円の賃料を10年間支払う契約を結んだ。男性は11年に約67万円に減額することに同意した。男性は「12年に業績が回復したのに賃料を不当に据え置かれた」と主張していた。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47824100W9A720C1CN8000/(アクセス日2019/8/1)
と書かれています。
粗雑で欠陥だらけのアパートにして家賃を下げていた?レオパレス21
家賃というとアパートマンションオーナーにとっては重要な関心事です。
というのも家賃が高ければ高いほど、家賃収入が高くなるからです。
ですからオーナーにしてみれば家賃はなるべく下げたくない、できれば現状の家賃を維持し続けたいと考えます。
その一方で、入居者さんにしてみれば、なるべく家賃を安くしてほしい。
そこそこの設備が整っていてもできるだけ家賃が安い物件に入居したいと考えるものです。
いわゆるコストパフォーマンスの良い物件を選ぼうとするのです。
このあたりが物件オーナーと入居者さんの思惑が異なる事柄です。
その一方でサブリース会社の思惑はとにかく入居率を高水準に保ちたいという思惑が働きます。
そのためには物件オーナーに配慮しつつも、どうしても入居率が良くない物件があるならば、募集家賃を思いきり下げる事があります。
そのようにして入居率を改善しようとするわけですが、こうしたやり方は物件オーナーにしてみれば、全く面白いことではありません。
というのも募集家賃が下がる→入居者家賃が下がる→オーナーに支払われる賃料が下がる、ということにつながっていくからです。
このような事柄は、大手のサブリース会社でも、しばしば行われています。
レオパレス21物件への銀行の風当たりが強くなっている😟
シェアハウスかぼちゃの馬車の運営会社の破綻と、物件オーナーへの賃料の支払いの停止、そしてレオパレス21の施工不良問題と最近はサブリースがらみの問題が噴出しています。
昔ならば銀行もサブリースでのアパート経営ならば安定収入があるとの見込みから、サブリースでのアパート経営を銀行が推奨して、どんどん不動産融資をしてくれたようですが、最近は潮目も変わりつつあるようです。
とりわけ最近になってレオパレス21向け融資は、ほとんど不可能だという情報もあります。
例えば健美家サイトの「金融庁の一斉調査はレオパレス社破たんへのカウントダウンとなるか」という記事には
すでにレオパレス物件に関しては多くの金融機関で、アパートへの融資をしていない。昨年の施工不良報道から都市銀行、地方銀行、信金信組などではレオパレス物件への融資を問答無用で却下するようになっている。
引用:https://www.kenbiya.com/ar/ns/jiji/etc/3563.html(アクセス日2019/3/26)
と書かれています。
ですから投げ売り状態になっているとも言われているレオパレス21の物件を購入するためには、今後は銀行に頼らず現金等で購入するしかないかもしれません。